タイLGBTドラマ「バンコク・ラブストーリー:イノセンス」
主演:( )内は役名:Nida Patcharaveerapong (クラウディア)、Kawin Manonukul (JC)、Narupornkamol Chaisang (イヴ)、Ponlawit Ketprapakorn (ダニー)、Pavadee Komchokpaisan (リン)、Tosatid Darnkhuntod (サイモン)、Max Nattapol Diloknawarit (キートン)、Nicole Theriault (ジェニスタ)、Tachakorn Boonlupyanun(メドヌーン)
2018年 全13話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★☆☆☆
(写真=Netflix公式サイトより)
ネトフリでずっと視聴していた韓国ドラマを見終わったので、気分転換にタイ。タイBLドラマ「Manner of Death」の主演で、人気の俳優Maxが出ているというので、BLオタク友からも視聴命令が来ていたし、観てみることにした。
男女、LGBTQ、いろいろありのラブストーリー
バンコクのナイトスポットの多い(らしい)シーロム通り界隈を舞台に繰り広げられる物語で、三組のメインカップルが中心になっている。
(1)クラウディアとJC
パパイヤサラダのレストランオーナーであるクラウディアと、近くのKFCで働くパルクールが得意な青年JC。お互いに惹かれ合っているが、クラウディアには死別した元婚約者、JCには地元に残してきたガールフレンドがいた。しかし、ガールフレンドに新しい彼氏ができたと知り、ショックを受けるJC。クラウディアとの関係はどう発展するか?
(2)イヴとダニー、リン
仕事で訪れた日本風クラブでダニーと知り合うイヴ。彼はシンガポール人だが、そのクラブで働いているリンという女の子が好きで通い詰めている。しかしなかなか彼女に会えない。イヴはそれでも頑張ってダニーにアタックし、ダニーも少しずつイヴに惹かれていくが、そこへリンが登場。この三角関係はどうなるのか?
(3)サイモンとキートン、ジェニスタ
母親がアルツハイマー病のため、住んでいたサンフランシスコからバンコクへ戻ってきたゲイのサイモン。パーソナルトレイナーや運転手、さまざまな仕事をして自分のスポーツジムをオープンするのを夢としているキートン。二人は実は中学生時代の同級生で惹かれ合っていたが、キートンは夢のために金持ちの女性ジェニスタのパーソナルトレイナー兼愛人を務めていた。この三角関係はどうなるのか?
これらの組み合わせの周辺に、二人のMtFのトランスジェンダー、トフィーとメドヌーンの男あさりのストーリーも入り、ドラマに花を添えていて、バラエティに富んでいる。
ハッピー・ソンクラーン!
ゴタゴタとなかなか発展しないそれぞれの関係であるが、タイの旧正月ソンクラーン(詳細はこちらのWikipediaで)を機に変化が起こる。水かけ祭りとも呼ばれるタイの旧正月の様子は、このドラマのハイライトとも言え、なかなか面白いものであった。水に濡れてもいい格好をし、水鉄砲を担いでみんなで通りに繰り出す風景はカラフルで、映像的にもとても綺麗。
また、クラウディアが元婚約者のお墓参りに行く様子など、タイの伝統にも少し触れることができると同時に、舞台となっている繁華街の様子も興味深い。ゲイバーから日本風のホステスがサービスするクラブ、パパイヤサラダのレストランや、ファーストフードのケンタッキーなど、ラブストーリー同様さまざまな飲食店も登場。そして、ジェニスタやサイモンの住む豪邸から、JCのワンルームのアパートまで、色々な住宅も舞台になっている。個人的にはトフィーやメドヌーンの家を覗いてみたかったけど。
ストーリーの展開は私からするとスローで焦ったい部分もあるが、これらの点だけでも見る価値はあった。
なので、オススメ度を二つ星にしているが、次のような方にはいいかもしれない。
・タイのドラマってどんなもの?と思ってる方 ラブストーリーが好きで、アメリカや日本、韓流、華流に疲れて別のものを観てみたければ。
・タイBLというのにちょっと興味があるが、なんか男性同士の絡みを見るのには抵抗があるという方 男女のストーリーがメインなので、男性同士の部分は少ない。
・単なるMaxのファン 私のようにMODを観た方は興味があれば。彼の肉体美を堪能できるし、最後の最後にTulも登場する!
なお、邦題は「バンコク・ラブストーリー」と単数形になっているが、これだけで検索すると2007年のタイのBL映画のことである。タイ語はわからないが、英題は"BANGKOK LOVE STORIES 2"と複数形になっており、この「イノセンス」の他にも2つある。こちらが予告編。