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(20)歯磨きのやめ時
あかつきです。矯正日記第20話。
おっと不意に節目。そうか、20話ね。おお、そう思えばワイヤー装着したのがちょうど一年前、2020年2月8日土曜日であるから、割と記念すべき回、振り返りなどすべきタイミングの回ではあるな。
でも、書き出して今、本当に今それに気が付いたので、今回のテーマはそれではありません。
タイトルにもある「歯磨きのやめ時」
今更ながらこれが私には全くわからないのである。
気が付くとぼんやり一時間、歯磨き粉の生ぬるい粘液を口に含んだまま、ゆったりぬったり歯を磨いている。
それはもはや歯を磨いているという安心感である。その事実にもたれかかっているだけであって、私はとても良いことをしている、という自己満足である。
一時間磨いたから完璧に磨けているかと言えば決してそうではないのだ。 口をゆすぎ舌で歯をなめまわし、まあ、よさげ、なーんて思っているとその一時間後、ひょっこりどこからともなく口の中から食べかすが現れるのである。
舌にそれを感じて鏡を見る。(たいてい野菜、ネギとかのカス)
おまえは横井庄一さんか、まだそんなところに隠れていたのかい・・・と私はその野菜カスに優しく話しかけずにいられない。もう戦争は終わったのだよ、とはならないけれど。
おーい出てこい出てこいと力ずくでゴシゴシやっても頑なに歯の隙間にしがみついて離れなかった奴が、放置したとたん自らこちらの顔色を窺ってくるのだから、まあ、人生そんなものであろう。
そういえば、先日、自分なりにしっかり磨いたな(おそらく30分は磨いていたと思う)と自己満足していたにもかかわらず、口をゆすいでタオルで口回りをぬぐい、リビングに向かい、ふうっとソファに背を持たれかけようとしたその時、
い、いるぞ! 何かいるぞ! そう、歯と歯の隙間に気配を感じるのである。
子供か年寄りか? 女か、男か? まるで瓦礫の下敷きになった生命を確かめるかのようにその生命体が一体何者なのかを私は探る。舌でこそげ取ろうとしても無理である。
歯間ブラシを用い歯と歯の隙間に出し入れ何度かした、そのときだ、ほのかに香った、それはごぼうの風味であった。ごぼうかよ、さよならごぼうと言っておきながら(第5話)全然普通に食べていたが、やはり繊維質の多い野菜っていうやつは矯正には天敵なのである。
そう、その正体はまぎれもなくB&Dで購入したコスパ最高のきんぴらごぼうであった。そこからは岩に挟まったごぼうの救出劇である。
腕が出たぞ! あと少しだ頑張れ! 胴体まで出ればあとはきっとスムーズだ、そこまで頑張れ! 今だ、そこだ、引きあげろ! というなんともドラマチックなやりとりが私の口内では行われているのであった。
こんなことは3日に一回くらいある。
結局、歯磨きは時間の長さではなく、歯磨き後に歯間ブラシでさらにメンテナンスを致しましょう、それだけの話である。
あと、お前、こんなところにいたのか、つながりで行くと(今日の構成はアメトークの立ちトークを参考にしています)
ゴム。この、ゴム。
この小さくてかわいいゴムね。↓
これもね、私の自宅やカバンの中、あらゆるところに、なぜこんなところに、というところに落ちている、というより、潜んでいる。
もう、あれだわ、神様みたい。いろんなところに宿っているの。バリ島で街のあらゆるところにお花が飾ってある、歩行の邪魔でしょ? というような道路の真ん中にすらお花がお供えしてある、あの感覚にも似てるな。ゴムのたたずまいは厳かである。
先日、湯を沸かしたケトルの中、湯の奥底に小さな白いリングが見えたときが一番びっくりした。何日前からそこにいて、私は何度そのゴムを煮立て、ゴムからの抽出成分をカラダに取り込んでいたのだろう少し不安になった。
フローリングの床の隅っこに埃にまみれて落ちていることなんて、もう日常茶飯事。ベッドの中から出てきたこともあった。別に眠りながら無意識にはずしたことはないので、本当に謎。
逆に、ゴムをカバンに入れるのを忘れてでかけたときなんかも、「いや、鞄の隅々まで探したらいっこぐらいいるんじぇね?」と自分のずぼらさをポジティブにとらえたこともあった、が、そんなときに限って出てこない。
ま、これ ↓↓↓ が原因なのよね。
おそらく、ゴムをはずしたとき、唾液の粘性によって指からゴムが離れず、軽く振ってゴミ箱に振り落としたつもりが実は落ちておらず、私の認知外の好き好きなところにゴムは旅をし分散された、と想定されます。
合ってますかね? 他にも何か考えられるパターンがあるなら教えてほしい。
今日はここまで。最後までお読みいただき感謝感謝です。
もしよろしければ最初からお読みいただければ幸いです。
次は22話 その日が来る