中国ドラマ「To The Wonder」(我的阿勒泰)
主演:マー・イーリー(马伊琍)、チョウ・イーラン(周依然)、ユー・シー(于适)
2024年 全8話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=全て公式ウェイボーより)
サブスク登録している中国のiQIY、ここのところチェックしていなかったら、急に本作が出て話題沸騰!
新疆が舞台のドラマは興味があるので、早速観始めたら面白くて一気見!現時点で豆瓣でも高評価ドラマナンバーワンである。
遊牧民族の中で暮らす漢族の母子の物語
豊かな自然、遊牧民族の生活の描写が良かった
本作では、ウェンシューの経験を通して、この地方独特の遊牧民族、特にカザフ族の生活の様子が描かれていたのはとても興味深かった。
新疆というと、ウイグル族だけだと思っていたら、いろいろな少数民族がいる。その中でも、本作の舞台である北部はイリ・カザフ自治州となっていて、名前からもわかるようにカザフ族が多く住んでいるらしい。
彼らの生活の様子や考え方から、結婚式や伝統行事など、さまざまなシーンが盛り込まれており、この辺りは見どころ。彼らの大部分はイスラム教徒だと思うが、中国のドラマなので、宗教的な要素はあまり含まれていないものの、特有の家父長制度など、そういった描写は入っていた。
そしてもちろんカザフ族だけではなく、漢民族、そして蒙古族なども住んでいる。蒙古族の家族の話も出てくるが、カザフ語とモンゴル語は割と共通点があり、理解し合えるなんていうのも知らなかったので、結構驚いた。
伝統を受け継ぐのは難しいのか
ウェンシューとバタイのストーリーも良かったが、キャストとして良かったのは実際にカザフ族でもあるこの二人。
まずはバタイの兄嫁トカンを演じたアーリーマ(阿丽玛)。
夫が酔っ払って凍死してしまうのだが、実は好きな人がいる。再婚したいのだが、なんとその相手は蒙古族。
そこで苦悩に陥るのが、家長スリタンを演じたAlimujiang Tolsbaek (阿力木江·吐尔斯拜克)。
バタイの父親であるが、長男を亡くし、本当はその妻トカンを次男に嫁がせたい。バタイはそんな気がないし、トカンが再婚するのは構わないが、子供は置いて行ってほしい。
家長としてのあり方、自分たちの家族と財産(家畜)をいかに守っていくべきか、伝統的な価値と現代の風潮との狭間で悩んでいく姿は、なんともいえず良かった。
8話と短い中で、民族間の交流や考え方の衝突、伝統的な生活や行事、自然の美しさなど盛りだくさん。
キャストも皆とてもいいし、見応えたっぷりなので、本作はぜひともいつか、日本でも放送・配信されるようになってほしい。
個人的単語集
こちらは本作視聴中に、色々と調べてみた自分用の覚書。英語字幕で視聴していたので、元の単語は英語。
アルタイ=新疆のイリ・カザフ自治州にある地区。
イリ・カザフ自治州=新疆の北部の自治州。カザフスタン、ロシア、モンゴルと国境を接している。
カザフ人=中国では哈薩克族。55いる少数民族の一つ。新疆を中心に中国に約130万人住んでいる。
ブズカシ=アフガニスタンの国技だが、おそらく騎馬民族の間ではポピュラーなものっぽい。2つの騎馬隊が山羊をボール代わりにして奪い合う競技。
イード・アル・アドハー=本作中で「中国の春節のようなもの』と説明しているが、イスラムの行事で日本語では「犠牲祭」。10月ごろ(?)開催。
iQIYは本作の成功を受けて、年内にまた新疆や少数民族に焦点を当てたドラマを制作することにしたらしい。
カシュガルを舞台にするらしいが、キャストが誰になるかネットでは憶測が盛ん。3人姉妹の物語のようなので、ディリラバ(迪丽热巴)やグーリーナーザー(古力娜扎)、トン・リーヤー (佟丽娅)といった新疆を代表する美女達の名前が挙がっているが、私的にはどこ出身であれ、イケメンが出るかどうかが問題だな(笑)。
こちらが予告編。
こちらが主演の二人が歌う挿入曲の『回家吧』🎶(音源のみ)