いしかわごう

サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。

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マガジン

  • 第103回天皇杯優勝マガジン

    天皇杯制覇を果たした川崎フロンターレの2023年大会(第103回)のレビューまとめです。優勝までの軌跡をどうぞ。

  • 映画『THE FIRST SLAM DUNK』を語る

    スラムダンクの映画『THE FIRST SLAM DUNK』について書いたnoteをまとめたマガジンです。

  • スラムダンクの新装再編版を語る。

    2018年6月から発売されているスラムダンクの新装再編版を語るレビューです。

  • 谷口彰悟について語るマガジン

    谷口彰悟が川崎フロンターレで過ごした2014年から2023年までの9シーズンの取材雑記をまとめました。全部で約60000文字ほどあります。他では読めない、とっておきのコンテンツです。

  • カタールW杯日本代表レビュー

    2022年のカタールW杯での日本代表戦4試合をレビューしています。50000文字超えの読み応えあるボリュームです。

最近の記事

鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.19〜徹底された包囲網と乗り越えるべき難題。そして激しさの増した競争の空気。

リーグ連覇した鬼木フロンターレ、3年目の挑戦。 ゼロックスを制し、リーグ連覇したことで、この時期の対戦相手から聞かれた合言葉がありました。 それは「フロンターレを止めること」。 そのための包囲網を徹底し、あの手この手で対策を練ってきました。そこを強い信念と、高い志を持って臨んでいくことになります。ただ開幕戦のFC東京(0-0)と鹿島アントラーズ戦(1-1)は、どちらも等々力だったにもかかわらず、勝ち切れませんでした。  例えば第2節の鹿島戦。 開幕戦をスコアレスドロー

    • 試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第28節・浦和レッズ戦の後半)

       11月22日は埼玉スタジアム2002で浦和レッズ戦です。 8月24日、雷雨の影響により中止となっていたJ1リーグ第28節の後半となります。要は45分だけゲームをするわけですが、通常の後半とは違い、両チームとも体力的にフル充電された状態でやり合うことになります。  果たしてどんな試合展開になるのか。 サッカーは90分のゲームですから、それが半分になる・・・・なかなかイメージが掴みにくいところがあります。  それは両チームにとって同じだと思います。週明けのミーティングで

      ¥200
      • 鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.18〜リーグ3連覇とACL制覇に向けた始動。そして、L.ダミアンの鮮烈なデビュー。

         今回から2019年シーズンの振り返りになりますが、その前提として、残り2試合を残してリーグ連覇した2018年の最終成績をおさらいしておきましょう。  最終的に2位のサンフレッチェ広島との勝ち点差は「12」でした。リーグ1位の総得点57、リーグ1位の総失点27。最多得点と最少失点もリーグトップを記録したのは、2005年に18チーム制になって以降、2シーズン制の15年、16年を除いて史上初。完全優勝達成とも言われています。素晴らしいシーズンだったと思います。 その年のJリー

        • 鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.17〜静かに、噛み締めるように味わったリーグ連覇。それだけチームが成熟したという証。

          2位のサンフレッチェ広島が失速し始めたことで、いよいよリーグ連覇のカウントダウンが始まりました。リーグ戦は残り4試合・・・ラストスパートとなりました。  NDスタジアム山形での天皇杯準々決勝・モンテディオ山形戦の敗戦は二冠という目標が破れたこともあり、チームに少なからずショックを与えるものだったはずです。ただそれを受け止めた上で、それをリーグ連覇のための教訓にしなくてはいけません。  では、具体的にはどういう教訓なのか。  何も特別なことではありません。鬼木監督が、フロ

        • 鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.19〜徹底された包囲網と乗り越えるべき難題。そして激しさの増した競争の空気。

        • 試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第28節・浦和レッズ戦の後半)

          ¥200
        • 鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.18〜リーグ3連覇とACL制覇に向けた始動。そして、L.ダミアンの鮮烈なデビュー。

        • 鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.17〜静かに、噛み締めるように味わったリーグ連覇。それだけチームが成熟したという証。

        マガジン

        • 第103回天皇杯優勝マガジン
          6本
          ¥1,500
        • 映画『THE FIRST SLAM DUNK』を語る
          8本
        • スラムダンクの新装再編版を語る。
          20本
        • 谷口彰悟について語るマガジン
          3本
          ¥1,000
        • カタールW杯日本代表レビュー
          4本
          ¥1,500
        • Jリーグアジアチャレンジ2022
          3本
          ¥500

        記事

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.16〜34本のパスをつないで決めた年間ベストゴール。そして二冠が潰えた直後に家長昭博が語った忘れられない言葉。

          リーグ連覇を達成した2018年の振り返りもいよいよ終盤です。 首位浮上後、最初の正念場となったアウェイでの鹿島アントラーズ戦は0-0で乗り切ったものの、連覇への道は簡単ではありません。次なる難関となる相手が立ちふさがります。  それがイニエスタ擁するヴィッセル神戸です。 順位的には優勝争いから脱落していたものの、リージョ監督を招聘し、ポドルスキも健在。さらにこの年、元スペイン代表のゲームメーカーであ離、世界的なトッププレイヤーであるイニエスタがやってきました。 右脚の

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.16〜34本のパスをつないで決めた年間ベストゴール。そして二冠が潰えた直後に家長昭博が語った忘れられない言葉。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.15〜連覇という重圧との向き合い方。力強くはねのけた難敵・鹿島からの猛追。

           2018年シーズンの振り返りもいよいよ大詰めです。 首位・サンフレッチェ広島との直接対決を制した川崎フロンターレは、その後も勝ち点を堅実に積み重ねていきました。さらに広島が失速し始めたこともあり、その差が徐々に詰まっていきます。  ついに広島の背中を捉えるチャンスが巡ってきます。  それが第28節のV・ファーレン長崎戦。 キックオフ前に、先に試合を終えた首位・サンフレッチェ広島がガンバ大阪に負けたとの情報が入ってきました。勝てば首位に躍り出るという状況下で、フロンター

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.15〜連覇という重圧との向き合い方。力強くはねのけた難敵・鹿島からの猛追。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.14〜不思議なメカニズムだった右サイドコンビ。敵地での大一番で淡々と逆転するチームの経験値。

          今回は2018年シーズン後半に起こした巻き返し劇を見ていきます。 中断明けからチームは高いレベルで安定したパフォーマンスを見せており、7月18日のコンサドーレ札幌戦(2-1)、7月22日のV・ファーレン長崎戦は(1-0)。8月1日の浦和レッズ戦こそ0-2で敗戦になりますが、8月残りの5試合を4勝1分で乗り切ります。  夏場に強い川崎フロンターレの象徴が小林悠でした。8月には5試合で5得点とチームを勝利に導くゴールを奪い続けました。夏男の呼び名は伊達ではありません。  小

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.14〜不思議なメカニズムだった右サイドコンビ。敵地での大一番で淡々と逆転するチームの経験値。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.13〜シーズン後半の巻き返しで証明された中断期間の取り組み。

           今回は2018年のロシアワールドカップ中断期間中の話です。  まずチームには小さくない変化がありました。大久保嘉人がジュビロ磐田に、エドゥアルド・ネットが名古屋グランパスへの移籍です。攻守両面で存在感のある選手二人の退団は小さくない影響があることは想定できました。  そしてこの時期、チームは毎年恒例の函館キャンプを行っています。まとまった時間が取れる時期に、鬼木監督はシーズン後半に向けて何をどう取り組んだのか。連覇を達成するにあたって立て直しをはかった期間だと思うので、

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.13〜シーズン後半の巻き返しで証明された中断期間の取り組み。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.12〜新人・守田英正の台頭と、突然訪れたエドゥアルド・ネットの退団による中盤のユニット解体。

           鬼木フロンターレの中盤といえば、トップ下・中村憲剛がおり、大島僚太とエドゥアルド・ネットがダブルボランチを組んだトライアングルを形成するのが鉄板でした。  もともとは風間八宏前監督が2016年に確立したトライアングルですが、引き継いだ鬼木監督は、このユニットを解体せずに継続しています。そしてこの中盤の三角関係の機能性もそのままに、2017年はリーグ初制覇を成し遂げました。誰かの怪我による離脱などがなければ、2018年もこの三角関係は盤石だと思った人は多かったはずです。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.12〜新人・守田英正の台頭と、突然訪れたエドゥアルド・ネットの退団による中盤のユニット解体。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.11〜誤審で途切れたリーグ無敗記録と、立ち込めた暗雲。そこから取り戻した「らしさ」。

          リーグ連覇を達成した2018年を振り返ると、勝てずに苦しんでいたACLと比べると、リーグ戦に関しては開幕から3勝1分と順調に勝ち星を重ねていました。  ところが、第5節のサンフレッチェ広島戦で0-1で敗れます。 これが今季リーグ戦初黒星。これにより、昨年から継続していたJ1でのリーグ戦無敗記録が19でストップとなりました。ちなみにこの無敗記録は、2015年に記録した浦和と並んでリーグ史上2位タイ。そして等々力でのリーグ戦連続得点記録も31でストップすることとなってしまいま

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.11〜誤審で途切れたリーグ無敗記録と、立ち込めた暗雲。そこから取り戻した「らしさ」。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.10〜風間グランパスとの対峙。それぞれのスタイルで進んでいく、自分たちの道。

          2018年は、注目すべきゲームが実現しました。  それはJ1第4節の名古屋グランパス戦です。 当時名古屋を率いている指揮官は、風間八宏監督でした。2016年まで約5シーズン半にわたって川崎を指揮し、攻撃的なスタイルを築きあげた人物です。川崎フロンターレ退任後、風間監督はJ2に降格した名古屋グランパスの指揮を取り、プレーオフの末にJ1昇格を果たし、J1の舞台に帰ってきました。  一方、風間監督の元でコーチを務めていた鬼木監督は、前任者のスタイルを継承しつつ、2017年にクラ

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.10〜風間グランパスとの対峙。それぞれのスタイルで進んでいく、自分たちの道。

          「Problem」(リーグ第36節・京都サンガF.C.戦:1-1)

           ちょっと意外な言葉だった。 それは、試合後のミックスゾーンで、ディフェンスリーダーの丸山祐市に前半の攻撃の組み立てについて尋ねた際に、彼が話してくれた視点である。  この試合の前半を振り返ると、互いにハイラインで前からプレッシャーをかけるため、陣形がかなりコンパクトで、中盤は選手が密集。切り替えも早く、両者がなかなか落ち着いてボールを持てないような状態だった。どちらのプレスも早いので、最終ラインの選手はラインの裏を突く攻撃を繰り出す展開が続いていた。  ただ裏を返すと

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          「Problem」(リーグ第36節・京都サンガF.C.戦:1-1)

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          試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第36節・京都サンガF.C.戦)

          11月9日はサンガスタジアム by KYOCERAで京都サンガF.C.戦です。 火曜日にACLエリートの上海海港戦があったため、川崎フロンターレは中3日での連戦となります。対する京都サンガは、優勝争いをしているサンフフレッチェ広島をアウェイで撃破。リーグ戦は連勝しています。一週間のインターバルがある中で、この試合も入念に準備してくると予想されます。  シーズン序盤の等々力での対戦は、京都に0-1で敗戦しました。川崎戦の決勝弾を京都の川﨑が決めるという少し紛らわしい決着でし

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          試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第36節・京都サンガF.C.戦)

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          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.9〜堅守を支えた谷口彰悟が高々と掲げたシャーレ。最少失点で成し遂げたリーグ連覇の意味。

          リーグ連覇を達成したこの年、特筆すべき点として挙げられるのが堅守でした。  リーグ最少失点となる「27」を記録。攻撃力を看板に掲げてきた川崎フロンターレが失点を減らして勝ち続けたわけです。これは2年目となった鬼木フロンターレにおける最大の特徴であり、リーグ連覇を支える要因ともなりました。  実は、シーズン序盤から守備意識の違いを感じる場面がありました。   中心にいたのはディフェンスリーダーである谷口彰悟です。実はACL初戦の上海上港戦では、左目のコンタクトレンズを落と

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.9〜堅守を支えた谷口彰悟が高々と掲げたシャーレ。最少失点で成し遂げたリーグ連覇の意味。

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.8〜勝負どころでは必ず勝つ。王者として初めて臨んだ2018年シーズンの挑戦。

           今回からは2018年の鬼木フロンターレの振り返りをしていきます。リーグ連覇を達成したシーズンですが、初めて「Jリーグチャンピオン」として迎えるシーズンでもありました。  初めてのタイトルを取った後のシーズンを、どうやって突き進んでいくのか。クラブに関わる人にとっても未知の体験でしたし、もちろん、就任2年目の鬼木達監督も例外ではありません。指揮官としても大きな挑戦となる舵取りが求められたはずです。 この年の新体制発表の会見で、鬼木監督はこんな決意表明をしています。 「今

          鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.8〜勝負どころでは必ず勝つ。王者として初めて臨んだ2018年シーズンの挑戦。

          「MOMENTUM」(ACLE MD4・上海海港戦:3-1)

           試合開始、わずか35秒。 中盤のオスカルにボールが入った瞬間、前線の瀬川祐輔とボランチの橘田健人で猛烈な勢いでこの元ブラジル代表の8番を挟み込む。そして、そのこぼれ球をサイドハーフの遠野大弥が素早くカバーする。開始早々、このゲームにおける守備の狙いが垣間見れたワンシーンだ。  相手は3日前に中国・スーパーリーグを連覇したばかりのチャンピオンチーム。 チームの中心にいるのがオスカルであり、いかに彼を自由にさせないか。それはこの試合における重要なテーマの一つだった。  オス

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          「MOMENTUM」(ACLE MD4・上海海港戦:3-1)

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