中国映画「Kill Mobile」(来电狂响) (「おとなの事情」リメイク)
主演:トン・ダーウェイ(佟大为)、マーリー(马丽)、ホー・シーヤン(霍思燕)、チャオ・シャン(乔杉)、ティアン・ユー(田雨)、 ダイ・ルールー(代乐乐)、シー・モンヤオ(奚梦瑶)
2018年
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
これはおもしろかった!
ギネスにも載っているという世界で最もリメイクされているイタリア映画「Perfetti Sconosciuti」(おとなの事情)、韓国リメイクに続いて、中国リメイクを視聴した。オリジナルイタリア版の記事はこちら↓
幼馴染とそのパートナーが集まって食事会
ウェンボーとダイダイの家でみんなで集まって食事。参加カップルは次の四組。イタリア版、韓国版と同じ順序で相当する登場人物を挙げる。
(1)大学教授ウェンボー(文伯、ティアン・ユー演)と精神科医のダイダイ(戴戴、ダイ・ルールー演)。離婚の危機に瀕している。高校生の娘がいるが、母親との仲が険悪。
(2)事業家のウー・シャオジャン(吴小江、チャオ・シャン演)と専業主婦のリーナン(李楠、ホー・シーヤン演)。小さい子供が二人いるが、今夜は同居しているシャオジャンの母に子供を預け参加。シャオジャンがスイカを丸ごと1個持参。
(3)脚本家のジャーディー(贾迪、トン・ダーウェイ演)と金持ちの娘バイ・シュエジャオ(白雪娇、シー・モンヤオ演)。婚約中。何か食べ物を持参するがちょっと中身が分からず。
(4)キャリアウーマンのハン・シャオ(韩笑、マーリー演)。みんなは年下の彼氏と来るかと思っていたが、一人で参加。赤ワイン1本持参。
せっかくみんなで集まったのに、全員それぞれ自分のスマホを眺めながら始まる食事会。ウェンボーが見兼ねて、「この食事の間だけでもスマホを見ないようにしよう!」と提案する。
シャオジャンの浮気を疑うリーナン、隙あれば彼のスマホを覗こうとするがうまくいかない。それを見たジャーディーが、
「いっそのこと、カップルでお互いのスマホを交換するゲームをしよう!」
と提案。これは却下されるが、やはりダンナのスマホが気になるリーナン、見兼ねてダイダイが食事中の全員のスマホの中身開示ゲームを提案するのであった。
後はだいたいオリジナルの食事会と同じ運び。ちなみに月食ではない。
オリジナルのいいところを残しながらも、中国らしい設定
まずこのリメイクの一番の違いは、一人で参加する人物が男性ではなく女性であるという点である。イタリア版、韓国版(そしておそらく日本版)を観ていない方には少しネタバレになってしまうが、中国では同性愛に関する要素を入れることができないため、男性の高校教師ではなく、キャリアウーマンの幼馴染という設定になっている。したがって、彼女の抱える秘密も全く違うものである。
それから料理。メインはテラスでの串焼きバーベキュー。しかし、途中で下のコンビニにスナックを買いに行ったり、デリバリーを頼んだりと、ここはまさに中国らしい設定であった。
そしてスマホ。ジャーディーのみ古いノキアの携帯を使っているが、本作で違う部分は、食事会参加者にメッセージを送信、或いは電話をかける人物達のストーリーも描かれていることである。それぞれ短いながらも、どういう状況下でスマホを使うのかがわかる。
テーマとして、“スマホに秘められた秘密”によって身近な人が他人になってしまうということではなく、“スマホの使い方”そのものが問題提起されていると言っていいだろう。メッセージ送信、電話をかけるのみでなく、写真撮影、動画撮影および盗撮、お金を支払うツールでもありながら、儲けるツールでもあり、嫌がらせ、恐喝にも使う。しかしデリバリーやタクシーを呼ぶのに必要不可欠だし、災害時にも役に立つ。
中国語の原題「来电狂响」を自動翻訳にかけてみたが、”狂った着信音”みたいな感じだろうか?オリジナルの趣旨を残しながらも、少しテーマを変えていたところは個人的にはとても面白かったと思う。韓国リメイクよりかはこちらをオススメ。
なお、エンドロールが2回あるので、1回目で止めてしまわないように。
現在Youtubeで本編が中国語と英語の字幕付きで公式配信されている。中国語がわかる人は問題ないと思うが、埋め込まれている英語の字幕文字が小さすぎ、また途中で背景と重なって読めなくなる部分もあるため、私のように英語字幕で観る人にはちょっと不便。(私は0.5倍速でもう一度見直した)
韓国リメイク「完璧な他人」はこちら↓
レバノンリメイクの記事はこちら↓