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『amazonのすごい人事戦略』(佐藤将之)ブックレビュー

みんな大好きAmazon!というわけで前回読んだ『amazonのすごい会議』に続いて、『すごい人事戦略』を読みましたよ。最近人とはどうあるべきか、会社とはどうあるべきかから始まり、企業理念や人材育成・評価制度に興味にも興味が出てきたから、この本もめちゃめちゃ楽しく読めた。あとがきにも
『会社という組織が常に新しいものを生み出していくためにはそこに文化が存在している必要』があり、『文化の根源となるのが企業理念とかビジョンとかミッションとか言われるものです』(P334)
なんて書いてあったんだけど、アマゾンはそれをOLP(Our Leadership Principles)に反映させて常に意識させる体制があるのが魅力的。早速行きましょう!

第1章:アマゾンの人事は何がすごいのか~基本的な考え方と概要~

・急激な成長に伴いより明確な規範が必要に→OLPの誕生(P38)
・役割によらず全ての社員の採用、評価、教育のしくみに取り入れている(P41)
・中途半端な採用をしない。「自分より優秀な人を採用することを恐れるな」byジョフ・ベゾス(P45)
・ジョブ・ディスクリプション(=責任範囲を明確化した記述書)があることで目標が明確化&権限移譲できる(P59)
・週1回30分のOne on Oneで部下主役のコミュニケーション(P65)→評価する人が上司部下の関係なので納得感がある(P73)
・誰でもデータベースにアクセス可→メトリックス(KPI)文化醸成に不可欠(P77)

 →まず、ジョフ・ベゾスさんのお言葉が素敵よね。なかなか“ベゾス超え“の人はいないだろうけど、とにかく自身よりいい人を採用して育てよう、部下が未来の上司になるようにしようっていう心構えがカッコいい。

第2章:アマゾンのすべての基盤「OLP」~14カ条の秘密~

OLPの第一項目はCustomer Obsession(顧客へのこだわり)。とにかく「お客さま」のための企業(P90)
・ベストな人材の確保と育成に傾注→人を育てた人がちゃんと評価される(P108)
・質素倹約(コスト削減へのこだわり) 「Make Impossible Possible」(不可能を可能に)がデイブクラーク(現CEO)の口癖(P126)
OLPを常に目に入るようにし、日頃から共通言語として使う 例「Dive Deep(より深く考える)が足りない」(P145)
・OLPはビジネスに限らず生き方の指針にもなる(P151)

→OLPは数年に一度修正されたりするらしいけど、第一項目は不変なんだって。とにかく「お客さまのための会社」、それがアマゾン。
また、こういうOLPという企業理念とかビジョンみたいなものって形骸化しがちだけど、日頃からキーワードを共通言語として日常的に使うことで浸透していくってのはまさにその通り。勉強になるわぁ。 

第3章:アマゾンの人事がより理解できる5つのキーワード~アマゾニアン達の口癖~

※割愛 

第4章:アマゾンの採用~最高の人材を獲得する制度と戦略~

・優秀な人材を確保するために、大学の授業料を肩代わりすることも(P179)
・数%が新卒で、基本は中途採用(P181)
ハイヤリングマネージャー(入社後の直属上司となる人が、採用時に務める一時的な役割)が採用の責任を負う
1)必要な人材像を描き予算確保
2)JD(ジョブ・ディスクリプション)で役割明示(P186)
・書類選考と一次面接でスキルチェック→二次面接は面接担当者をハイヤリングマネージャーが選び(5~6人)、候補者は1対1の個別面接を5~6回受ける(P198)
・面接ではSTAR(Situation Task Action Result)をもとに深堀して質問し、再現性を確認(P206)
・過去にどのように上手に失敗したのかを大切にする(P212)
・VOTE(投票)は各面接官が①強く採用 ②採用 ③採用しない ④全く採用しない でそれぞれ意思表示→基本的に全員が①or②でないと不採用、合格率は1~3%(P215)
バーレイザー(採用の基準を高めるために選任される人)がいることで、妥協なき採用ができる(P222)
・バーレイザートレーニングは3~4か月。バーレイザーと一緒に面接に入って、面接の仕方を学ぶ(P225)

 →圧巻の章ですね。
まずは直属の上司が採用の責任者になるってのがいい。配属時の「こんなやつ採用しやがって」がない
そして面接が全部個別で実施され、投票制度なのもいい。面接担当者は聞きたいことを聞きたいだけ聞けて、忖度なく採用可否を判断できる。面接の、『どのように上手に失敗したのか』っていう観点も素晴らしいよね。
そしてバーレイザー。これが重要なんだよね。とにかく人手が足りないときってその場しのぎ的に採用しがちだけど、アマゾンはそれを許さない。採用のレベルの高さを、仕組化によって見事に維持している。 

第5章:アマゾンの育成~アマゾニアンに求められるスキルと思考~

・ハイヤリングマネージャーだった直属の上司が育成の全責任を負う(P231)
・成長のステージに合わせて指導方法を考える=育成制度に人を合わせるのではなく人に育成制度を合わせる(P234)
・メンター(新人の少し上の上司でお世話係)とバディ(同部署同レベルの同僚)を設定、メンター&バディに選出されることは評価にも影響する(P238)
・ローンチプラン(3か月の試用期間のゴール設定)を作成し、必要なトレーニングや顔合わせを実施(P244)
・上司は部下に新しいチャレンジをする道筋をつけ、自身を追い抜く存在にしなければならない(=それが最終的にお客さまのためになる)という考え方(P257)
社員が何か新しいことをしたいと思うなら、それをサポートする(=世の中の「ベスト」を作る)ことを優先(P260)

メンターとかバディって制度自体はよくあると思うけど、それを評価にも影響させることが大切だよね。そして配属された新人の初期目標を具体的に設定し、達成に向けた援助をすると。うん、基本的なことに堅実で実に鮮やかだ。
あと、『世の中のベストを作る』っていいよな。会社の利益を勿論大切にしたいけど、立派に育てた人を敢えて外の世界に出してあげることで、結果的に(世の中の)お客さまを喜ばせる、みたいなさ。懐深い会社ですよ、アマゾンは。 

第6章:アマゾンの目標設定&評価~人と組織の成長を確実なものとする仕組み~

直属の上司が評価する一方、360度評価も実施(P266)&目標達成に向けたKPIは自身で設定(P274)
・SMART(Specific Measurable Achievable Relevant Time sensitive)な目標を立て、1週間単位でチェック→未達の場合どう巻き返すのかOne on Oneで部下が説明(P284)
・中間評価は定性面(OLP)、期末評価は定量(メトリックス=KPI)&定性両面で評価(P289)
・OLR(Organization Leadership Review)で評価が正しく行われているかを全世界のアマゾンで比較(P296)
・定量・定性評価により給与が決まるため、評価の通知は年度初めの給与前に実施(P308) 

→目標とか評価って、結局本人の納得感が肝になるよね。だから目標の明示をすることとか、達成に向けた対策を本人に考えさせるとかって非常にロジカル。

第7章:アマゾンのリーダー研修~最強企業の幹部の育て方~

※割愛

というわけで素晴らしき・・・もとい、すごきアマゾンの人事戦略。
採用の責任者が採用後の直属の上司で、あくまで個別面接と投票で採用可否を決めて、んでバーレイザーもいるから採用基準の高さを保てて、採用後はメンター&バディがいてかつその人たち自身も評価されて、新人には具体的な目標を明示して達成に向けた対策を自身で立てさせて・・・って素晴らしすぎるだろ!!!笑
さてさて、そんな感じで今回のレビューもおしまい。そろそろ動画作成の季節が近づいてきた。しばらくは読書はお休みかな。
溜まりに溜まった半年の動画・写真を整理することから始めよう。

 

 

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