二重跳び指導の3つのポイント!
前回(1回旋1跳躍の前回し跳び)のおさらい
前回の「リフレク帳 155」では、1回旋1跳躍の前回し跳びができるようになるための段階的指導を紹介しました。
次の5段階指導でした。
①一定のリズムで跳躍を続ける練習
②体の前で手を打ちながら同じリズムで跳躍をする練習:「手叩きジャンプ」
③縄を思い通りに回せるように、手首をほぐすこと:「8の字回し」と「横回し」
この時に、切れてしまった(あえて切った)跳び縄があれば、大変役に立つ!
④体の横で回すリズムに合わせて、ジャンプをする練習
ただし、片手で二本の柄を持つのは使いにくいため、切れた(切った)跳び縄があればこの上なく便利!
⑤1回旋1跳躍前回し跳びにチャレンジ!教師が「鏡」になって!
二重跳びの指導方法の工夫
今回は、二重跳びの指導方法の工夫です。
その工夫には、ポイントが3つあります。
❶「手叩きジャンプ」
❷切れた(切った)跳び縄
❸ジャンピングボード
この3つです。これも、段階的に指導します。
順番に説明します。
❶「手叩きジャンプ」
1回旋1跳躍前回し跳びの練習で紹介した「手叩きジャンプ」を二重跳びの練習でも行います。
ただし、二重跳びの場合は、一回のジャンプ時に、二回手を叩かせます。
二回手を叩くので、1回旋1跳躍の場合より滞空時間が長くなるように、強くジャンプすることが必要です。
また、足が地面に着地するのが少しでも遅くなるように、体を「く」の字に曲げて、足を少し前に出すようにジャンプさせます。
「トン(とジャンプし)」「パン、パン(と素早く手を打ちます)」というリズムになります。
これを連続でできるようにさせます。
まず、連続10回ぐらいを目標にさせるとよいでしょう。
「トン」「パン、パン」、「トン」「パン、パン」、「トン」「パン、パン」、「トン」「パン、パン」、…というリズムの繰り返しです。
子供たちの習得状況を観察すると、実際には二重跳びができるようになった当初は、一回きりの場合がほとんどであり、いきなり連続で二重跳びができる子は、まずいません。
一回跳べても、そのまましゃがみこんでしまう子も少なくありません。
それでも、滞空時間の長いジャンプに慣れさせたり、リズムをつかませたりするために、「手叩きジャンプ」は、連続で練習することが効果的です。
教師が「鏡」になってあげてください。
また、どうしても高く上がれない子供の場合は、この練習を、❸で説明するジャンピングボードの上で行わせるとよいでしょう。
❷切れた(切った)跳び縄
二回の手叩きと一回の跳躍の協応動作に身体が慣れてきたら、切れた(切った)跳び縄を持たせます。
手叩きの代わりに、そのリズムで、切れた(切った)跳び縄を回させるのです。
「トン」「ヒュン、ヒュン」、「トン」「ヒュン、ヒュン」、「トン」「ヒュン、ヒュン」、「トン」「ヒュン、ヒュン」、…というリズムになりますが、実は、これがなかなか大変です。
手首を素早く回せないという子が多いのです。
だからこそ、切れた(切った)跳び縄があれば、それでも習得が早まるのです。
この練習もジャンピングボード上で行うと、より早く身に付きます。
❸ジャンピングボード
つまり、ジャンピングボードは必需品です。
上記の❷段階まで進んだら、切れていない普通の跳び縄を使ってジャンピングボード上で練習します。
コンパネの両端に角材を打ち付けたこの板が、二重跳びはもちろん、「ハヤブサ」や「トンビ」、「三重跳び」などの習得を大きく助けます。
もし、この記事をお読みの先生が、「ない」という学校にいらっしゃるならば、用務員さんにすぐにお願いするべきです。
以上が、二重跳びの練習の3つの工夫のポイントです。
次回は、「後ろ回し」の指導についてお伝えします。