中国ドラマ「猟罪図鑑~見えない肖像画~」(猎罪图鉴)
主演:タン・ジェンツー(檀健次、JC-T)、ジン・シージア(金世佳)、ジャン・ボージア(张柏嘉)
2022年 全20話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★☆☆
(写真=百度百科より)
(2022年12月5日 追記)
皆さんは、似顔絵やモンタージュ写真を作るのに協力してくれと言われたら、一瞬見た人をうまく描写・説明できます?
警察ドラマなんかでよく見るあのシーン、「目は細くて、頬骨が高くて、唇が薄い。。。」なんて目撃者が言うのを、ささっと鉛筆で描いていく捜査官がいるが、「似顔絵捜査官」と言うらしい。そんな職業に焦点を当てた本作、メインキャストは知らない俳優たちだったが、非常に評価が高いので視聴してみた。
似顔絵捜査官のバディストーリー
不本意ながらもシェン・イーとバディを組まされるドゥー・チェン、最初は嫌で仕方がないが、数々の事件を彼の美術の才能で解明することができ、次第に信頼関係を築き上げていく。そしてついに、7年前の事件の真相が明らかになっていくのであった。
さまざまな技術を駆使して作成される似顔絵
シェン・イーとドゥー・チェンが次から次へと起こる事件の捜査を進めていくのであるが、事件そのものより、本作での見どころは何と言っても、この似顔絵を作成する技術。目撃者の証言、防犯カメラ、頭蓋骨などありとあらゆる資料をもとに、犯人又は被害者の身元を判明していこうとする。
「目撃者の証言」と一言に言っても、実はさまざまな要素が含まれている。犯人を正面から見たのか、上から見たのか、下から見たのか、帽子をかぶっているだけでも、角度が変わるだけでも、人間が知覚する他人の顔の印象は変わる。これが通常の健康状態の人間でもそうなのだが、ましてや覚醒剤などの幻覚を起こしているときや失顔症の人の描写からは、普通の顔を描くことができない。
その他、こんな技術も使われている。
三庭五眼(アジア人の顔の構成の基本)
筆跡学
漫画のような順番のシーン再現
九相図(死体が朽ちていく経過を九段階にわけて描いた仏教絵画、頭蓋骨から被害者の顔を再現するのに出てくる)
なーんて偉そうに書いたが、私はもともと絵心が全くなくて、美術の課題も友達にやってもらっていた口(汗)。実は後からきちんと下記の記事で知ったもので、こちらのMDLの記事では本作におけるさまざまな技術を非常によく説明してくれている。もちろん本作内でも言及があるが、英文は読まなくても、いろいろな劇中のイメージの例を引用しているので、それだけでもリンク記事を覗いてみてほしい。
似顔絵を描くにもさまざまな技術があると言うのを知ることができたのは大変興味深かった。その他、シェン・イーの授業でもヨーロッパの代表的な絵画の説明も入っている。
刑事ものとしてはちょっと詰め込みすぎ
さてさて、上記のように似顔絵作成について言えば大変面白いドラマであったが、なんせ取り扱う事件が多すぎる。本作制作にあたって、どうもさまざまな似顔絵に関する技術や例を莫大に収集したらしいが、とにかく事件を詰め込み過ぎである。事件自体もさまざまなテーマのものがあり、これも書いていたらきりがないのだが、もう少し一つ一つの事件を丁寧に扱っても良かったんじゃないかとも思った。
7年前の事件も、途中でどっちでもいいんじゃないの?なんて思ってしまうくらい。
また、個人的に刑事バディものが好きではないので、その点もオススメ度がちょっと低い理由。メインキャストが好みのイケメンだったら五つ星なんて簡単につけちゃうんだけど(笑)、ちょっとこの二人にはハマれなかったなぁ。
でもシェン・イー役のJC-T君は可愛い顔だと思ったら、案の定アイドルグループだったみたい。名前が「健次」というが、日本人みたいとか思っていたら、なんと日本の名前らしい!小さい頃一年間日本に住んでいたことがあるそうで、その時に「北斗の拳」のケンシロウにハマって、日本名に改名したとか言うけど、ホントかいな(笑)。
しかし、中国の刑事ものは日本では考えられないような、いろいろな事件があるし、テクノロジーなどもふんだんに駆使されているものが多く、面白いことは面白い。日本で配信されるようになるかはわからないが、クォリティは高いドラマである。
(2022年12月5日 追記)
日本でも2023年1月よりLaLaTVにて放送開始!
こちらが健次君歌う同名の主題歌♫トレイラーにもなっている。