新潟の海で石拾い、黒点の石 |思い出その百二十三|
石拾いの旅|新潟県の海岸
2022年11月17日。
チャリズムANDOと石川での石拾いを終えて、帰るのかと思いきや富山で宿泊して新潟で石拾い。
そして気がつけばもう海に着いている。ここは翡翠で有名な海岸である。
過去に何度も訪れており、サラブレッドKと初めて本格的な石拾いをした場所でもあるのでなんだか懐かしい。
この海岸には翡翠以外にもいい石がたくさんある。過去の日記でも書いていると思うがここで翡翠を拾ったことはない。素人が簡単に拾うことは困難で、観光客に混じって度々見かける翡翠ハンターらしき人がいて、そういう人がなんとか手に入れることができるものなんだと思う。
この翡翠ハンター、なにやら長い棒の先に鍋の具取りおたまのようなものをくっつけた石取り道具を持っていることが多い。
これはすべて想像だが、この石取り道具で波打ち際の新しく打ち上がった翡翠や、石の中に埋もれた翡翠を掘り出しているのではないかと思う。(いや、それは貝取りの熊手かもしれない)
なので私は今日もただの石ころを拾う。 ANDOも楽しんで拾ってくれるといいのだが早くも彼の姿が見当たらない。ANDOはせっかちで落ち着きがない。多分魚釣りも向いていないだろう。
ここの石にはいくつか特徴がある。一つ目は斑のついた石。薄いベージュ色のベースにゴマフアザラシのような黒い斑点が配置されている。もう一つは風景石と呼ばれるもの。流紋岩であり、流れるような模様が特徴的だ。その模様が時に何かの風景のように見えることがある。水彩画や水墨画のようなタッチだ。
ざざざんざん。
ころころころ〜。
ANDOよーい。
あの奥に小さく写っている方は翡翠ハンターかもしれない。なんとなくオーラでわかるのだが違うかもしれない。多分違う。
遠目で見るとこの海岸も全体グレーの印象である。この日記ではグレーグレー、駐車場と言いすぎて、第一回から読んでいただいている方からすればいい加減もう分かりましたので大丈夫ですと声が聞こえてくるがここだけは強調しておきたい。
私やほかの石の人々がSNSにアップしている変わった不思議な石ころたちは、この無限灰色の中から見つけ出した石なのだ。
石好きださん、麻烏さんをはじめとして、無限灰色をも愛する方々がいることはたしかだ。というかそれが真の石好きだから。
だが私は十数年石拾いをしていながら心は未熟で何も変わっていない。
こういった余計な雑念が今でもずっと頭の片隅にあり、石拾いをしている時も何か考え事をしていたりする。
よくインタビューを受けたり、なにか文章を書く時には、石を拾っている最中は軽い瞑想状態にあるとか無心で石を拾って心地良いとかなんとか書いているが、嘘だ。いや嘘ではないさすがに。そういう時もある。
だが私は思考が常に巡っている状態がデフォルトなので仕方がないのだ。
無心で拾っているのは、相当心に余裕がある時か、青森など石が良すぎる時だ。
そんな時はゾーンに入る。石ゾーン。
波打ち際できらきら輝く。全然無限灰色じゃない。適当なことを書くのはやめよう。
石まみれの場所もあれば、ぽつぽつ石が散らばる場所がある。この海岸は石拾いのしやすさで言えば三本の指に入るだろう。
ころころころ〜。
石がコンクリートの淵に並べられている。たまに見かける石拾いの痕跡。これがたまらなく微笑ましくて、なんだかうれしい。
ちなみにここから拝借したことは一度もない。
なんだか石が並べられているだけでなにかの儀式のように神聖なものを感じてしまう。
私は何か石関連の文章を書いている時、石を並べている時にふと思ったのだが、石を拾うことを祈りだとするならば、石並べは自分の中の儀式のようなものなのかもしれないと。
そして石が複数ある状態で人は並べずにはいられない。何かしらの規則性をもって。潜在的に秩序を求めるのか。
翡翠で有名なだけあって石を拾う人が多いことよ。
みなさん、翡翠はひろえませんよー。石ころ拾いましょう。
翡翠翡翠、、。翡翠に取り憑かれた人々。(失礼)
なんだかたくさん集めてしまった。もちろん大半は海に置いていく。
そうそう、ANDOの石もここに混ざっている。どれかはもう記憶にないが、実は彼はもくもくと石を拾っていた。なにやらぶつぶつ石拾いに対して文句を言っていたり投げたりしていたような気もするが、拾ってはいた。
文句を言ってくれるだけありがたい。何かしらの反応であるからだ。何事も無関心が一番辛い。
過去の日記にマシューという男が登場するのだが、石に無関心で、石を投げ続け、好意でもらった水石を放置するという石の悪魔であった。
うーん。どうでしょう。
第一次選定。
十二石にて選定。やはり流紋岩が多い印象。だが、すべての流れる模様がそうとは限らず、そのあたりはっきりとはわからない。勉強不足で悲しい。
十二石 二。
斑点の数は少ないが、先ほど説明した、斑のある石というのは中段左から二番目の石である。
十二石 三。
下段左の小さくて赤っぽい石が可愛らしい。どうもここ数年は小さい石が好きだ。
十二石 四。
斑の石がいくつかある。斑点が多い石が面白くていいのかな、と思っていたが、下段左の石のサンドベーシュ基調に繊細に散らばる黒点が絶妙で心地いい。この石は是非とも欲しい。持ち帰ったのだろうか、覚えていない。
たぶん、こちらはANDOが拾った石。三連石。右の爪でひっかかれたような模様を覚えている。いいじゃないかANDO。彼はがさつで有名なのに、石拾いとなると案外繊細なセレクトをすることがある。人を印象で決めつけてはいけないなあ。
なんだか存在感のある石。黒の縞から謎の力が放たれる。
しっかり裏にも展開されている。
この石はいつもの石の大きさの基準、鶏卵サイズより大きいのだが、うーん。悩んだ末、残った。
なんだなんだ。まだ拾い足りないのか、
ころころころ〜。
ころ〜。
ざざざざん。
つやつやすべすべの石はどれだけ見ても飽きない。
波打ち際でぼやぼやする。
追加で三連石。
これにて石拾い終了。
帰りますよ。
なんだかんだANDOは石拾いを楽しんでくれた。
のだろうか。いつもはTADAと石のみを求めるストイック旅なのだが、
今回はANDOにより散りばめられた観光もよかった。
ふるさとの風景。
ふるさとが好きだ。
ありがとうANDO。
金沢に戻り駅弁を買い電車にとび乗った。
おいしい。さようなら。
ガタンゴトン。
海で拾った石|新潟県の海岸
こちらが持ち帰った石。ANDOのひっかき石がある。そして、あの繊細な黒点の石はない。無念。
金継ぎのよう。
おはじきのよう。
流線形が不思議。
べつの黒点がある石。小さめ。
ひっかかれた石。
ガンダムに出てきそう。ハロ。
つぶれた桜餅のよう。
闇深い石。ダークネス。
ANDOとの石川、新潟の石拾いは、これにて終了。
ANDOは正式に石の旅メンバーとなった。
次回は、出張ついでに神奈川石拾い。は、とばしてしまうかも。
そしてついに石好きださんと三重で石拾い。
そしてそして、384と最後の石拾いが近づく。青森よ、永遠に。
→いままでに拾ったいろいろな石
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