ノーコード開発ツールで未解決課題を解決できるか?
こんにちは。
私は一般企業の情報システム部門で、主に社内業務のシステム開発に関わっています。
1.システム部門はパンク寸前
会社の重点政策への取組をサポートするツールを提供するとか、他部署から
の要望でアナログで非効率的な業務を効率化するといった内容で、前年度の
うちに年間計画を立て、契約しているコンピュータ会社の技術者にプログラ
ム開発してもらう、というのが基本的なスタイルです。
たとえば最近では、事務所のホワイトボードに書き込んでいたスタッフの行
動予定をWeb上で共有できるようにするツールとか、従業員向けの教育動画
を配信し、全従業員の受講状況をまとめてチェックできる教育動画メニュー
といったものを展開してまいりました。
ところが実際には、コロナ対応、台風や地震などの災害対策、会社の上層部
から急な指示が下りてきた(これが一番厄介!)、といった突発的な案件が
年度中にいくつも発生し、計画通りに事が進むことはまずありません。
また他部署においても、DXの推進だ、コンプライアンスだ、SDGsだと、
年々取り組むべき課題が増えてきているためか、システム部門への依頼内容
も加速度的に多様化・複雑化しているように思います。
システム部門としても、このままではキャパオーバーでパンクしそうです。
2.ノーコード開発ツール「Make」との出会い
そんな中、最近、ノーコード開発ツール「Make」とAPIを組み合わせてアプ
リを作る方法を紹介してもらう機会がありました。
ノーコード・ローコード開発というキーワードは最近よく聞きますが、実際に自分で触れてみたことで、自分自身で課題を解決できるのであればと思い、未解決の案件からノーコード開発ツールで解決できるものはないか、検討してみることにしました。
まずは、Makeの使い方とどのようなAPIサービスがあるのかを知ることから始めてみました。
Makeでは、図のような丸いマークで示されている「モジュール」を組み合わせ、つなぎ合わせた「シナリオ」を順番に動かします。
今回は初めての取組だったので、LINEでコマンドを入力すると(➊)、APIサービスを経由して(❷❸)、犬の画像を呼び出す(➍)という、シンプルなLINE Botを作ってみました。
上の図の➊~➍のそれぞれが『モジュール』、そしてそれをつないで1つの流れにしたものが『シナリオ』です。
↓ そしてできあがったのは・・・
せっかくなので、どこまで使いこなせるようになるか、noteに記録を
残してみようと思います。
さて今回は、対象となる3つの案件の問題点を整理するため、5W1Hで
案件を分解してみるところから始めたいと思います。
3.課題の洗い出しと解決方法の検討
➊ 当社に関する誤情報や誹謗中傷をチェック
最近はSNSやネット掲示板、ニュースサイトなどに投稿された誤情報
や誹謗中傷、バイトテロ動画などがきっかけで、企業がネット上で炎
上する事件が増えています。
私が勤務する会社でも、先日ニュースサイトに掲載された記事に誤情報
が含まれていたことを取引先から指摘されたことを受け、SNSやニュー
スサイトなどに掲載された記事や投稿に対するチェックをすべきでは
ないかという声が上がるように。
実は、類似のサービスはいくつかあるようですが、上述の内容をずばり
満たしてくれる低コストのサービスが今のところ見つかっておらず、
Makeで作ってみる意味があるのではないかと考えています。
WHAT(どんな課題か)
インターネット上に日々掲載されるニュースやSNS上のツイート
などから、自社に関するものを抽出し、内容をチェックする
WHEN(いつ)
毎日
WHERE(どこで)
Google検索(ネット上のニュースサイトやSNS)
WHO(誰が関わるのか)
広報に関わる部署の担当者
WHY(なぜ)
以前、ニュースサイトに、自社に関して誤った記事が掲載され訂正を
してもらったことが。自社に関する記事・ツイートを検知したらすぐ
に内容が確認できる体制にしておく必要がある
↓
HOW(どう対応するか)
GoogleやTwitterなどのAPI(がもしあれば)を使って、日々自社に関
するキーワードで検索を行い、関連記事を抽出・蓄積するしくみを構
築する
❷ ボランティア清掃の参加報告の集計
私が勤める会社では、定期的に会社周辺のボランティア清掃を実施して
います。参加者数を把握したい、と清掃活動の主幹部署から依頼があり
ましたが、先日から試しているLINE Botなら、参加した従業員にLINEで
参加報告してもらえると思い、候補に挙げてみました。
WHAT(どんな課題か)
社内で定期的に実施されるボランティア清掃活動に参加した従業員か
ら清掃後に届いた参加報告を集計し、参加者数を算出したい
WHEN(いつ)
ボランティア清掃 実施時
WHERE(どこで)
ボランティア清掃活動が実施された場所
WHO(誰が関わるのか)
主にボランティア清掃活動の主管部署の担当者
WHY(なぜ)
参加報告結果を、主管部署で確認・集約する手段がない
↓
HOW(どう対応するか)
参加者には清掃活動時に、いくつかのチェック項目または現地の写真を
LINEで送信してもらい、その結果を集計する機能をLINE Botで構築する
❸ 乗車時のアルコールチェックの結果報告の集計
今年の法改正で、安全運転管理者に対し、目視による運転者のアルコー
ルチェックが義務付けられたということで(検知器による確認は延期さ
れた模様)、運転前後に運転者にLINEで顔画像等を送信してもらい、そ
の報告を収集するツールを作れるかもと思い、こちらも候補に挙げたい
と思います。
WHAT(どんな課題か)
従業員が業務目的で車を運転した際に実施したアルコールチェック結果
を集計する
WHEN(いつ)
毎月1回程度
WHERE(どこで)
社有車を管理する部署
WHO(誰が関わるのか)
社有車を管理する部署の担当者
WHY(なぜ)
業務目的で乗車した従業員がチェックした結果を、主管部署で確認する
手段がない
↓
HOW(どう対応するか)
従業員には乗車前に、チェック項目の登録と顔写真の撮影をしたものを
LINEで送信してもらい、それを主管部署で集計する機能をLINE Botを
使って構築する
4.今後の取組
ノーコード開発ツールとAPIの組み合わせで何がどこまでできるのか、自
ら試してみたいと思い、他部署から寄せられた要望を中心に課題を挙げて
みました。
開発ツールもまだ使いこなせていない上、APIサービスについてもどんな
ものがあって、どれが自社で活用できるのかなど、まだまだわからないこ
とが多いので今後、どこまで対応できるか検証してみたいと思います。
いつかnoteに書いた記事を見て、「あの頃は若かったなあ」って思い出す
日も来るのかなあ(もう若くないけど)
※ 2022.09.12 一部加筆修正しました