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鬼木フロンターレとは何だったのか:Vol.75〜8年6か月ぶりに喫した鹿島戦の黒星。そして4-3-3システムの終焉。
敵地での開幕戦を逆転勝利で飾りました。
続く第2節のジュビロ磐田戦は、リーグのホーム開幕戦となりました。そして今季から富士通株式会社がネーミングライツパートナーとなり、2月1日から等々力陸上競技場の愛称が変わりました。すでにACLで試合が開催されていますが、大会規定によりACLでは等々力陸上競技場のままでした。なお「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」の略称は「U等々力」となります。
その第2節、昇格組であるジュビロ磐田に4-5という壮絶な点の取り合いで敗れています。リーグ奪還を掲げていながら、早くも初黒星を喫しました。
これだけ派手な試合で負けると、敗因も見つめにくいところがあります。
例えば追いつきながらも5点目を取れなかった得点力を嘆くのか。それとも前半30分までに3失点を喫してしまった試合の入り方や連続失点の問題点に目を向けるのか。あるいは、土壇場で与えてはいけない5失点目を喫してしまったチームの守備力を嘆くのか。
改善点は一つではなく全部なのですが、自分は前半の3失点にこそ目を向けるべきだと思っています。前半に3点取られたらゲームが壊れてしまうからです。チームの守備構造で問題を抱えていたのは事実ですが、それを差し引いてもゴール前であまりにイージーにやられ過ぎました。
同時に気になったのは、追いついた後に再び失点していることです。それが4失点目ですね。コンパクトだったにも関わらず、相手の最終ラインから一発のパスで背後を取られてPKを与えています。
真ん中を簡単に割られた大南拓磨の対応も問題ですが、アンカーの左脇のスペースを通されています。後半は追いつかないといけない展開だったので、山本悠樹がアンカーになったことで配給を重視し、守備の強度に目をつぶった部分があったのは事実です。ただ、あの場面では最終ラインだけではなく、中盤と前線のフィルターもまるで機能していないわけです。
今季、最初のホームゲームだったACLのラウンド16・2ndレグ山東泰山戦では2-4の4失点です。そしてここでは5失点。試合後の佐々木旭は「勝てるものを勝てないと思います」と口にします。
「あんなので失点していたら、勝てるものを勝てないと思います。(攻撃陣は)4点取ってくれたので。5失点している。そこはすごく責任を感じているので、また出番があればこだわってやります」
チームは磐田戦(4-5)、京都サンガ戦(0-1)、そして鹿島戦(1-2)と3連敗しています。なぜシーズン序盤から、ここまでチームのバランスが崩れているのか。今回はそこを検証したいと思います。
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