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新米ベトナム駐妻|ハノイで医療英語の試験を受けてきた(大変だったよ)

先月、ハノイ医科大学で医療英語の試験を受けてきた。

外国人がベトナムで医療職につくためには、英語の試験が必須。この試験をパスしてから、免許を申請して、正式に医療行為ができるらしい。正式というのは例えば、採血や点滴、手術などである。

(ちなみに今は、診療の補助や、資料作成を担当。)

ベトナムで働く医師、歯科医師、看護師、助産師、理学療法士、作業療法士などなど、医療系の職につくには、この試験に合格することが必須なのだ。

現実には、免許を申請してビザをもらうという部分が一番大変らしいのだが、その前の試験もけっこう大変だった。

私の周りで試験をうけたのは医師だけで、彼らはみんな「大丈夫!」という。

しかし、大丈夫なわけがない。

帰国子女や留学経験の長い人、受験でかなり英語を勉強した人(医者)は大丈夫なのだと思う。私はというと、特段そういう訳でもないモブ看護師である。

こういう問題がでたよ!というのは、教えてもらってはいても、やればやるほど、難しい。

どれだけ難しくても、今回落ちられない理由がある。それは、会社からは受けなくてもいいよ!どうせ使わないから!と言われたにもかかわらず、受けたいです!!!と希望してしまったからである。

受けたいんだったら、受験申請しといてあげるよ。ただしお金は出さないよ。

と、受験を手伝ってはくれたのだけれど、必要ないのに受けたいと言って落ちたら、かなり気まずい。

そんな理由で、かなり追い込まれていた。

ちょうど夫の父親が遊びに来てくれているタイミングだったので、娘の面倒をみてもらって、私は勉強することができた。

さて、来る試験日。面接は7時半からである。

大切なのでもう一度書く。

面接は朝、7時半からである。

いくら朝が早いベトナムとはいえ、早すぎない?
朝に面接で昼から筆記・リスニングだとしたら、面接終わりはずっと待たなければいけないのでは?

いろんな疑問が頭に浮かんで、緊張に輪をかける。

当日、まだ寝ている娘と夫に行ってきますと小声で言って、バイクタクシーに飛び乗り、7時に会場に着くように現地入りした。

大学の中で、どこが会場か全くわからない…誰に聞こうかと思っていた時、明らかに受験者っぽい3人の韓国人のおじさんとコーディネーターっぽいベトナム人のお姉さんを見つけたので、彼らについていくことにした。

試験会場はA7なんだ。

予感は的中。無事に試験会場にたどり着くことができた。

会場につくと受験者は韓国人のおじさん3人と私しかいない。

スタッフのお姉さんが、氏名と生年月日があっているか確認してねと受験者一覧を渡してきたのだけれど、その情報が全く違う。

私は30代女性なのだが、一覧では40代の男性ということになっている。

住所も違う。あっていたのは、JAPANだけ。

全然違うんですけど。

スタッフのお姉さんに伝えている最中、7時半になり、面接会場にきてくださいと名前が呼ばれた。

どきどきしながら、向かうと、面接官が2人。机の上に、紙の入った箱があり、その中からお題をひいて、そのお題に沿って自分の考えを述べなさい。という課題だった。

【抗生剤の使用について】というお題であった。

少し考える時間が与えられ、その間はメモを使ってもいいよということだった。

すぐ思いつくのは、ベトナムの医師は子どもでもすぐに抗生剤を出しがち、ということである。耐性菌や術前の抗生剤の話もできるか。なんて考えながら、話を作っていった。

面接官に呼ばれて、あいさつをし、自分の考えを発表する。

そのあと、いくつか質問をされた。

しかし医療英語がぱっと出てこない。それ以前に、聞き取れなくて何回も聞き直した。

医療英語は頑張って勉強し、単語を見れば分かるぐらいになったけれど、咄嗟にでてこない。高度な医療的会話をするのは、それなりの語彙力が必要だし、しっかりとしたトレーニングが必要なのだなと感じる。

もう特に話すことはないか…という雰囲気になり、面接は終了。

これは落ちたか。

面接で時間をはやく切り上げたときにいいことなんてひとつもない。

ショックのまま、受験者一覧の情報を訂正しにいって、時間は8時前。

昼からの筆記試験に向けて、近くのカフェに行くことに。ちょうどスターバックスがあったので、そこで昼まで居座ることにした。安心、安全、清潔なスターバックス。ありがとう、スターバックス。

医療通訳のYouTubeをつけながら、ぼーっとして、少し長文を読んで、単語の勉強をしてもまだまだ時間がある。

丸亀製麺があったので、そこでうどんを食べ、1時間半くらい早く大学に戻った。

ちょうど日本人の医者っぽい見た目の2人のおじさんがいたので声をかけてみると、なんと耳鼻科の先生であった。新しくハノイに耳鼻科をオープンするので、試験を受けに来ているとのことだった。

残念ながら、日本人向けではなく、ベトナム人向けの病院だそう。

とてもいい先生達で、直前勉強せず、試験まで楽しくお話してしまった。

筆記試験の会場では、他にも日本人を何人か見かけた。JICA的な人達だろうか?なんとなく、リハビリの先生のような雰囲気である。

ベトナム人学生がと韓国人が半々くらい、あとは日本人とヨーロッパ系の人が数人いた。

筆記試験自体は、意外と簡単だった。必死に勉強した医療単語はほとんど出ず、センター試験とか高校の英語のテストみたいなイメージだった。

そのあと、リスニングを受けるためにしばらく待機。

ここで座って待ってた

リスニングはまた別会場の視聴覚室のような場所で行われた。

後ろの席の女の子が、独り言を言うタイプの子で、リスニングなのにずっとぶつぶつ何か言っていた。つぶやく、というより誰かと会話しているのでは?と思うくらいの声量で気になって仕方がない。

リスニングがよくないできだったのは、そのせいにして試験は終了した。

朝7時から夕方4時過ぎまで。みっちり1日がかりの試験、自分のことながら、よく頑張ったと褒めたい。

そのあと、朝に歯が欠けてしまったので歯医者に行き、帰宅すると7時近くなっていた。

1日シッターさんと遊んだ娘は、帰るなりお喋りを発動。寝るまでずっと喋っていた。何を言っているのかは分からないが、楽しかったのだろう。

散々遊んだと思われる跡

先日合否が届いた。

合格である。

嬉しいことに、合格したので試験の代金は会社が出してくれるらしい。いろんな意味で本当に良かった。