サンタクロースはあわてんぼうが望ましい
サンタクロースはあわてんぼうの方が望ましいと言っても、『あわてんぼうのサンタクロース』みたいにクリスマス前にやってくるようなあわてんぼうではありません。
いくらなんでも早すぎたかな?と自分でも思ってしまうほどプレゼントをかなり前から用意するタイプのあわてんぼうさんのことです。
今は昔の物語、ゲームがプレゼントの主流だったころの話です。
11月下旬からゲーム屋さんはクリスマスと年末年始に向けて商品を大量に仕入れます。それはもう笑ってしまうほど。
どでかいダンボールの山に埋もれながら黙々と入庫作業をこなしていきます。ダンボールを開けて商品と納品書をチェックしパソコンに入力、発行されたバーコードシールを貼り棚へしまう。ようやく終わりが見えてきたと思ったら「お待たせしました!」とおかわり到着。エンドレス入庫作業。
休憩時間だ~とご飯を食べに行こうとすると「ついでにクリスマス包装一通り買ってきて」と声がかかります。休憩とは。
12月に入り特に土日ともなるとクリスマスラッピングラッシュが始まります。到底ゲームフロアだけでは追い付かないのでカードゲームフロアのスタッフにも手伝ってもらい総動員で対応。手が空いているならば店長だろうが社長だろうが駆り出されます。
用意した分だけ飛ぶように売れていたあの頃・・・古き良き時代です。
12月上旬あたりなら店頭にない商品も問屋さんにあればクリスマスまでに間に合わせることができます。ですが年末に近づくほど問屋さんの在庫もなくなっていくので追加発注もできなくなります。
お客様の求めているものが人気作や逆にマイナーなものだと時間がたてばたつほど入手が困難というか不可能になっていきます。
そして迎えるクリスマスイブ。
「○○のゲームまだありますか?」
「申し訳ございません。品切れ中です。」
「そうですか・・・、他にこの近くでゲームを置いているお店ありますか?」
「この近辺ですと××と△△ですがどちらももう閉まっているかと。」
「そうですか・・・」
と疲れきった様子で店を去るサンタクロース。
閉店時間まで続く光景です。
毎年見る光景です。
12月は忙しい、わかります。さすが師走。
ようやくクリスマスイブの夜に時間が作れたのでしょう。
「ダメ元で!」「もしかしたら!」「南無三!」「それでも!」
お店としても何とかしてご用意して差し上げたい。でも無いものは無いんです。「先週ならあったんですけど」という言葉をグッと堪え「申し訳ございません」と頭を下げるしかないんです。
現在はネットショップで購入したり、そもそもプレゼントがプリペイドカードだったりしてお店にわざわざ買いに行くことがないのかもしれません。
そうだとしても早く行動するに越したことはありません。
クリスマス直前のネットショッピングなんて転売ヤーどもの格好の餌食です。子供の笑顔の為に悪魔に魂を売る、なんとも切ない話じゃないですか。
今年苦労したというサンタクロースさんは来年こそ11月中にプレゼントを用意するようお願いいたします。
ちなみに私の幼いころは、11月末までに第三候補まで書いたサンタさんへの手紙を出すことが義務付けられていました。欲しいものを3個まで絞り込み順位をつけることにさんざん悩んだことは良い思い出です。