韓国ドラマ「夫婦の世界」(「女医フォスター 夫の情事、私の決断」リメイク)
主演:キム・ヒエ、パク・へジュン、ハン・ソヒ
2020年 全16話(日本のNetflixは全32話)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★☆☆
(写真=JTBCより)
(2023年3月29日追記:イギリスのオリジナルを視聴して記事を書きました)
やっと観ました、これもずーっと観たかったドラマ。
出た時に話題になっていたのは知っていたが、なかなか機会がないままそのままになっていた。
夫の浮気から始まる夫婦愛憎劇
復讐劇というよりは夫婦の執着がテーマ
続きが気になって、割と一気見で来てしまった作品だが、正直内容的にはちょっと不満足。上記の引用や、他のサイトの紹介文を読むと、韓国お得意の復讐劇かと思うが、実際に観てみると、どちらかというと、結局は「別れても好きな人」ってことなのかと思った。
浮気夫や夫婦の危機のような観点から見ると、本作も最初の3分の1ぐらいの展開は面白かったものの、後の作品とはいえ『結婚作詞離婚作曲 シーズン1』を先に見てしまったので、こちらの方が面白かった。
ソヌとテオが離婚して、それぞれの生活を始めるところで止めておいてくれれば良かったのであるが、その後の展開がなんかイマイチだったかな。
以下気に入らなかった点を挙げてみよう。
お互いにとにかく執着しすぎ
だったら別れるなよ、放っておけよ、と何度も画面に向かって言ってしまうほど、ソヌとテオのお互いへの執着ぶりは正直辟易としてしまった。別れた男あるいは別れた女がここまで気になるか?というと、これはまあそれぞれ性格にもよると思うが、多分私はそうではないので、しつこいなぁとちょっとうんざり。
しかも勢いで寝てしまう。。これあり得ないかも!
お互いに新生活を始めた時点で、そこから別の展開のストーリーにできたのではないか?
イェリムとジェヒョク夫婦の展開も気に入らなかった。
親権や子供の扱いについて
これは本作に限ったことではないが、韓国も日本と同じようなシステムなのかと理解した。何かというと「親権」である。ヨーロッパのいくつかの国では私の知る限り、離婚の場合は父母両方に親権が認められ、どちらが引き取るか裁判官によって決められる。そして引き取らない親も定期的に子供に会う権利を持ち、「週に〇〇日、夏休みや冬休みは半分ずつそれぞれと過ごす」みたいな取り決めがされる。もちろんそのまま守られることもないかもしれないが、とにかく子供の幸せが一番に尊重されるシステムになっているのである。
一方、日本や韓国は親権が片親にいくため、しかも、必ずしも離婚成立時にその取り決めが行われるわけではないため、子供を取り合うといった本作のような展開になることが多いのではないかと思う。子供の意見や状態もあまり考慮されない。もちろんドラマだと言ってしまえがそれまでだが、本作では夫婦問題より、この息子ジュニョンの扱いが一番気になってしまった。
彼の最終シーンも納得できず。
ただ、韓国では離婚歴や離婚した親の子供に対して、まだかなり偏見があるというのも、浮き彫りになっていたのは興味深かった。
クズ夫が罰されないのもおかしい
これは中盤ぐらいのエピソードになるが、クズ夫テオの各所業が罪に問われないのもおかしい。パク・インギュを使ってソヌを襲わせるあたりは、これは警察沙汰にして、きちんとするべきだったと思うが、そうならなかったのは納得いかない。
キャストは良かったが、観る人を選ぶドラマ
とまあ、全体的にはあまり気に入らなかったが、キム・ヒエを始め、キャストは良かった。ハン・ソヒも最初はなんとも思わなかったが、後半に自分も親になってからの彼女は良かったかな。
どの作品もだけど、やっぱりキム・ヨンミンはいい。どうしようもない浮気男をうまく演じていたと思う。
まあ扱っているテーマと年齢層から、40代以降でないとあまり面白いと思えないドラマかなとも思う。それにこれも不倫や離婚といった、渦中にある人は観ない方がいいだろう。
さてさて、イギリスの『女医フォスター 夫の情事、私の決断』(2015年)というドラマのリメイクである本作、2022年にはフィリピンリメイクも出ており、現在はタイでもリメイク制作中らしい。オリジナルもちょっと観てみたいかなとは思わないでもないが、タイ版は観てみたいかな。話数が本作と同じになるようなので、おそらく本作のリメイクなんじゃないかと思うが、ラコーンによくありそうなドロドロ系なので、案外面白いのができるかもしれない。
2023年3月29日追記:日本でもリメイク決定。『夫婦が壊れるとき』が4月より放送!
こちらがOSTの一曲『SAD』♪
ちなみに、こちらはファンメイドによる、イギリス原作 VS トルコリメイク VS 本作 VS フィリピンリメイクの旦那の浮気を暴露する該当シーンをそれぞれ比較したもの。てか、トルコリメイクもあったんだ!
こちらがイギリスのオリジナル版↓
こちらが日本リメイク↓
こちらがタイリメイク↓