鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.39〜作り上げることのほうがいい人生でしょう。そう思いませんか?
リーグ優勝後の監督会見で、リーグ最速での優勝であること、そして最多勝点75と最多勝利と、歴史に残るような優勝になったことについて問われた鬼木監督は、こう答えています。
「日々の積み重ねだと思います。いろんな意味で特別なシーズンだなと思ってます。こういう形で独走して優勝は、なかなかこれから先も難しいと思ってます。やっぱり自分たちの選手を信じて戦えば、決してできないことはないと思いました。一戦必勝と言ってましたが、今度は記録というものにチャレンジするべきだと考えています」
優勝は決定したものの、リーグ戦はまだ続きます。
残りは4試合。言ってしまえば消化試合ですが、鬼木監督は、記録樹立を目標にして選手たちを焚きつけたようです。守田英正が、練習前のミーティングの内容を明かします。
「記録にチャレンジしていける権利がある。僕たちが連勝記録を塗り替えたように、誰かが記録を塗り替える日が来る。それでも塗り替えさせないぐらい、圧倒的な記録をみんなで作ろうと。そのミーティングは良かったというか、もう一回頑張ろうとなりました
残り4試合、意識を切り替えていたのは他の選手たちのコメントからもわかります。
「これからは優勝ではなく記録を目指してやっていくこと。そこはこだわってやって、簡単に破られないような記録を目指して、最後まで一つになって頑張っていきたい」(谷口彰悟)
「チームでいうと、勝ち点と得点をもっと積み重ねて、自分たちにしか超えられないような記録を出したい。天皇杯もあるので複数タイトルに向かって、自分は攻撃的な選手なので、得点とアシストにこだわってやっていきたい」(脇坂泰斗)
狙いたい記録といえば、やはりチーム得点記録になるかと思います。ちなみにこれまでのリーグ過去最多得点は、奇しくも2006年の自分たち(川崎フロンターレ)が打ち立てた84得点。
ジュニーニョ(20得点)を筆頭にした攻撃陣が得点を量産したのは言うまでもないですが、中村憲剛と谷口博之のダブルボランチも10点ずつ取ったというのだから異常です。それ、2トップがするやつです・笑。
このシーズンは現在までで79点。つまりあと5点で並びます。
4試合であと5得点を取るというのは、チームの得点力を考えれば何ら難しい数字ではありません。むしろ、残り4試合で複数得点を取れない試合が続いたら、ちょっとよろしくありませんからね。これは必ず更新して欲しいと思います。
なお個人の記録で言えば、現在12得点の三笘薫は、あと1点取ればJリーグの新人得点記録に並びます。小林悠が「PKは薫に蹴らせたい」と話してましたが、そういうシチュエーションがあるかどうか。
ただ記録に注目が集まりがちですが、大事なのはあくまで勝つことです。そして勝ち続けて天皇杯につなげること。谷口彰悟は、こう気を引き締めていました。
「まずはきちんと切り替えて次に向かっていく。このチームはまだまだ高みを目指すんだなというのを示さないといけない。記録という意味でも1試合も無駄にできない。一戦必勝。しっかりとまず勝つということはこれまで同様にブレずにやり続けていきたい。天皇杯のリーグ戦も無駄な試合はない。必ず繋がってくると僕は思っています」
結論から言うと、残る4試合は第31節清水エスパルス戦(2-2)、第32節サガン鳥栖戦(1-1)、第33節浦和レッズ戦(3-1)、第34節柏レイソル戦(3-2)という結果でした。
塗り替えた記録の数々はこちらです。
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