石と温泉の旅
旧石器時代、縄文時代の石器、その石材に魅せられて、ここ5年くらいの間で一人旅をするようになりました。石器の材料は火山やマグマの生成物が多いので、産地には温泉が湧いている所が多いです。そのため、旅先で温泉に入るのも楽しみの一つになっていったのです。
35歳を過ぎた辺りから、身体の冷えを実感したり、肌の調子が変わってきたりと加齢を実感するようになりました。それまで、宿のお風呂は温泉ではなくても特に気にしなかったのが、いつしか温泉で宿を選んだり、日帰り入浴施設を探したりと、温泉に惹かれて行く自分がいました。温泉に入った時のフワーっと包まれている感じと、大地のパワーを頂いてる感じ。そして、肌もスベスベになって、こんな気持ち良いものに今まで何故気付かなかったんだって思いました。年齢を重ねて見つかる楽しさや喜びがあるって感じましたね。
諏訪へ
長野県の諏訪。つい先日ブラタモリでも取り上げられてましたが、諏訪湖周辺から八ヶ岳山麓にかけては全国でも異例の縄文遺跡の多さでした。諏訪周辺には縄文時代以前の旧石器時代から和田峠等の石器の材料とする黒曜石の産地がありますが、それだけではない人を惹きつける何かが諏訪地域にはあるように思えます。一人旅をするようになって、諏訪には度々行きたくなるのです。
諏訪には有名なところで上諏訪温泉と下諏訪温泉があります。どちらも個性的で良い温泉施設がたくさんあるのですが、下諏訪温泉は特にお気に入りです。まずもって泉質が良いです。硫黄臭がするけれど透明で清らかな温泉。近くには諏訪大社の秋宮があり、その東側には黒曜石の産地が広がっている霧ヶ峰があります。僕のイメージでは、霧ヶ峰の黒曜石などの岩盤を通った伏流水が地下で大陸プレートと断層の影響で熱せられ、聖地諏訪大社の近くで湧き出ている感じ。エネルギーや神聖さが違う気がするのです。
↑ 一番お気に入りの菅野温泉。もちろん循環濾過一切無しの掛け流し。ただただ源泉浴槽が一つあるのが良い。
諏訪に通い出してから7〜8年くらい経つでしょうか。毎年一回は足が向いてしまう。最近はコロナ禍なので控えてますが、また行きたいです。そして思い出すと、石と温泉を愛でたくてウズウズします。また、あの黒光りした石を愛でて、清らかな源泉に包まれたい。