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鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.35〜作り上げていたのは記録よりも歴史。淡々と勝ち続けていく凄みにあったもの。

10月、ルヴァンカップこそ敗退したものの、リーグ戦での連勝が止まらないチームは、今季2度目となる10連勝をかけた一戦を迎えていました。

そもそも10連勝をするチャンスがシーズン中に2度も巡ってくるというのが異常です。ただ選手達はそれを特別なこととは捉えていませんでした。

 これは9連勝を飾ったベガルタ仙台戦の試合後、中村憲剛が語ってくれた証言です。勝利後のロッカールームに漂う選手たちの雰囲気についてこんな風に述べていたのです。

「清水戦から始まった連勝で、『目指せ10連勝』とは誰も言っていない。みんなで言っていたのは、とにかく目の前の試合を勝つこと。目の前の相手をどんどん破る。それでここまで来た。3連勝、4連勝の時は誰も言わない。それにロッカールームの雰囲気を見ても、みんな勝ち慣れている。たくましくなったなと感じていますね。そういう意味では、自分たちがどれだけできるかにフォーカスするチームになっている」

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