箸から広がる世界
僕は普段から箸とストローを持ち歩いています。エコとかじゃなくてただその箸が好きだからなんだけど、たまに「エコだね。」と言われることが多い。
そりゃお店行って「割り箸はいりません、マイ箸あるので。」って言ってたら、さもエコ意識高い系男子(こんな男子いるのか?)みたいに見えてしまいます。
僕のマイ箸
いつもこの箸袋にいれて携帯しています。僕的にはおしゃれでかわいいです。→女子か
開くとガラス製ストロー(石垣で出会った友人からもらった)、ステンレス製箸。よく韓国の箸と間違われるんですが、違っていて新潟県燕市の金物の町で作られた日本製の箸です。
ちゃんと箸先は滑り止めの加工が施されていて、思ったよりも滑りにくくなにより丈夫。何より職人が仕上げた業物っていうのがとっても魅力的で、きれいな箸だな~と思い埼玉に住んでいた頃に衝動買いしてしまったものです。
僕はこの箸が好きで外でも持ち歩いて使っています。
でもたまに「マイ箸はエコじゃないよ。木は生えすぎているからドンドン割り箸とか消費して間伐(木と木の間隔を空けるように伐採する事)をしないと。」って言われることがあります。ホントはここまで長く説明されることないのだけれど、まぁ要するにこういうことが言いたいのだと思う。
最近、その辺が非常にモヤモヤしていたので掘り下げることにしてみました。
箸のことを調べてみると…思ったよりも最新のデータは少ないのですが、色々とわかった事がありました。
割り箸自体はもともとエコだった。
古くから箸を使う文化だった日本では木製の箸が当たり前だったことは、言うまでもないのだけれど重要なことは、
本来、箸を作るために木を切るのではなく間伐や端材から作られているもので、環境破壊を招く森林伐採とは関係のないものでした。不要な物から普段使用する物を作り出すというところはリサイクル、エコそのもので何も地球に悪いことはありませんでした。
むしろ森を定期的に間伐することで木は成長し、光合成を行いやすくなりco2をたくさん吸収しやすくなります。
では、なぜ割り箸自体がエコではなくなってしまったのでしょうか。
中国からの輸入
これにより国産の割り箸より安価のものが輸入されるようになったようです。現在、98%は中国からの輸入品でほぼ国内を独占状態のようです。
そして木材の国産のシェアはなんと30%で70%は輸入材木だそうで、平成12年の自給率は18%しかなく、平成30年にかけてやっと32%まで回復。ちなみにおよそ60年前までの自給率は94%で、木材輸入自由化や国内の経済状況や円高が影響していたようです。
国産より安く木材を輸入することができたから国産木材の価値が下落し、木炭や薪などのエネルギー源の転換(灯油など)により当時は、銀行に貯金するより木を植える方が価値があると言われるほど盛んだった造林は衰退していきます。ちなみに植えていたのは価値があったとされるスギやヒノキといった針葉樹で、理由は建築用材として用いられていたようです。
結局、若者は都心に流出し働き手も減ってきたし、林業もうからないからやめよってなっちゃった。
https://www.shinrin-ringyou.com/ringyou/entrance.php
安いけど問題はあった
たかが割り箸にここまで時間を割かれることになるとは思っていませんでした。まさかこの国の経済や時代背景を鑑みることになるなんて…
ちょっと後悔してますが、もう少し頑張ります笑
1970年以降、急激な外食産業の発展と衛生面の関心が高まった事から割り箸の需要は激増。供給が追い付かなくなり、安価の中国製割り箸の供給が増え始めます。割り箸界の黒船ですね。→なにそれ。
安く手に入るようになったものの問題もあった。
それは日本が割り箸を買ってくれるから、中国の人たちがガンガン伐採し始めちゃったこと。
そして中国製割り箸から防カビ剤、防腐剤、漂白剤などが多く残留していたりすること。
環境にも人体にも悪影響だということ。しかもどうやら木製だけでなく竹製の割り箸にも使用されているようです。
伐採による環境破壊、そして薬品を使えばそれも環境に負荷がかかる。中国は森林保護を理由に将来的に輸出禁止を検討しているらしいです。
たかが割り箸。→日本では年間250億膳消費。
どこかで変わらないといけない
飲食業界を中心に使い捨てでなく繰り返し使用可能なプラスチック製箸に変えるなどの取り組みはしているが、身体に影響がないかといえばそうでもなく調べてみると金属製の箸も作る際に燃料を使用するという観点においては環境負荷がかかるという見方もあり、完全なエコかと言ったらそういうものでもない。
理想で言ったら国産間伐材マイ箸を常に持ち歩き、外食先で割り箸を出されたら国産間伐かどうかを確認して違っていたらマイ箸を使う。
これがよさそうです。→もはや仙人クラス
自分のマイ箸についてちょろっと書こうと思っていた記事が、とんでもなく深いところまで掘り下げることになり驚きました。
いや当たり前のように思っていた事を再認識するきっかけになったというのが正解か。
環境は経済に繋がり、経済は人に繋がる。
逆に僕たちの選択は経済に繋がり、経済は環境を左右するという事。
僕たちが何かを変えれば、世界が変わることもあるんだな。
消費者:マイ箸を持つ→中国製割り箸使用量減→エコ&人体悪影響なし
店:国産間伐材割り箸を店に置く→間伐の手助けになる→森が成長→CO2削減→エコ
他にもたくさんの要素があるし、しがらみも多いけど少し選択を変えるだけで広がる世界もあると思いました。
別に箸じゃなくてもいいと思うんです。食べ物でも服でも化粧品でも靴でもなんでも。
ただたったひとつのものにあるそこから広がる世界を考えてみるのもいいのかなと。