
Castillo のトレード相手を「改めて」考えてみました。
前回の続きです。
もし、マリナーズ が Pete Alonso との短期契約を検討しているとして、獲得資金を捻出するためにLuis Castillo をトレードしようとした場合、トレード相手になりそうなチームは果たしてあるのでしょうか⋯?
Castillo のトレードについては以前にも書いたのですが、その頃からマーケットの状況も刻々と変化しています。
FA組では、Corbin Burnes がARIと、Sean Manaea がNYMと、Justin Verlander がSFGと、Charlie Morton と菅野智之がBALと、Walker Buehler がBOSと、Colin Rea がCHCと、小笠原慎之介がWSNと、そして佐々木朗希がLADと、それぞれ契約しました。
また、トレード組では、Jesus Luzardo がPHIに移籍しました。
MINはSDPから Dylan Cease をトレードで獲得しようとしているようです。
こうした現状を踏まえた上で、Castillo のトレード相手になりそうなチームについて考えてみたいと思います。
考慮すべき条件は4つ。
1. 再建中ではなく、win-nowモードである。
→来季の投打合計の予想WARが上位24位のチーム
2. 即戦力のSPが不足している。
→来季のSPの予想WARが下位15位のチーム
3. Castillo の残りの契約を引き受けられる財政的余裕がある。
→来季の予想ペイロールが上位15位のチーム
4. Castillo の交換相手として複数のSPのプロスペクトを用意できる。
→フューチャーバリュー40+以上の投手プロスペクトを7名以上保有するチーム
以上の条件をまとめたのが次の表です。
全ての条件に当てはまるチームはBAL、TOR、CHC、SFGだと分かりました。

次に、トレードを考える上で基準となる Luis Castillo と、その代替候補となる
マリナーズ内部にいるSPの成績を見てみましょう。
成績は2025年版のZiPSの予想に基づいています。
CastilloはFIP3.65で、WAR3.0とさすがの成績ですね!
Castillo の成績を完全に埋めるのは無理ですが、代替候補リストの最上位にいる
FIP4.39の Reid VanScotter よりも優れたSPを獲得したいところです。

それでは、上記4つのチーム内の具体的な候補者を見てみましょう。
まずはBALです。
コスト管理の厳しいチームだけあって、コスパの良いSPが多いです。
LHPの Cade Povich や、実績のある Trevor Rogers も捨て難いですが、
オプションが3年残っている Brandon Young を選びたいですね。
Chayce McDermott も高いK%が魅力的。ブルペンに回しても面白そうな気がします。
ちなみに、表中の青緑色で表示してある選手は個人的に狙い目の選手です。
また、若手SPを2名も出してもらえるとは思えませんので、SP1名プラスRP1名、もしくはSP1名プラス野手1名、というパッケージを想定しています。
野手は Coby Mayo が欲しいのはやまやまですが、攻守とも堅実な実力のあるRamon Urias を選びたいと思います。

次はTORです。
TORのSPは今ひとつ迫力に欠けますね⋯。
頭ひとつ抜けているのは、やはり Ricky Tiedemann ですが、故障中なので見送りましょう。
ここはひとつブルペンで活躍できそうな Ryan Burr でしょうか。
31歳と年齢はいってますが、オプションも1年残っており、使い勝手が良さそうです。LHPでは Josh Walker 、まだ24歳と若い Mason Fluharty も重宝しそう。
野手はコンタクトが優秀な Will Wagner が理想的。
三振が多いものの、2Bもこなせる Davis Schneider は及第点。

次はCHCです。
Jordan Wicks や、Cade Horton も、もちろん良いのですが、高いK%を誇る
Ben Brown で決まりでしょう。
25歳と若く、オプションも2年残っています。
耐久性が上がれば、Castillo 以上のSPになる可能性もあると考えられます。
ブルペンからはLHPのLuke Little も良いのですが、LHPは極力出したがらないかも知れませんので、同等の力を持つ Jack Neely を選びたいです。

次にSFGです。
K%が高いSPが意外と多く揃っているなぁという印象です。
次代のエース候補であるLHPの Carson Whisenhunt は出せないにしても、
RHPの Landen Roupp であれば何とか⋯。
それが無理でも、Carson Ragsdale、あるいは Mason Black と魅力的な選択肢が多いです。
ブルペンは、故障中ながらK%の高いLHPの Reggie Crawford も気になります。
野手は近年LHP相手にも好成績を残している左打者の LaMonte Wade Jr. が最有力候補。
ただ、思い切って1Bのプロスペクト Bryce Eldridge を狙うのもアリかなと。

さて、これら4つのチーム以外にもダークホースとして挙げたいチームが3つあります。
1つ目はLADです。
LADのSPは質量ともにMLB随一ですが、泣きどころを挙げるとすれば故障歴があるSPが非常に多いことでしょう。
もし、ローテーションの中位を担える実力を持ち、シーズンを通してイニングを稼げる、比較的健康なSPをLADが求めた場合、Castilloはうってつけの存在になるはずです。
もちろん、そこまでしなくても何とかやりくりできてしまう戦力ではあるのですが⋯。
さらに、投手プロスペクトの宝庫とあって、交換したい好素材が目白押しです。故障中のSPの中では Kyle Hurt と River Ryan が魅力的ですし、
Emmet Sheehan もいます。
ただ現実的に故障しておらず、イニングを稼げそうなSPとなると、Landon Knak に落ち着くでしょうか。
被HR が多い点は気になりますが、T-Mobileパークは投手有利の球場なので、多少は何とかなるかも。
ブルペンは、LHPの Jack Dreyer が気になりますね。オプションが3年残っているのも嬉しいです。
LADとトレードする場合は、とにかく投手を獲得した方が得策でしょうね。

2つ目はNYMです。
NYMは強豪チームの中では、ややSPローテが見劣りします。
これは David Stearns PBOがSPとの長期契約を望まない方針であるのが大きな理由でしょうが、マイナーを見渡しても、以前のような投手王国という充実度からは程遠い感じを受けます。
でも、だからこそ、Castillo を売り込むチャンスがあると言えるでしょう。
SPでは故障中の Cristian Scott や、Brandon Sproat に目が行きますが、狙い目は廉価のベテラン Tyler Megill かも知れません。
そして、ブルペンの Oliver Ortega も悪くないのですが、やはり3Bの Brett Batyが欲しいですね。
Baty が無理なら Luisangel Acuna という手もありますが、どちらかと言えば、SSをこなせる Acuna よりも ユーティリティ性でやや落ちるBaty の方がトレードで獲得しやすそうな気がします。

3つ目はDETです。
DETはとにかく エースの Tarik Scubal への依存度が強すぎます。
なので、ローテの2番手に実績のあるソリッドなベテランを置きたいはずで、
実際にFAの Jack Flaherty 獲得の噂が報じられています。
しかし、Flaherty はBALも獲得を狙っているという話があり、もし、BALがFlaherty と契約した場合、DETはCastillo の獲得に舵を切る可能性があると思うのです。
そこで、候補者を調べてみると⋯正直物足りなさは否めません。
SPでは、恐らく出さないでしょうが Ty Madden が有力候補。
ブルペンは、Chase Lee や、Tyler Mattison などが候補になるでしょう。
野手も⋯候補自体が少ない印象です。

今まで述べた予想は、確たる報道や噂に基づくものではありません。
多少はロジカルな体を装いつつ、あくまでもマリナーズ ファンである筆者の願望が入り混じった妄想に過ぎないことをお断りしておきます⋯🙇♂️
ともあれ、Castillo のトレードが上手くいき、補強資金の捻出に成功した暁に、FAの Pete Alonso と短期契約を結べたらいいですよね〜。
長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。