じゅげむ
毎年、夏の高校野球が開幕する時期になると、そわそわしていても立ってもいられなくなり、3連休を無理やりとっていそいそと阪神甲子園球場へと向かう。
入場券が販売開始される早朝に、阪神に乗って甲子園駅に降り立ち、球場出口改札を飛び出して、阪神高速3号神戸線の下をくぐった先、チケット売り場へと並ぶのだ。
以前は両外野自由席は無料で、途中出入りが文字通り自由でまさに天国だったのだけれど、2018年の100回大会から大人500円の有料となり、当然再入場も不可となってしまった。
まあこれだけ高校野球が人気になってしまうと、致し方ないところか。
春のセンバツならまだしも、真夏の炎天下のスタンドで、自分のように朝の第1試合から夕方の第3試合、第4試合までぶっ続けで観戦するような物好きは、熱中症で下手するといのちに関わることになりかねないため、当然ながら適宜、屋根のあるところで休憩を取る必要があるわけで。
試合と試合の合間の阪神園芸さんのグラウンド整備中、あるいは試合前の守備練習、監督のノックのタイミングなど、頃合いを見て席を立ち、ライトスタンド、あるいはレフトスタンドを出る。
野球塔を横目に見やりながら、ららぽーと側に横断歩道を渡ると、名物の甲子園ヒーロー揚げという手羽先の唐揚げが人気の、じゅげむさんがすぐ見えてくる。
ここで手羽先をアテに、ハイボールを飲んで頭と身体をクールダウンするのだ。
お店にテレビは無いので、NHKのラジオ中継を聴きながら、ヒーロー揚げと角ハイで店主さんとしばらく話す。
今年は雨で順延が多いね、とか。
大阪桐蔭は多分今年のタイガースより強い、とか(個人の感想です)。
昨日の雨天中止を知らずに、地方からはるばる観戦に来た親子連れが、そこで呆然と立ち尽くしていたんだよ、なんて話を聞くと、球児や関係者以外でも甲子園悲喜交々あるのだなあ、と。
壁に貼られた今夏のトーナメント表をみながら優勝予想したり、往年の甲子園のヒーローの思い出話をしたり、そろそろ次の試合が始まるようだな、というラジオの声に、またいそいそと横断歩道をわたり外野席へと戻る。
再入場の度にチケット買ってると面倒だし、時間の無駄なので、毎朝まとめて4枚5枚の外野自由席を買っておく。
雨が降らない限り、毎年このルーチンを繰り返す真夏の3日間が至上の幸せ。
甲子園、高校野球大好き。