鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.15〜連覇という重圧との向き合い方。力強くはねのけた難敵・鹿島からの猛追。
2018年シーズンの振り返りもいよいよ大詰めです。
首位・サンフレッチェ広島との直接対決を制した川崎フロンターレは、その後も勝ち点を堅実に積み重ねていきました。さらに広島が失速し始めたこともあり、その差が徐々に詰まっていきます。
ついに広島の背中を捉えるチャンスが巡ってきます。
それが第28節のV・ファーレン長崎戦。
キックオフ前に、先に試合を終えた首位・サンフレッチェ広島がガンバ大阪に負けたとの情報が入ってきました。勝てば首位に躍り出るという状況下で、フロンターレの選手たちは、キックオフの瞬間を迎えました。
「勝てば首位」という欲から、平常心でサッカーができなくてもおかしくありません。しかし選手たちはいつもと変わらぬ状態で試合を進めていました。試合は残留争いをしている相手に2-1で勝ち点3を獲得。ここで昨年の優勝チームである川崎フロンターレがついに首位に踊り出ました。
優勝したとはいえ、昨年は最後の最後で、土壇場での逆転優勝でした。しかし今回はまだ試合数が残っている段階での首位浮上。ここからチームはどう突き進んでいくのか。
鬼木監督の舵取りが注目されましたが、指揮官はその重圧から「逃げるな」と選手たちに説いたと言います。
「優勝を望んできたし、首位に立つためにやってきた。そこから逃げてはいけない。それは、この1年、ずっと自分の中にありました。なので首位に立ったら、そういうプレッシャーもあるだろうけど、受け入れよう」(鬼木監督)
あえてその重圧と向き合って進んでいく。
残り6試合で首位に立ち、その覚悟を口にしていたのです。
ただその最初となる試合で、最大とも言える難関がやってきます。
それが第29節、カシマスタジアムでの鹿島アントラーズ戦です。
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