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金融システムの裏側で何が起きた?全銀システム障害の振り込みトラブル解説|テストを重ねても失敗ゼロにはできない|許容の心を持とうか

おはようございます。今日も日記の記事です。
今朝、チェックしたのは銀行口座。どうやら給与は入っていたようです。みなさんのところの金融決済は滞ってないでしょうか?

10月10日から他行への振り込みサービスで障害が起きているようです。全銀システムで障害という報告は大変めずらしく稼働開始から初めて起きたようです。思うことがあり、今日はこちらについて書きます。


何が起きたの?送金トラブルの概要

全国11金融機関で他行向け振り込みができない点でトラブルが起きているようです。

それ以外の銀行は通常運転しているし、全銀システム本体は無事である。全銀システムを50年の歴史そのもととすれば、全銀システム本体の障害は起きていないともいえる。

障害は、どうやら銀行と全銀システムをつなぐ、中継コンピュータで起きているようです。

このシステムに参加している金融機関は1000ちょっと。今回の不具合は11の金融機関と、割合でいくと約1%と軽微にみえる。しかし、顧客シェアNo1の三菱UFJ銀行(シェア7%)とNo4のりそな銀行(シェア2%)が含まれたのが大きいと思う。(両方とも都市銀行5行の1つ)

引用:顧客企業獲得状況(wIkipedia)より

全国の10%の顧客で振り込みができていないのはさすがに目立つだろう。今回の事象で、三菱UFJ銀行やりそな銀行が入っていなかったら、ここまで大きなニュースにはなっていないと思う。

テストと本番は異なる|システムの切り替え

システムの切り替え系は、とってもとっても気を使います。自分のように、1企業のIT部門でも神経をすり減らすので、その業務を請け負う外注先さんなどもっともっとも~っと神経をすり減らしピリピリしていることを想像する。

できて当たり前、できないときは、対策だ。再発防止だと発展する。この対策と再発防止が大変で難しいのです。

今回のトラブルも、専門会社が当然請負で行っています。トラブルになると影響が計り知れないから、相手先も巻き込んで送金テストなど石橋をたたいて進めていたであろう。

とはいえ、どんなにテスト環境を本番環境とそっくりに作ったとしても、どうしても発見できないほどの小さな違いは見逃されことはある。

リスクは小さくはできてもゼロにはできない

コンピュータが産声を上げたころや、コンピュータがまだ限られたネットワークにつながっていたころとは違い、現代は個人所有の端末から、果ては冷蔵庫や車など、昔では想像もできないものがネットにつながっているし、決済システムへつながっている。

テストやテスト環境をつくってシミュレーションはできても、完全は無理なのである。テスト環境を作ろうものならキリがなく、それだけで大きな巨大システムをつくるだけのコストがかかるであろう。

だから、現実はどんなに石橋をたたこうが、リスクはゼロにはできない。どこまで被害を小さく局所化できるかにかかっているといえばそう。

常にバックアップ手段は必要|しっかりできている

今回の障害も、11銀行としっかりと局所化できているともいえる。そしてバックアップ手段を用いて処理はできているようだ。ただ、140万件の処理のうち100万件ほどしかできていないようで、40万件には遅れがでているがいずれ処理はされるはずである。

ちなみにバックアップ手段は、わりと原始的なものと想像する。もしかしたら現金を下ろして、他の銀行へ直接持って行って処理しているものもあれば、データをシステムから抜き出してチェックし、それを持って行って決済システムに入れるといった手段である。

そりゃ、緊急事態により人力や余分な手間が発生するので、通常時よりも速度は落ちるのは当然である。

今回は、バックアップ手段は持っておりしっかりやっているのではないだろうか。

リスクはある程度許容しよう|懸命に処理しているので理解の心を

世の中は便利になりすぎている。お金がないなら、手元で手軽に送れるようになっているこの世の中。10年前でもそこまでではなかった。

便利さの裏では、それらを達成するため複雑なシステムが存在し、さらに複雑に連携している。

だから、人間の作ったものだから、人間に制御できないわけはないという理屈はわかるが、それが複雑に絡み合っているなら、人知は超えているといっても過言ではない。

たぶん、制御できるが複雑がゆえに、原因特定に時間がかかるのだ。(それをAIという発想もあり、その方向に進むと思うけど、そうなるとスカイネットの世界だ。ターミネーター:ジャッジメントデイ!

だから、懸命に処置に当たっている方のことも思い、温かい目で見てほしいなと思う。

#3行日記  : でもITの仕事はおもしろい

こんな大変なことがあっても、ITの仕事には面白味があると思う。人がやると何時間、何日もかかることを、システムを組むと数分でできたりする。(実際には、組織の込み入った事情があってうまくいかないんですけど)

でも、できたときの達成感は半端ないね!

今日の記事は2時間半かかっちゃった。1時間は調べものです。

本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。


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