映画の予告編問題
映画を観に行って「面白かったシーンは予告編で見たところだけだった」という経験はありませんか?
私は何度かあり、昔のハリウッドアクション映画に多かったように記憶しています。
ガッカリはしましたが、別に嘘をつかれたわけではないので「またか」と思うぐらいで特に気にしていませんでした。
しかし時代は流れ、映画の予告編も変化していきます。
平然と嘘をつくようになったのです。
大きく別けると、
①予告編で出てきたシーンが本編で出てこない
②予告編で出てきたシーンに本編では登場人物が追加されている。
という二つでしょうか。
①は、予告編では使ったものの、その後の編集作業でそのシーンがカットされてしまったと思われます。
②は、特にMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でよくあるのですが、主にネタバレ防止でそのシーンからキャラクターをCG処理で消しています。
私としては予告編は予告編、本編は本編と割り切っているので全然気にしてなかったのですが、アメリカでは訴訟騒ぎが起きてしまいました。
内容は、
”好きな役者が予告編で登場していたから観たのに、本編では全カットされていてまったく登場しなかった。これは虚偽広告にあたるのでは?”
というもの。
判決は「映画会社を虚偽広告で訴えることができる」でした。
映画会社側の、「予告編は映画のテーマを伝える3分間の『芸術的・表現的作品』であり、『非商業的な言論』とみなされるべきである」という主張が退けられた形になります。
考えてみれば当たり前のことで、どんなに理由を付けても予告編はCMであり、CMである以上は芸術だから表現の自由だからと嘘が許されるわけがありません。
訴えられても仕方がない事でしょう。
むしろ、訴訟大国アメリカにおいて今までなかったことが不思議なくらいです。
今回の判決が映画界に与えた影響はかなり大きいと思われます。
迂闊な予告編は今後出せないでしょう。
どの映画会社もしばらくは慎重になりそうです。
うーむ、予告編と本編の違いを見つけるのが楽しかったんですけどね。
MCUの場合は恒例行事となっていただけに今後が心配です。
あくまでも今回の訴訟は「まったく登場しなかった」ことが問題になっていたので関係ないと思いたい。
予告編の明日はどっちだ!?