韓国ドラマ「D.★P.-脱走兵追跡官-」
主演:チョン・ヘイン、ク・ギョファン
2021年 全6話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★☆☆☆
(写真=Netflix公式サイトより)
観終わった韓国の不倫&浮気修羅場ドラマがあまりにもヘビーだったので、ちょっと韓国からは距離をおこうと思っていたが、本作は評判がすごく良かったし、「全6話」という短さに思いっきり惹かれて、ささっと視聴。
韓国兵役の闇の部分
兵役義務により入隊した青年が、軍の脱走兵を追跡する部隊に配属されることに。任務にあたるなかで、脱走した兵士たちがそれぞれ抱える過酷な現実が見えてくる。(Netflix公式サイトより)
チョン・へイン演じるアン・ジュノ二等兵は、脱走兵の調査でちょっとしたアドバイスをしたことから、脱走兵を探し出して軍に連れ戻す役割を持つ「D.P. (Deserter Pursuitの略、軍務離脱逮捕組)」という部署に配属される。
最初の事件でコ・ギョンピョ演じるパク・ソンウ上等兵と共に、脱走兵を追跡するものの、残念ながら失敗してしまった。何らかの処分を受けるかと恐れるジュノだったが、ク・ギョファン演じるハン・ホヨル上等兵と組んで、次の事件を任されることに。
あらゆる方法で追跡を試みるホヨルと、得意のボクシングを使って体を張るジュノのコンビで、脱走兵を探しに向かう。
徴兵制度、そしていじめ
徴兵制度は現在では、北アフリカ諸国の他、ベトナム、イスラエル、韓国、スイス、オーストリア、ロシアなどであるらしい。NATO加盟国では冷戦を機に廃止した国もあるが、2010年以降、テロなどの多発から再び導入している国もあるとのこと。
韓国も徴兵制度があるのは、やはり北朝鮮との仲のこともあって日本人なら知っていると思うが、最近では人気のBTSが兵役免除だ、兵役延期だなどと話題になったので、さらに認知度が上がったのではないだろうか。また他の人気の歌手や俳優の兵役に行く日も、日本でもニュースになったりしている。
本作の原作はウェブトゥーンだそうで、作家の実際の体験がベースになっているらしい。いくつかのエピソードも実話だそうだ。そして、この”軍務離脱逮捕組”という部署があるからには脱走兵も多いに違いない。イスラエルやスイスの現代舞台の映画などで、脱走兵を扱っているものなんてあるのだろうか?日本は志願制の自衛隊なので、脱走する必要もないと思う。
しかし、ここで重要なのは脱走する理由、つまりいじめである。上の階級の兵士、または仲間の兵士たちからいじめにあう兵士は、絶望的な状況から逃げ出そうと脱走するわけである。
なぜ軍隊でいじめがあるのか。日本もそうだが、韓国でも小学校ぐらいからいじめというのがかなり多いという印象である。学校だといじめられた子供たちは一応家という逃げ場があるが、軍隊ではない。そして学校の延長線上でいじめの場として軍隊があるのだとすれば、根本的な問題は解決されないだろう。
テーマ的には面白いと思ったが
軍の闇の部分に焦点を当てたドラマなんて珍しいな、と思っていたら、案の定Netflix制作であった。映画ではない限り、こういうテーマを取り上げるのは韓国国内のドラマ制作会社では難しいのではないかと思ったからだ。レビューなどの評判も良かったし、とても期待して視聴したが、個人的にはちょっとがっかり感あり。
というのも、脱走問題というより、2話以降はジュノ&ホヨルのバディものっぽい雰囲気になってきたからだ。個人的には刑事ものなどのバディドラマが好きではないので、うーん、この辺からちょっとイマイチと感じてみたり。
韓国ではこのドラマを機に徴兵制度存続または廃止云々という議論にもなったようで、それはそれでいいのかもしれないが、私としては脱走の理由である、いじめという根本的な問題にあまり触れられていないのが、ちょっと不満だったりもした。”兵士たちの過酷な現実”の描写が、いくつかのエピソードではあったものの、どちらかというと追跡劇の方に焦点が当てられていて、まあ、それが見どころなんだろうけど。。。
シーズン2もあると思われるが、観るかどうかは微妙。。。
こちらがOSTの「CRAZY」♪トレイラーにもなっている。