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第4話 コレクション② 初めての機械式時計 「ブライトリング アベンジャーⅡGMT ジャパン限定モデル」
私を時計沼に引きこんだG.Sは次なる仲間を呼んだ。買った時計は残念ながらクォーツ式だったから、機械式が欲しくなったのだ。クォーツ式は精度では機械式を凌ぐが、残念ながら電子部品を使っているから寿命がある。電子部品が壊れればそれまでである。グランドセイコーならもしかしたら直してくれるかもしれないが、機械式の半永久的というレベルを保証してくれるわけではない。
私が2番目に買ったのはブライトリング。時計に詳しくなかったから、高級時計の専門店のショーケースを覗いていたら、勧められたのがブライトリングだったのだ。勧めてくれた女性店員さんのIさんは、懇切丁寧にブライトリングの魅力を語ってくれたので、ブライトリングが欲しくなってしまった。
ちなみにこのIさんからこの後、どんどん時計を買うことになるのだが、このときはそうなることは夢にも思わなかった。
ブライトリングを買うとなれば、まずは代名詞でもある「ナビタイマー」。そしてフラッグシップである「クロノマット」だろう。だが、さすがに当時でも100万円近くするそれらを考えることすらできなかった。それはそうだ。2,3万円の時計を着けていた人間がいきなり100万円もするような時計を腕にはめたら、落ち着かないことになる。
それでせいぜい50万円までだろうと考えていたから、目に止まったのは、現在は廃盤になった「コルト」。この時計はブライトリングのエントリーモデルで性能の割にはコスパがいい時計である。当時でも40万円しないから、今から考えれば値上げラッシュで日本人には、手が届かなくなりそうなブライトリングも良心的であった。
あとの候補はスーパーオーシャンと最後に買うことになるアベンジャーⅡGMTである。G.Sの時は一目惚れで即買いであったが、ブライトリングは三度ほど時計店で試着したり、悩んだりして購入に至った。そもそも時計は何度か足を運んで買うものだ。車と同じで買うまでの過程が楽しいのだ。
さて勧められたコルトはその前身が軍用時計だったこともあり、ケースが分厚く無骨なデザインがネックであった。これではスーツの胸元に収まらないし、ビジネス時計には不向きだ。そこが不満の私に定員のIさんが勧めてきたのがアベンジャーⅡである。
私が検討したのは、ジャパン限定モデルで文字盤にマザーオブパールが使われキラキラしている時計だ。アベンジャーⅡはケース径が42㎜もある大きな時計であるが、厚さが1.3㎜と薄いので大きさを感じさせない。そしてGMTである。GMTとは24時間計と呼ばれる針と回転するベゼルでもう1カ国の時間を知ることができる機構である。
価格は47万円である。頭金として20万円を入れて30回払いで購入することにした。現金一括で買うこともできたが、手元に現金が残るのは大きい。というのも時計は金利0%の120回払いという買い方ができるのである。正規取り扱い店での買い方の1つである。この買い方についてはいずれ語るとするが、こうやって2つ目の嫁が私のところにやってきたのである。
ちなみに現在のブライトリングはエンブレムがBの文字をあしらったデザインとなっているが、この時計は旧エンブレムである翼を広げた鳥である。今ではこのデザインは新品では手に入らない。これもこの時計を買ってよかったと思う理由だ。
ちなみに2018年にこの時計を手に入れて6年経過したが、今のアベンジャーは値上がりをして60万円では買えない時計となっている。ちなみに現在は無事にローンも終わっている。