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桂南光師口演・新作落語『なさぬ仲』②江戸時代版
前回、現代版をお読みいただきました新作落語『なさぬ仲』。今回は、いよいよ実際の口演台本をご紹介いたします。
第1稿の現代版、桂南光師匠からは嬉しいご感想をいただいたのですが、後日師匠から「時代を昔に変えて演るのでちょっと悩んでいます」とのメールが届きました。なので、時代を昔に移したバージョンを書いてみようと江戸時代の設定で書き換えてみました。
いや、頼まれていないのに差し出がましいかも?とは思いつつ。
台本をお渡しした後は「演出は自分で考えたい」と仰る演者さんもおられますので、う〜〜〜む。
南光師匠が演出についてどのようなお考えかわからないままでしたが
「ちょっと悩んでいます」
という一文に、よし、江戸に移して書いてみようと。
現代物から、まげ物へ。いわゆる擬古典落語というスタイルへの変更です。
実は、私、世に出た擬古典落語はわずか3本なのです。
1本目は『陰膳』。
桂三扇さんと露の都師匠が口演してくださっています。
2本目は先月ご紹介した桂吉弥さん口演の『宵待草』。
からの〜〜〜『なさぬ仲』が3本目。
ここだけの話し、私、擬古典落語を書く時、時代考証をキッチリせなあかん!!という使命感から当時の風俗やら何やらを細かく調べるのでその段階でヘトヘトになるんです。
よっわ。
時代考証に対して虚弱な体質。
そんなこと言うてたら大河ドラマの脚本なんか書かれへんであんた。書くことないやろけど。
擬古典落語をたくさん書いておられる作家さん、どないしてはんねやろ。また教えてね。
でも、改めて現代版の台本を読み返すと、やっぱり南光師匠っぽくないのです。
作家(ワタシ)の色が出過ぎてるというか。
「くにおとおる」「としえれいじ」のくすぐりなんか、色、出過ぎやろ。
演芸作家は演者さんが求めているものを書けなあかんですけん!!と気合い入れて江戸時代版を書く。
↓
南光師匠にお送りする。
↓
めっちゃ喜んでくださる。
「僕が思っていたのはこんな感じでした」
つて♫
つて♫
(↑嬉しい時、いつも音符つく♫)
↓
そして、2024年7月の新世界南光亭で念願のネタ下ろしとなりました。
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高座に上がられる南光師匠、枕でネタおろしに至るまでの経緯をご説明されます。
「こんな噺できませんか?て言うたら石山さんがほんまに書いて来はったんで、やらなしゃないようになりました」
笑
笑
笑
そうです、私が、お題をもらったらほんまに書いて来る作者です。
よぉ考えたら
「あのダイラケ漫才を落語に」
というお題が南光師匠からの無茶ぶりならば
実際に台本を書いて
「やってください」
とお渡ししたのは私からの無茶ぶり返しかもしれないね。うふふ。
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終演後
「とにかく覚えるのに必死でした。あちこち抜けてしまってすみません。これからまた練り上げていきたいと思います」
と、ものすごく丁寧に仰る南光師匠。
過去に
「あんたのネタ、やってあげるよ」
的な空気出してくるマウント演者よーさん見て来たから、この時の南光師匠のご対応に触れて
『一流の人は誰に対しても丁寧説』
がさらに上書きされました。
いやほんまにほんま、素敵なおっしょはんです。
終演後の楽屋で記念撮影。
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小佐田定雄せんせ、くまざわあかねさん、カメラマンの佐々木芳郎さんも駆けつけてくださいました。
胸熱やんかいさ。
さてさて実際の口演台本を公開いたします。
歴史的事実をくすぐりにする箇所は苦肉の策だったとか、前半の父と娘の言い合いで娘が「今はもう江戸時代やで?」ていうセリフ、作者としてひそかに萌えてるとか、いろいろポイントはありますが、ひとまず読んでくださいまし。
そしてまたご感想などお寄せくださったらマンモス嬉ぴっぴです!!🦣🦣🦣
新作落語台本
『なさぬ仲』
(江戸時代版)
演:桂 南光
作:石山悦子
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