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『孫正義社長に学んだ「10倍速」目標達成術』(三木雄信)ブックレビュー

23年の3月上旬に受けた会社の昇格筆記試験に受かった後、尊敬する上司のIさんから5冊ほど本をお譲り頂いた。面接まで残り4か程度となったタイミングだったが、「二次試験となる面接に向け、管理職の在り方の勉強になるから、1冊30分でざざーっと読んでみて!」と。結果、、、2冊目に読んだこの本が面白くて何度も読み返してしまい2冊しか読み切れなかったwww

この本、面白い。“天才”と思っていた孫正義氏が意外にもシンプルで法則性のある経営方法を使っていた気づき。そして本を譲ってくださったIさんの普段の仕事ぶりともかぶる点が多くあった点(のちにIさんに聞くと、本をきっかけに実践したというより、もともとそうした仕事の進め方をしており、本を通じて確信に変わったので継続している、とのことだった)。『わらしべ戦略』、『ナンバーワン戦略』、『くじ箱戦略』、『週間化』・・・数々のキャッチ―な戦略名も心躍らせてくれる。さてさてレビューしてみましょう。

第1章:3大基本戦略


『わらしべ戦略』:一見価値のないものから始め、交換を繰り返し本当に欲しいものを手に入れる(P23)
┗ADSLでユーザー500万人を獲得し、固定電話事業者の日本テレコムを買収(ユーザー500万人追加+人材+ノウハウ+信頼のブランド力を獲得)→携帯事業への参入を果たす(P28)
┗わらしべ戦略のコツは「飛び石(なんとか達成できて、かつここを押さえれば大きく飛躍できる中間ゴール)」をたくさん置き、確実に達成すること(P35)
┗「水の上を歩く方法を知っているか?右足が沈む前に左足を出すんだよ」(孫氏)(P39)
『ナンバーワン戦略』:人がやらないことを見つけひとまずナンバーワンになることで、人・モノ・カネ・情報を得る(P42)
┗ADSLモデムの100万台発注により低価格サービス提供を実現→No.1ユーザー数に
『くじ箱戦略』:当たりが多そうなくじ箱を選び、くじをひくコストを下げ、当たりが出るまで引き続ける(P56)
ムーアの法則(コンピュータの性能は18~24か月で倍化する)があったからIT業界で起業した(P61)
┗戦略例:年収の高い男性と結婚したければ、理想の場所は司法試験対策の予備校(P62)
┗くじ箱では選択肢(=そのまま引き続けるか)そのものに大きな価値があるため、心底納得できるまで引き続けよ(P70)。「早く決断してすっきりしたい」という心を断ち、決断を先延ばしにする気持ち悪さに耐えよ(P72) 

→第1章の中身が濃ゆい!!笑
ADSLの例をもとに、3大戦略がとてもわかりやすく記載されていた。そしてくじ箱戦略の実用例としての理想の結婚相手探しの方法、妙に説得力があった(笑)
また、くじ箱の『当たり』について、妥協しないで引き続けることについては凄く納得。途中の小さな成功(本来意図していた大きな成功ではない)ものを得た時に終わりにしたくなるけど、それは即ちそのあとに訪れる大きな成功を捨てることでもあるのよね。うん、『決断を先延ばしにする気持ち悪さに耐えよ』、染みました。。。 

第2章:数値化&週間化術

・まずは明確なビジョンを持つことが大切。脳は『こうありたい』と強く思い続けることで、その達成に向けて自ら回路を作っていく(P81)
・明確な目標設定:数値化することで何をするべきかが見えてくる(P85)
『週間化』:目標に対し、週単位の数字にブレイクダウンせよ(P90)
┗マジックナンバー7(=スパンオブコントロール):1人の上司が管理できる部下はせいぜい7名(P92)
週単位にすればイレギュラーにも対応しやすくなり、帳尻を合わせやすい
┗「困難は分割せよ」(by仏哲学者・デカルト)とあるように、目標を持ったら1年、1か月、1週間で小さな目標を設定すること(P95)
人と会うスケジュールを先に決め、それに付随してやるべきスケジュールも決め実行力を高める(P96)
・『ベンチマーク法』:ロールモデルを設定し、徹底的に真似る(P100)
・目標設定に時間をかけすぎるな。高速PDCA(一旦仮でもいいから目標を定め、1回やってみて、、、と小さな実験を繰り返す)を意識せよ(P106)

→明確な目標を持つことで、脳が勝手にその回路を作っていくって面白いなぁ。でも稲盛さんの『生き方』にも、マークフィッシャーさんの『成功の掟』にも、目標について強く願うことの大切さは解かれていたから納得。
あと、人に会うとか戦略発表をするスケジュールを先に組んじゃうのはエグいけど、僕も最近そうしている。それに向けて資料を作らざるを得なくなるからね(笑)
そいでそいで、『週間化』も凄く好き。僕は休刊日を『週2日』と設定しているけど、これもいろんなスケジュールに合わせて計画を実行しやすくなるから。あ、スケールが小さすぎるね笑

第3章:人の力を借りる技術

・ナンバーワンと組むために、ナンバーワンになれるセグメントを見つけ、ナンバーワンになり説得材料にする(P121)
・『鯉とりまあしゃん』の交渉術:鯉捕り名人の鯉とりまあしゃんは本番のずっと前から入念に準備をし、相手がこちらによって来るような状況を作ることで、特別なテクニック不要で捕らえる(P125)
・見切り発車で発表して人を集める(P128)
・『マウンテンガイド理論』:山頂を安全に最速で目指すため、詳しい人を雇う(P132)
本の著者に会いに行く(P134)
┗孫氏も藤田田氏(日本マクドナルドの創業者)にアドバイスをもらいに行った(P136)
・壁打ち:一人で考えない。相手に投げかけ、何かが返ってきてアイディアが浮かぶ(P138)
┗「10秒以上考えるな」
ブレインストーミングでは、リーダーが言い出しっぺになることで、他の人の心的負担を減らすことができ闊達な意見交換の促進になる(P145)
┗日本人は不安やストレスを感じやすい『セロトニントランスポーター遺伝子S型』の割合が高い

→孫さんは自分ひとりの力に頼らず、人の力を集約することに長けていたんだなぁ~。
本の著者に会いに行く、はとても衝撃だった。曰く、本に連絡先とか書いている著者は連絡することに関しウェルカムだからどんどん話を聞きに行けと。え、岩田松雄さんとかにも会いに行っていいの!?これ、、、やってみようかな。
あと、ブレストで言い出しっぺになるって大切よね。これを上司がよくやってくれているのよ。僕は、単純にアイディアが浮かばずに黙りこくっちゃうことがあるけど、是非習得したい技術だな。

第4章:プロジェクトマネジメント術

・仕事を割り振るときは「とにかく早い段階で」「細分化して」割り振ること(P156)
・動詞ではなく名詞で依頼すると希望通りのアウトプットができる。
┗「調べておいて」だと調べて終わる人がいる→「●●報告書をお願い」で調べたうえで資料化してくれる。その際、「~と~と~を入れて」と3つ程度必要な要素を伝えるとベスト(P164)
週に一度メンバーが一堂に会す定例会を開くことで、連係ミスを減らす(P169)
会議の後に誰が、いつまでに、どんなアウトプットを出すか、議事録で共有(P172)
┗会議中に共有しながら作ると認識のズレがない
(P174)
・会議の目的を明確にし、誰を呼ぶかを決め、意思決定スピードを上げる(P176)
・プロジェクトマネジャーの役割:プロジェクトの参加メンバーを幸せにすること(P181)
┗当初のすり合わせをしっかり行い、『振出しに戻る』のを防ぐ、プロセスを管理することが肝要(P181)

→これも僕の上司のK部長やIさんがめっちゃやってるわぁ~~震えた!定例会で『交通整理』したり、メンバーに仕事割り振った後も投げっぱなしにならず進捗確認したり。あと、会議中に議事録を共有しながら作るのはね、実は僕今やっていますよ。んで、K部長やIさんからよく褒めてもらえる。認識のズレを防げるとはまさにその通り。その目的でやり始めたのよね。
目指せ孫正義。

第5章:問題解決術

・山崩し:問題を自由な基準で7つに分類し、大きいグループを優先的に解決していく(P197)
・パレートの法則(二・八の法則):全体の大部分(8割)は一部の要素(2割)によって決まる
┗これを利用し、早い段階でメンバーに成功体験を味わってもらう(P204)
アイディアの発想法・・・掛け算法(トレンド×自社製品で言葉を作ってみる)(P218)
・人に聞くときはなにを聞きたいか具体的に質問せよ。また、そもそも何が聞きたいかが定まっていない部下がいた時は、「一番困っていることを一つだけ教えて」というとテーマが見つかりやすい(P228)
・二分割安眠法:今の自分に「できること」「できないこと」で分け、達成感(納得感)をもって安眠する(P236) 

→アイディアの発想法についてはそれ用の本を確か持っていたからまた読んでみようかな。安眠法は、、、僕は小心者だから、これをやっても不安で眠れなかったりするのよ苦笑

いやぁ~染みましたよ、この本。今の僕にとても必要な、実務的な本だった。
稲盛さんの『生き方』や岩田松雄さんの『ついていきたいと思われる~~』、松下幸之助さんの『素直な心になるために』などのような、人としての在り方の大切さを説く本を読みながら、こういうテクニック論も身に着けていきたいな。
まだまだ読みたい本がたくさんある!時間が足りない!笑

 



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