タイBLドラマ「SOTUS The Series」
主演:ピーラワット・セングポーティラット(クリスト)、プラーチャヤー・ルアングロード(シントー)
2016年 全15話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
やっと観ました、”タイBLの金字塔”。
もう人生の目標とかそんなものは私にはあまりないのだが、ドラマに関する目標や課題はたくさんある。2021年度ももうすぐ半ば、今年の目標を一つ一つクリアして、着々と進んでいかなくてはならない!そんな今年の目標の一つがこの
「SOTUS」を視聴する!
というものであった。本当は去年の目標であったが、なんとか今実現した。
新入生教育制度というシステムの中で
すでに有名なドラマなので、イントロダクション的なあらすじはWikipediaより。
「ギア」(歯車)とは工学部のシンボルである。ギアは時計などの装置に動力を与えて動かすシステムの一部で、ギアが1つ故障するだけで、装置は動作を停止してしまう故に工学部生にとって大切な意味を持っている。このギアのマークを身に着けることで、工学部の学生として認められるが、新入生たちがそれを取得するためには必ずSOTUS(Seniority:敬意、Order:秩序、Tradition:伝統、Unity:団結、Spirit:精神の頭文字を取ったもの)と呼ばれる新入生教育制度を受けなければならない。
3年生のアーティット(クリスト演)はヘッドワーガー(リーダー)で、SOTUS制度のもと、新入生に対して厳しい命令を下す。新入生たちはそれに対して不満があっても先輩に反抗することは許されない。そのためアーティットによる厳しい命令は、新入生であるゴンポップ(シントー演)が彼に反抗するまで誰にも止められないように思われた。ゴンポップとアーティットの2人の衝突は、当初緊張関係をもたらしたが、2人の間に起こる様々な出来事がその関係性を徐々に変化させていく。
前半はほぼこの新入生教育制度の活動に焦点が当てられているが、徐々にゴンポップがアーティットに惹かれていく様子が描かれる。そして一見厳しく嫌なヤツに見えるアーティットだが、実はゴンポップのことを気にかけていたのも少しずつわかってくる。
ある晩、ゴンポップはアーティットに告白する。しかしアーティットは彼のことを無視するようになる。果たして二人の関係はどうなるのか?
「ラップ・ノーン」というイニシエーション儀礼
惹かれ合う二人だが、男同士であるということに戸惑い、それぞれが様々な行動を取りながら、受け入れていこうとする過程がとても丁寧に描かれており、さすがに高く評価されているBLドラマであるのも納得であった。むしろ、これも昨年のやはりとてもよかったドラマ「I TOLD SUNSET ABOUT YOU」同様、BLドラマというカテゴリーに収めてしまうのは勿体無い作品である。
しかし、本作でとても興味深かったのは、この新入生教育制度という文化である。次の記事によると本来は「ラップ・ノーン」という制度だそうで、ここから学生たちが身につけなければならないのが「SOTUS」の頭文字で表される、上記のあらすじにある5つの理念である。なんだか製造業スローガンの「5S」みたいだが、私にはどっちも難しそう(笑)。
最初はドラマの中の話だけかと思っていたが、実在するそうで、実際に見学したこの方の記事に詳しい。
この制度の良し悪しは別の議論点となるだろう。よく言えば「教育」だが、悪く言えば「いじめ」や「パワハラ」にも相当し、劇中でも保護者達からクレームが入っている云々とある。私も自分が実際に参加してたらドロップアウト組になりそうだし、自分の子供が参加させられていたら抗議をするだろう。
また、先輩と後輩の服従関係はアジア各国では部活などでもあるものなので、こんな大規模なものではないにしろ、実際に似たような経験をした方も多いのではないだろうか(幸い個人的にはない)。
そんな中、あえてこの制度を取り上げ、そこから同性を好きになる若者達の物語にしたのは、ある意味挑戦的であり、タイの文化を垣間見ることができる作品としても、人気となって“金字塔”と呼ばれる所以かもしれない。この制度のみでなく、コードナンバーによる先輩後輩の交流や、感謝祭など、知らなかったことばかりだったので、なかなか面白かった。
主演二人にこれからも注目
オーディションでこの主役を勝ち取ったクリストとシントーだが、この作品以降人気で、いろいろなドラマに出ている。個人的には好みのイケメン君達ではないが(シントーの肩が好き)、俳優として気に入ったので、他の作品も観てみたい。今やっているクリストのも面白そうだし、先日発表されたシントーの新BLシリーズも良さそう。本作の続編「SOTUS S」もリスト入りしたが、先週始まった「ITSAY」の続編もあるし、明日からはホアン君主演の中国ドラマも始まるから、忙しい!
こちらがエンディングテーマ♪軽快なオープニングもまあよかったが、こっちの方がお気に入り。