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【10分師匠】「本田宗一郎のデザイン論」〜岩倉信弥〜

どうも、伊志嶺海です。

このマガジンでは、毎朝10分間で偉人の哲理を学ぶPodcastプログラム「10分師匠〜偉人の哲理〜」の内容を発信しております。

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さて、今回の師匠は岩倉信弥さん。
岩倉さんは、本田技研工業のデザインチームでご活躍された後、同社の常務をお務めになられた方です。本田技研工業を退社後は、多摩美術大学の理事・教授をされております。

今回は岩倉さんが本田技研時代に学んだ、「本田宗一郎のデザイン論」についてのお話です。

余談ですが、本田さんはかなり体育会系のやり方だったらしく、部屋に閉じ込められアイデアが出るまで一才部屋から出してもらえず家にも帰れない、通称「缶詰」という文化があったそうです。

そんな本田さんと岩倉さんのエピソードを読んでの感想は、ものづくりのプロ意識をひしひしと感じました。つい自分の視点で物事を捉えてしまいがちですが、他人には他人の目や視点が当然あります。やはり自分たちの商品を利用する人の気持ちを徹底的に理解することが大事だと感じましたね。

本田さんのデザイン論の結論としては、「ものづくりでは、心底その利用者の気持ちを理解することが大事だ」ということです。その人になりきって、求めるものを想像することで、良いデザインやアイデアは生まれてきます。

"像"を"想う"が「想像」です。

あるとき岩倉さん達デザインチームは、「初代アコード」という三ドア車種の、四ドア版の開発を進めていました。

岩倉さん達は三ドア版の延長として考えていたそうですが、本田さんは「三ドアと四ドアは全く別物だ。四ドアは高級に見えるようにしろ。」と口酸っぱく言っていたそうです。

岩倉さんはそんな高級車はよそに任せればいいと考えており、ついには本田さんに直接「高級な生活をしていないので、これ以上はできません。」と伝えたそうです。

本田さんはブチギレです。そのとき本田さんは、こう言ったそうです。

「信長や秀吉の鎧兜も、地位も名も無い一介の職人が作ったんだぞ」と。

自分の視点ではなく、この商品を利用する人の気持ちを徹底的に理解すれば、本当に良いデザインが生まれるということです。

特にクリエイティブの世界だと、クリエイターとしては"自分が作りたいもの"に焦点を当ててしまいますよね。それが良かったりもしますが、やっぱりそれを受け取るユーザの気持ちや感情を理解しておくことが、良いデザイン、そして良い価値提供になるんだと学びました。

何か仕事をする際には、自分の生み出す価値を受け取る人の気持ちをしっかり考えて取り組んでいこうと思います。


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