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朝熊かけねば片参り

「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」

伊勢のパンフレットや旅行ブックなんかで見たことある文言ではないでしょうか?
朝熊をかけるというのは朝熊山の事を指していて、皆山に登ってとある場所に向かっていたんです。
それが朝熊岳金剛證寺(あさまだけこんごうしょうじ)。伊勢参りにやってくる人々はこのお寺にも訪れるのが古くからの習わしでした。

このお寺の本堂は国指定有形文化財として認定されていて、祀られている菩薩様も「福威智満虚空蔵大菩薩(ふくいちまんこくうぼさつ)」という日本三大虚空蔵菩薩の一つなんです。かつての唐を彷彿とさせるような真っ赤な本堂はまさに圧巻。そして入り口の前には、青銅でできた虎と牛の像が、狛犬のように建っています。

虎のほうが「智慧虎」といい、先ほど挙げた菩薩様の知恵を授かった虎として祀られています。
牛のほうは「福牛」といい、頭に大黒様を乗せています。大黒様は商売繁盛を司る神で、菩薩様と一緒に本殿にまつられています。
どちらも撫でることができて、いろんな人に撫でられているせいかお腹の部分だけつるっつるになっているんですよね。

また本堂正面向かって右側のほうに進むと、朝熊山経塚へ向かう道を見つけることができます。
経塚からはいくつもの出土品が発見され、出土場所を明確に残すために石塔が建てられていて、出土した銅製経筒や鏡、阿弥陀如来が描かれた「線刻阿弥陀三尊来迎鏡像」は金剛證寺で大切に保管されています。
 

そして最後に、金剛證寺の近くにひっそりと建っているお地蔵について書こうと思います。

名前を「子授け地蔵尊」、別名「おちんこ地蔵」です。
初めて見たときはびっくりしましたね…。その名の通り、ちゃんとおちんこがついてるんですよ。二つのお地蔵が縦並びになっているんですが、手前側のほうが「おちんこ」って感じが強いです。
まぁ世界を見てみても、子孫繁栄を願う行事や祭事では男根を模したものが用いられることが多いですから、
あまり驚くことではないのかもしれませんが…。
子供が欲しい方や、逆にある程度子供が成長した夫婦がよくお参りに来て、子供ができるよう祈ったり、元気に育ってくれたことに対して感謝し手を合わせています。

金剛證寺へ向かう道は朝熊山展望台にもつながっていますし、バスも運行しているので交通の面では便利だと思います。

本当のお伊勢参りがしたい方は是非訪れてみてください!


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