『Winny』を見ました|当時の日本はとにかく金子勇氏を有罪にしたかった|自分で自分の首をしめた日本
以前から見たかった映画を見ました。Winny開発者である金子勇氏の映画です。Winny開発から逮捕・裁判、そして無罪を勝ち取るまでの物語です。
Winnyというソフトは、ドンピシャ世代だったのですが、正直使ったことがありません。ですが、当時としては時代の先端を行っていた技術のようですね。時代は2004年。バブル崩壊したものの、日本はまだまだ元気であり、携帯電話やPCの業界でも日本は勢いがありました。
そんな中、当時最先端といわれるP2P技術をファイル交換ソフトであるWinnyを開発したのが金子氏でした。
裁判から7年半かけて無罪を勝ち取る
初裁判は2004年。当時このWinnyを用いて、いろいろなファイル共有がなされた。問題は、著作権で保護されている動画や音楽などが不法にシェアされてしまったこと。シェアした人たちは逮捕されたが、その矛先は、開発者の金子勇氏まで伸びてしまう。
そして裁判では、有罪となってしまう。そして7年半裁判で戦い無罪を勝ち取るも、その間は、Winnyの改良も新たなP2P技術の開発もできなかったのだ。
ナイフで人を殺めても、ナイフを作った人には責任はない|なぜか責任を追及した当時の日本
アメリカをはじめとする諸外国では、違法にコンテンツをばらまいた人やそれを取得した人を罰することはしたが、道具自体にその意図はなく悪用されただけなら開発者を罪にすることはなかった。
だけど、日本はWinny作成者の金子勇氏を犯人としてしまったようです。著作権法を訴えるのは通常、民間の個人や団体が多いのになぜか警察が原告になって、行われる裁判がされていました。
映画を見ると、裁判官たちも、なんとなくを原告(警察)側の味方の風ですし、警察は彼を逮捕後に口車に乗せて、証拠となる書類を書かせるようなことをしていたようです。
その間にP2P技術はアメリカ企業に開発の先を越される
7年半もの間、金子氏はWinnyの開発はできず、改良もできなくなりました。そして、おそらく、この事件でP2P技術は危険だ!ということで日本ではP2P技術の革新がストップしてしまったと思われます。
この間、アメリカなど諸外国ではP2Pの技術を応用したビットコインで有名なブロックチェーン技術を開発したり、P2Pとはちょっと違うけど、より進化した著作権の考え方で、YouTubeが動画共有を始めたりと現代では当たり前の技術となっている総元締めのほとんどをアメリカにもっていかれてしまったようだ。
もし、この裁判がなければ、金子氏は開発を継続でき、かつP2P技術開発の予算ももっと積極的につくようになり、日本初の技術が世界に入り込み、そのサービスを使えば日本が潤うというシナリオもあったかもしれません。
もしかしたら、取り返しのつかない裁判だったのかもしれない|けれど時代はすすむ
2004年当時は、日本の企業たちが、世界のトップ10企業に7社もいた時代だった。今はトヨタが何とか30番台にいる感じである。日本が落ちたというよりも世界の方が発展しまくったといった方がいいかもしれない。
その証明となるかわからないけど、こんな画像を見つけた。
約35年で日本は世界はこんなにも変わってしまったのかと。
上記に図の右下グラフに注目いただきたい。
そして、35年前は日本は世界の中でもぶっちぎりで勢いがあったのです。そうなると正義は日本、日本は正義。日本の言うことは間違いないになりました。日本はおもいっきり終身雇用で年功序列社会でした。その仕組みこそ発展の元であり、世界もこぞって参考にしたり、研究したりしていました。
けれど、現在の現実は上記の図の左側グラフの通りである。これをみて、このWinny事件のせいとは言えないけれど、IT分野の日本の技術シェアについては明らかに影響はあったと思う。
でも、そんなこと言っても始まらない。これを受けて今後の日本の発展も考えていかないといけないのだ。
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