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中国ドラマ「開端 - RESET」(开端)

主演:バイ・ジンティン(白敬亭)、チャオ・ジンマイ(赵今麦)、リウ・イージュン(刘奕君)
2022年 全15話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=『开端』公式微博アカウントより)

2024年3月より衛星劇場で放送中!(下に予告編追加)

今年初めに配信されていた時からずっと気になっていたドラマ。豆瓣ドウバンでの人気度も高く、MDLでは現時点で高評価の中国ドラマではなんと第3位!15話という長さ(短さか、笑)も大魅力であった!

バスの爆発事故の真相をめぐるタイムループストーリー

チャオ・ジンマイ演じる大学生リー・シーチン(李情)は、乗っていた45番バスが爆発する夢を見て、彼女自身も爆発で目を覚ました。そして自分のいる状況が夢とまったく同じであることを発見。そして爆発で死亡すると、また同じように爆発前の時間に戻ってしまう。毎回爆発を防ごうとするがことごとく失敗、彼女は自分がタイムループに入り込んでいると確信した。
同時に、6回目のループで無理やりバスから降ろしたバイ・ジンティン演じるゲームクリエイターのシャオ・ホーユン(肖云)も、シーチンと一緒にループに入ってきた。
二人でどうにかして45番バスの爆発を防ぐために、色々な策を講じ、同乗者を一人一人探っていく。

この同乗者たちの中に犯人がいるのか?
しかしなぜ45番バスを爆発させるのか?
二人のタイムループアドベンチャーが始まる。
(あらすじ一部百度百科より抜粋)

うまくまとめられたタイムループサスペンス

タイムトラベル系のドラマはやはりテーマとしてポピュラーなのだろう。「リセット」というタイトルのドラマは日本にも韓国にもある(どちらも私は未視聴)。小説を原作としている本作は、何回もリセットして運命を変えていこうというのももちろんだが、よりヒューマンドラマとしての特徴があるといえる。

バスの爆発はタンクローリーとの衝突事故かと思っていたら、実は違っていた。何度もループでやり直した結果、衝突事故を防ぐことができたが、バスは同じく爆発するのである。爆発元を探って行くことにする二人だが、ここから真のストーリーが始まる。

シーチンとホーユンは誰かが爆弾を持ってるのではないかと疑い、怪しい同乗者を一人一人調べて行くのだが、彼らそれぞれの人生物語が垣間見えてくる。
何度も何度も間に合わなくて、バスが爆発してしまい、死んでしまってからまたループで戻ってきては調べる。リュックサック、大きな袋、古びたスーツケース。。。同乗者の荷物も爆弾が入っていそうでどれも怪しく、観ている方もいろいろと推理してしまう。

そして少しずつ、何度もやり直してループを繰り返すうちに、思いもかけなかった真相がわかってくる。何度も同じシーンを撮影して大変だっただろうが、こちらもドキドキするサスペンス仕立てで、とてもうまく物語が組み立てられていた。

ネット依存と監視社会に焦点を当てたストーリー

新冠疫情のロックダウン状況などをみても、中国がいかに監視管理社会であるかというのが伝わってきたが、本作でもそれが見事に描き出されている。
シーチンとホーユンは何度かのループで、運命を変える試みとして、爆発前にバスを降りるのだが、どの時もバス停で降りたところを監視カメラで捉えられ、警察に怪しまれてすぐに追跡される。

その追跡劇も本作の見どころの一つで、新しい近代的な建物のある大きい公園から、山の中腹に建てられた集合住宅街の路地や階段まで、色々なロケーションを逃げていく二人がカメラで捉えられる。舞台は嘉林ジャーリン市というところだが架空の地名のようで、実際の舞台は厦門アモイ寧波ねいはあたり。厦門はよくドラマの舞台になっていて、私もいろいろと見たことがあるが、本作に出てくる場所はちょっと郊外の川や緑の多い地区のようでなかなかよかった。

そんなすべての路地には、とにかくどこにでも監視カメラが設置されており、逃げても逃げても、すぐに見つかってしまう二人。こうもカメラで見られていると、中国では迂闊に鼻もほじれないな。

そして「ネット依存」。これは私が勝手にこう呼ぶのだが、中国ではドラマでも見るし、フォローしているnoterさんの記事でもよく見るように、キャッシュレス社会である。スマホで支払いが全てできる。しかし、それはどこでも追跡可能ということで、本作でもホーユンはすぐにそれで足がつく。

また、何かちょっと事故でもあると、最近は近くにいた人たちは助けに行くのではなく、すぐにその事故の動画を撮り始める。本作でも、バスの同乗者の一人はYouTuberのような動画配信の人気者だったり、ネットでの動画投稿がいろいろな意味で重要な役割を持っている。

ここでプライバシーが云々とか、動画投稿やコメント投稿のモラルなどの問題提起する気はさらさらないが、現代社会でなくてはならないツールであるネットへの依存にも焦点が当てられていると感じた作品である。

キャストもみんな良かった

主演のバイ・ジンティンとチャオ・ジンマイは本作で初めて見たが、とても良かった。事件担当のジャン刑事を演じたリウ・イージュンも、先に『BEING A HERO (冰雨火)』の方を見てしまったので、一瞬いろいろと疑ってしまったが(笑)、やはり彼をはじめとするベテラン俳優たちの存在感は素晴らしかった。

私はVIKIで視聴したが、なんと完璧な日本語字幕付き!YouTubeでは本作関連の動画がほとんどすべてジオブロされているので、おそらく近いうちに日本のどこかで放送または配信されるのかと思うが、ぜひぜひ出てきたら観てみてほしい。
内容ももちろんだが、なんといっても中国ドラマで全15話という短さは、レアアース並みの貴重さなので!

こちらが周深が歌うエンディングテーマの『My Only』♫
(この動画も公式版はジオブロされているので、このリンクももしかしたらジオブロされる可能性あり)

(2024年4月15日追加)
こちらが予告編!




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