台湾ドラマ「此の時、この瞬間に」(此時此刻)
主演:(1) ワン・ジン(王淨)、(1) ベラント・チュウ(朱軒洋)、(2) パフ・クオ(郭雪芙)、(2) テレンス・ラウ(劉俊謙)、(3) リン・ボーホン(林柏宏)、(3) ルー・ズーイン(黃路梓茵)、(4) ニッキー・シエ(謝欣穎)、(4) チャン・グァンチェン(章廣辰)、(5) ヤン・ミンウェイ(楊銘威)、(5) デレック・チャン(張軒睿)、(6) ビビアン・ソン(宋芸樺)、(6) リン・ジェーシー(林哲熹)、(7) ウー・カンレン(吳慷仁)、(7) ディー・スー(徐熙娣)、(8) エスター・リウ(劉品言)、(8) シュウ・ジエカイ(修杰楷)、(9) ルビー・リン(林心如)、(9) ケリー・リン(林熙蕾)、(10) アリッサ・チア(賈靜雯)、(10) ツェン・ジンホア(曾敬驊)
2023年 全10話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=すべてNetflixより)
今年の台湾ドラマ、豊作すぎ!!
本作も予告が出てから、ずっと楽しみにしていたドラマ。ちょこちょこと他のドラマの合間に観ようと思っていたら、3日で観終わってしまった。
10のオムニバスラブストーリー
2020年のパンデミックをきっかけに、世界が立ち止まり、人生の無常と向き合わざるを得なくなる中、人々は家族や友人との関係を見つめ直し始める。
本作ではそんな状況下において、恋愛リアリティーショーから始まり、出演者達、出演者達の友人や知り合い、視聴者、そして放送するテレビ局、制作者などなど、さまざまな場所で、ふとした瞬間の、ふとした出会い、ふとした感情から生まれる10の物語が綴られていく。
過去の恋愛もあれば現在、そしてもしかしたら未来の恋もあるかもしれない。しかし、それだけでなく、仕事や家族との向き合い方も、さまざまな形でテーマとなっている。
人によって面白いと感じるエピソードが違うかも
エピソードごとに主演が異なり、テーマも違うため、好きな俳優や、興味あるところだけ観ることもできる(上記のキャストの名前のところにつけた数字は、主演エピソード)。
しかし細い糸で全てがつながっているため、もちろん全部通して観た方がいいに越したことはない。
本作が配信開始されたときに、アジアBLファンの間ではすぐに第5話が話題となった。ゲイのストーリーであるため、そこだけ観たとのコメントが多数出てきたのである。そして「イマイチ」との感想まで。
しかし、うーん、確かにBLであろうが、そこだけ観ても正直このドラマの良さはわからない。しかも、NCシーンを期待していたのなら、これは全くもって期待外れである。台湾ドラマがBLしかないと思っている人も多いようで、残念であった。
それより、さまざまな人生ドラマという観点から観てほしいと思うが、個人的にいくつかおすすめのエピソードを紹介。と言ってもネタバレはしない。
第3話 「嘘」とは何か
リン・ボーホンとルー・ズーインがひょんなきっかけで知り合うストーリーだが、嘘が積み重ねられていき、どうなるかが見もの。そしてその展開のみならず、リン君の演技にぜひぜひ注目してほしい。
第7話 「不倫」がテーマ
個人的にいちばん良かったのがこれ。不倫の話であるが、他のエピソードとは一線を画した官能的なビジュアルに仕上がっている。どのドラマにでも出てるウー・カンレンはもちろん、久々に見る小Sがなんとも良かった。
タイトルは『軽井沢の約束』で、日本の話が出てくるのも嬉しい。
第8話 家族、男女の役割の伝統的な価値観
本作はシュウ・ジエカイがプロデューサーでもあることから、彼が主演のこのエピソードが最も伝えたいテーマだったのかとも感じた。
早い話がコロナ禍で夫がリストラされ、二人の子供をワンオペで見ていた妻が復職し、役割が逆転するストーリー。専業主夫になった夫は、意外にも自分に家事が合っていることに気づく。
しかし、夫婦はそれを周りに知られるのが恥ずかしいと思っているし、また家族や同僚も「専業主夫」という役割を受け入れられない。
台湾は同性愛にはとても寛容である反面、まだまだ「家族における男女の役割」については伝統に固執しているというのが浮き彫りになっていたと言える。
若手からベテランまで、台湾を代表するキャスト達が大集合
私のメインの推しは一人も出ていないものの(ジェリーとリウ君、早く台湾に戻ってきて!)、好きな俳優たちがこんなにたくさん!と感動するレベルの豪華キャスト陣。もちろんそれぞれの役柄の演技も申し分のないものであった。
脇やチョイ役も含め、ほとんど知っていたが、唯一これ誰??となったのが彼。
第2話の主演テレンス・ラウ、新人にしては演技がうますぎる!と思ったら、苗字からもわかるよう、なんと香港人のキャリアある俳優だった!もう笑うしかない、彼の演技は最高であった。
OSTもみんないい🎵
エピソードごとに違う曲が使われていて、どれもとてもいい。新曲もあれば、古い曲もあり、詳しいリストは台湾Wikipediaに載っているので、ぜひチェックしてみてほしい。
こちらはオープニングテーマのジョリン・ツァイ(蔡依林)が歌う『Someday, Somewhere』のドラマバージョンで🎶