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頭痛が痛くて危険が危ない

「頭痛が痛い」「危険が危ない」「返事を返す」……
典型的な『重言(じゅうげん)』です。

『重言』とは、

同じ意味の語を重ねた言い方。

デジタル大辞泉

強調するためにわざと使うならいいのですが、知らずに使っているとちょっと恥ずかしい。でも油断すると使ってしまう。それが『重言』。

そんな『重言』のいくつかを訂正例とともご紹介します。

・頭痛が痛い→頭が痛い
・危険が危ない→危険だ
・返事を返す→返事をする
・馬から落馬する→馬から落ちる
・犯罪を犯す→罪を犯す
・違和感を感じる→違和感を覚える
・被害を被る→被害を受ける

よくよく考えればなにか変だな? と気づきますが、流れで文章を書いていると引っかかりやすいので注意したいところです。

しかしながら、言葉は日々移ろいゆくもの。
時代と共に変化していきます。
『重言』が『重言』ではなくなっていく……。

現に、上記の中でも「犯罪を犯す」「違和感を感じる」「被害を被る」などは強調や冗談ではなく、一般的な言い回しとして定着しつつある印象があります。

他に「ベストワン」「ハングル文字」「クーポン券」「ナイル川」「フラダンス」なども本来の意味からすると『重言』なのですが、よく見かける表現として使われています。

このままだといずれ『重言』という言葉と概念は消滅してしまうかもしれませんね。


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