こっち側とあっち側
少し前になるけれど「午前0時の森」の最後のゲストの回を見た。
二宮和也がゲストだったからなんだけど、それを差し引いてもとても興味深い番組。最終回とのことで惜しい。もっと早く知りたかった。
私は完全に「こっち側」の人間だと改めて認識。自尊感情高めの方は「あっち側」。ニノは、誰もが認める大スターだし、さぞかしキラキラした世界の人かと思うけれど、ファンなら誰もが知るこっち側。
面白いなと思ったのは、カウントダウンライブで、「和也」と書かれたうちわがいつもより多く、つい調子に乗って手を振ったら、後ろにいた亀梨和也に向けた物で、「死にたくなったよね」というエピソード。
こっち側の人間が、あっち側の世界に足を踏み入れた気分になり、でもやっぱりそんなことはなくて、一瞬でも勘違いした自分が恥ずかしくて仕方ないということ。わかるなあ。
数十年前のお話。大学生になり、色々な部活やサークルの見学に行った。そこには明らかに「あっち側」と「こっち側」が存在していた。チアリーダーなどはまぶしくて見てられないし、夏はテニスで冬はスキーみたいなサークルもあっち側。アニメ同好会とか速記部はこちら側だけど、こちら側の中でも温度差があるよなあ。で、選んだ場所がラクロス同好会。私にとってはちょっとだけ背伸びした場所。その中は、あっち側の人もいて明らかに違う目で見られる(時に口に出される)こともあったけど、こっち側の人間も多数存在していたことで、わりと居心地よく過ごしていられたなあ…と昔々の心持ちを思い出した。
今の歳になると、あっち側もこっち側も正直気にならないし、卑屈になることもない。むしろあっち側を笑い飛ばせるところもある。でも、若い頃はこっちとあっちの間にある壁や、あっち側の人間の目や言葉に悩み苦しんできたから、その頃の自分に見せてやりたい番組だったなあ。
最後にニノの言葉の中で、いいなあと思ったことを一つ。「お金をもらっている現場で、勉強させてもらいます、はない。ほかで勉強してきたことを出す場だから。」
ニノはケチだとかお金が大好きだとかを笑いのネタにしてるけど、その分お金を頂くことに対してとてもシビアでプロフェッショナル。わたしも仕事に対してそうありたい。