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赤ちゃんのパスポート写真撮影は楽しい

ベトナムに引っ越すことになった我が家。0歳娘のパスポートをとることにした。

みなさんご承知のように、パスポート申請には写真が必要なのであるが、それはきちんと規定にそったものでなければならない。例えば、補助者は写ってはいけない。背景は無地で影等が写ってはいけない。顔が傾いてはいけない。笑っても泣いても口が開いても目が閉じていてもだめ。顔が大きくなりすぎてもだめ。ピンボケもだめといった具合である。

なるほどなるほど、赤ちゃんには厳しいぞと思いながらスマホで撮影を開始した。

授乳後の機嫌のよさそうなタイミングを狙う。白いシーツを用意し、その上に寝かせて、撮影した。しかし、想像した通り静止している時がない。顔が横を向く。わー娘ーこっち向いてーカラカラーとおもちゃを鳴らして気を引く。すると今度は笑うのだ。かわいい、たまらん。ただ口が開いている。連写モードで真顔の瞬間を狙うも、ご機嫌なタイミングのため、けたけた笑い続ける娘。真顔かとおもったら、口をんっっと閉じて、決め顔をしてくる。こんな顔してるの見たことないよと夫が笑いながら言う。笑いすぎて声がひきつっている。その後、奇跡の真顔が撮れたと思ったら、後ろに敷いていた無地のシーツがしわくちゃになっていたのでボツ。

30分くらいは撮影していただろうか。気が付くと、スマホの写真フォルダーには大量の娘の笑顔と決め顔NGショットがたまっていた。最高に幸せな時間だった。

ふと、カメラマンはこんな気持ちなのではと思った。カメラマンが被写体を撮って、そのできが満足いくものになるまで撮り続けて、ようやく1枚にたどり着く。普段ほとんど写真を撮らない私が、その感動ややりがいみたいなものを感じた気がする。

無事に撮り終え、窓口に提出するとあっさり、後ろのシーツに模様がみえるのでだめですと却下された。脱力し、その日は帰宅した。

顔の大きさや表情は規定通りだったようである。背景はアプリで青く修正し、翌日提出、無事発行された。一安心。

なんの話かというと、娘のパスポート写真撮影は楽しかったという話である。

あと、これから赤ちゃんのパスポート写真を撮影する人は、ぜひスマホとアプリを駆使してみてください、という情報提供でもあるかもしれない。