見出し画像

こどものにほんご|扇の的 藍由来の茄子紺:なにぬねの(16)


日本の伝統色 茄子紺

右から2つめがなすこん
藍に「蘇芳」を重ねる

茄子紺の画用紙は、子どもたちの書道作品が映えるので
台紙としてよく使っていました。
濃すぎず、派手でも無く品の良い色です。



那須与一 「扇の的」

茄子の同音異義つながりで、
那須与一《なすのよいち》について少し触れたいと思います。
中学2年国語教科書(光村図書)に記載されている
平家物語「扇の的」

6年の担任をしていたとき、私が子どもの頃愛読していた
小学館オールカラー版世界の童話シリーズの中に収められている
平家物語「鵯越え(一ノ谷の戦い)」「扇の的(屋島の戦い)」
「八艘飛び(壇ノ浦の戦い)」
を毎日少しずつ読み聞かせしていました。

中学校や高等学校で「おっ、内容知ってる。」と余裕をもって
古文や歴史に取り組めるのでは、という期待をこめて。

ただ、帰りの準備でザワザワしているのを待つ間の事だったので
聞きたいと思っている様子の子も集中できない雰囲気で
場の設定の大切さは分かっていても
やること満載高学年のスキマ時間にしかできず…。

最近、那須与一栃木県那須の武者であったことを知り
調べてみたら義経が那須温泉神社に必勝祈願に来た時に出会ったとのこと。
もっと興味を引くようなエピソードを挟みながら読み聞かせが出来たなぁ
と年を重ねて反省することばかりです。

光村図書HPでそれぞれどの時代なのか
1ページにまとめている資料が見られます。

「つながる古典!小学校中学校高等学校で学習する主な古典教材」
(監修 東野泰子さん)
「物語」「説話」「歴史・軍記物」「日記」「随筆」「紀行」「和歌」

光村図書ウェブサイト

 

小学館オールカラー版世界の童話シリーズ


がっしりとしたハードカバーでそれぞれ挿絵があり
5~6の有名なお話が1冊にまとめられていて
平易な日本語で長いお話は盛り上がっている場面が
コンパクトに描かれています。
日本の昔話、日本の神話、グリム童話、アンデルセン童話、
アラビアンナイト、ガリバー旅行記、孫悟空、小公女、
イソップ物語、カロリーヌシリーズ、ピノキオの冒険……


当時390円の価値をはかることはできないのですが
好きなときにいつでも童話の世界に飛び込めたことを
ありがたく懐かしく思い出しました。
本を買ってくれた親だけでなく
幅広い年代で読み続けることが可能な
このシリーズを手がけて下さった
当時の小学館の方々に感謝しています。

高校古文の授業で「虫めづる姫君」
「堤中納言物語」として再会した時は
「虫をよく見るために耳に髪の毛をかけるお姫さま、
 古典文学の登場人物だったんだ!」
とテンションが上がりました。
子どもの頃から知っている物語は愛着があり
さらに詳しい物語の背景を知ることができるのは喜びです。
これも、長期のスモールステップと言えるかも知れません。



「な・に・ぬ・ね・の」ドリルとテスト


一富士二鷹三茄子
は日本文化紹介の上に
見栄えもすると思うのですが、ここは
花の後に実をつけるという理科的な観点と
日本の食文化紹介の「なにぬねの」です。

P51
p52
P53
P54


「風の谷のナウシカ」と「虫めづる姫君」


宮崎駿監督が「虫めづる姫君」と「ギリシア神話の姫君」から
ナウシカは影響を受けている、と明言されて話題になりました。
古典は現代の芸術家にも影響を与える力があり
その芸術家を取り巻く人々にも影響を及ぼし
それがまた新しい時代の力を得て、次世代に受け継がれていくのだ
と思うと、古典は目の前で起きていることをより深く理解したり
楽しんだりするためのエッセンス

子どもたちに分かりやすい形で受け継いでいけたら良いなと思います。


いいなと思ったら応援しよう!