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【サクッと攻略】日商簿記2級

 こんにちは、高等遊民です。本稿ではタイトル通り簿記2級学習を通じて気がついた学習のヒントや反省点を共有したいと思います。では

はじめに

 簡単に自己紹介をさせていただきます。

・早稲田大学に通っています(した)
・保有資格: TOEIC960 漢検準1級 など
・好きなカフェはエクセルシオール
・好きな現役競走馬はセキトバイースト

 何度も同じような記事を書いているので前置きは繰り返しになってしまいますが、自分は高校受験以降ピリついた勉強こそ一度もしてないものの、TOEIC学習で痛い目を見ているので、学習習慣そのものは腐っていません。

 そのため資格勉強に関してはどちらかといえば得意という自己認識が形成され、結果的に自身の実力を過信して簿記3級をすっ飛ばして2級から学習をすることにしました(=最大の反省点)

 今回は簿記の学習中に必ずあるアーティストの曲を聴くようにして、合計学習時間がわかるようにしてみました。結果、だいたい4500分(=75h)くらいでの合格でした。

手応えとしては、もう少し取れたと感じましたが3問ほど間違えてしまいました。記憶を絞り出して振り返ると勘定科目の逆記載と法人税等調整の表示ミスに気がつきました(工業はなぞ)
試験時間も40分くらい余ったので丁寧に見直ししたつもりなのですが、いつもの演習時に見直しをしない癖が災いし、ミスを見抜くことができませんでした。

 最初は仕訳どころか借方も貸方がどっちかも知らないような状態で始めたのでなかなかテキパキ合格したなと思います。12月頭ごろから本格的に取り組み始めたのですが、先に試験を予約したのが良かったのでしょうね。お金をドブに捨てないように必死こいて勉強しました。

 次の項目では用いた教材や媒体を紹介したいと思います。

使用教材

Tac出版の過去問を3冊ほど書いました。(Linkはアフィリエイトではありません)

 教科書は購入してません←(は?)Chatgpt先生とgoogleでなんとかしました。

 あとはyoutubeでふくしま先生の動画を何本か見たり、他の方の動画も苦手分野の学習の際に活用させていただいたと思います。

学習方法

 あくまで一例ですが、ぼくがどういうふうに取り組んだかをシェアしたいと思います。

 まずこれは基本的に初学の分野を勉強をし始める時に取る行動なのですが、インプット0で過去問を1本解きました。時間は無制限で、自分の思うようにぐちゃぐちゃと埋めていきます。

 その結果、初の模試は120分以上かかり、得点も8点でした。「おぉ、やばそうだな」という確かな焦りだけを頼りに、知らない単語をいちいちググりながら過去問の丸つけと解説の意味を探りながら解き直しを行います。

 結果的にぼくは、「なるほど簿記はこの”仕訳”っていうのを完璧にこなせれば、あとは表への写し方さえ心得とければいけそうだな」というような勘所をつかみました。実際この感覚は正しかったと思います。少なくとも簿記2級レベルならば仕訳の精度を上げることがそのまま合格につながります。

Point①仕訳

 先述の通り、ぼくは当初貸方と借方という名前さえ知らなかったので、まずこの仕訳というのがどういう作業なのかをググりました。しかし釈然としなかったので、いくつかの基本の形を覚えることにしました。

例えば以下のようなものです:

商品を80円で仕入れた。代金は掛とした。
<借>仕入 80 / <貸>買掛金 80


商品を100円で売った。代金は現金で受け取った。
<借>現金 100 / <貸>売上 100

備品を100円購入した。代金は約束手形で支払った。
<借>備品 100 / <貸>営業外支払手形 100

 このようにいくつかの仕訳を見るとあることに気がつきます。大体の場合、何かをgetするとgetしたものは借方に記載するみたいなのです。また、払う場合や売る場合はその反対になります。

 しばらくしたのちに、B/SやP/Lでその勘定科目をどっち側に記載するかに注目することが大事だと気がつきましたが、とりあえず仕訳による物・金の流れがどっち向きかだけを具体例ごと覚えることにしました。

 こういう始まり方だったので、最初の頃はめちゃくちゃだったものの、少しすると勘定科目を反対にするという間違いはほぼしなくなりました(本番に本支店会計でミスるのですが)正しい理解かどうかみたいなことはわかりませんが、自分の理解できるレベルに表現を落としてパターンを掴むというのは大切なことだと思います。

 次に、無限に存在するかに思えた「売掛金」とか「買掛金」とか「満期保有目的債権」とか云々という勘定科目を先に覚えるべきかどうか葛藤しましたが、基本的な科目(売上や利息等)の暗記に一旦とどめました。理由は2つあり、ひとつ目は簿記2級では自分で勘定科目を打ち込むことがなさそう(選択肢から選ぶ)ということに過去問で気がついたこと、ふたつ目はどうせやってれば覚えるだろうという楽観視からでした。

 繰り返すようですがぼくは簿記3級の勉強を一切していなかったので、試験前日まで小切手の振り出し受け取り両方を当座預金だと思っていた(受け取りは現金)くらい勘定科目への理解が曖昧で、今でもよくわかってない科目がいくつかあるのですが(支払割戻とか債務保証見返とか)、試験ではこの語彙力そのものはさほど重要ではないですし、実務なら調べればいいだけなので完璧主義を捨てました。

 そうと決まればアプリ(パブロフ等)やサイト(最初は三級の問題も解いてた)でひたすら仕訳とやらを実践するのみです。知らない仕訳が来たらchatgptにぶち込んだり、或いはその分野だけyoutubeの解説動画を見るなりして、理解したことをノートに一心不乱に書き起こすことを3~4日ほどしていたら、ある程度勘定科目と仕訳手法を覚えました。

 2級の仕訳におけるダルい論点は固定資産に係る処理(除却,償却,火災)や有価証券まわり、それに付随して税効果会計だと思いますが、全部筋肉で解決しました。十分な睡眠と量が全てを解決するのです。ゴリゴリ解いて、しみったれた解き直しとやらをしてぐっすり眠ることで、細かい計算はまだよくわからないものの、大体仕訳でどの勘定科目がどっちにいて、どいつとセットでいるかくらいはわかるようになりました。

 基本はその後数十時間の過去問演習を通してこの仕訳の精度を上げたことで合格しました。これが簿記学習の大枠です。

Point②捨て問をつくらない

 簿記2級では、よく連結会計が難しい‼️と言われているのを目にしますが、明らかにヤツの難易度は誇張(過大評価)されています。

 だって、連結1期目の開始仕訳を作って①のれん償却②非支持純利益③配当あれば修正、この3点だけやって利益剰余金で辻褄あわせて2期の開始仕訳をつくり、あとは資本と成果連結でガンガン消去したら、少なくとも簿記2級では終わりなので、やることは単純ですし覚えることもそう多くはありません。たしかにアップストリームはちょっとだるいですけど、それが会社にとってプラスなのかマイナスなのかさえちゃんとわかっていれば非支持純利益をどっちに仕訳るのか難しくないですし、利益剰余金のくだりも非支持分が正確に計算できていれば他の項目と総額の差で求めてしまえます。現に本番の第2問は連結会計でしたが満点でした。これをぼろっと落とすのはあまりなもったいです。

 この「捨て問をつくらない」思考に至った背景として、僕はどのみち春から簿記前提の商売をやることになることも挙げられます。のれん云々とか。この程度で取捨選択しているようでは実務で困るだろうという直感があったので、一旦は学習領域で緩急をつけないことにしました。つまり僕の目標は試験の合格そのものにはなかったということです。

 もちろん試験への合格が目標であるなら、なら工業を意識して演習する等の戦略の立て方は十分考えうるので、自分がどういう立場なのかによって戦略は適宜変えてください。

 ただひとつ言えることは簿記2級には捨てた方がいいほど難しい論点はおそらく存在しないということです。キャパの問題で厳しい場合はうまくやりくりするしかないと思いますが、余力がある人は満遍なく学習していくことがかえって合格への近道ではないかと感じます。

Point③印刷して解く

 僕はCBTで受験した(最近ならほとんどの人がそうだと思うが)ので本番試験では問題用紙がスクリーンに映されており、故にモニターに直接メモ書きすることはできないのですが、少なくとも家で演習する時は数字の上に色々書き込んだ方がいいと思います。その方が理解に役立ちます。特に簿記はTOEICのように本番の際に用紙にメモすることが禁止されているわけでもないので、問題解答は印刷してやりましょう。僕の場合は特に過去問中心のやり方だったので(少なくとも15個くらいは解いたかな)問題をリサイクルしたり、使用後に売価に近い価格で売り払うためには、問題集を綺麗に使うのが1番だと思ってやりました。

総括

 繰り返しになりますが、簿記2級は仕訳の精度をいかに高めるかが肝要です。基本的にはそれはたくさんのアウトプットとインプットによって成り立つと考えられます。そのため(脳の)筋肉でモリモリ解決していくのが、一番の近道ではないかと推測します。このやり方はあくまでぼく個人のやり方なので悪しからず、しかし部分的には他の方でも採用できる示唆を含んでいると思います。少なくとも簿記2級は多演習でどうにかなりそうということは僕がこの体で一応証明しておきました。そのため安心して筋肉で解決して下さい。

反省点

 読んでいる中でところどころ、ん?となった方もいると思うのですが、僕もめちゃくちゃなってます。そこで、今回の学習における個人的な反省点をここに共有したいとおもいます。

①簿記3級を飛ばした

 これは最初にも記載した通り一番のやらかしであり反省点です。僕は簿記をめちゃめちゃ舐めてたので、3級のテキストも問題集もついには購入しませんでした。それでもどうにかなるにはなりましたが、別に苦しかったです。

 何がヤバいかと言えば、2級の解答解説には3級でおそらく学習したであろう基礎的すぎる知識が省略されまくっていることです。僕はB/Sが資産、負債、資本で構成されていること自体は知っていましたが(一応証券外務員資格待ちなので)それをどちらに表示するか等は全くの無知でした。そういう基本は2級問題集で解説されません。偉大なるchatgpt先生に「小学生でもわかるように説明してくれ」と頼み込んでそういう部分のキャッチアップに努めましたが、普通に効率悪かったなと思います。3級を受けないにしても、せめて3級のテキストと問題集を買い一通り読んで数問解いてから2級に移行すべきでした。でないと、先述の通り時間が勿体無いですし網羅的で本質的な理解に繋がりにくいです。

②なんだか曖昧だし、どこが曖昧かもわからない

 全ては①に繋がるのですが、僕は「簿記2級は目的じゃない」とか偉そうなことを言っておきながら、その全てを完璧に把握できていません。それどころか簡単な勘定科目の中にさえ、意味のよくわかっていないものが混じっている可能性があります。ただそれがどれかはわかりません。網羅的な学習をしていないためです。簿記2級を何かの足がかりにしようとしている人こそ3級からキッチリやるべきだと確信しました。

 そう言う認識の甘さは大問2や3のB/SやP/L作成にボロボロ現れるので、できれば細かい定義も無視せずに、一言一句覚えろとまでは言いませんが簡単に説明できるくらいにはしておくべきでしょう。

③インプットの媒体が不統一

 僕は大半の知識をchatgpt4との壁打ちによって得ましたが、具体的な仕訳の表への反映手法や、問題傾向などなど、実に色々なことをバラバラな媒体から入手しました。そうするともちろんダブりもありますし、体系的な理解へつながりにくいということもあります。僕はケチってテキストを買わなかったのですが(そんな人はほとんどいないと思うので意味のある忠告にはならないでしょうけど)、インプット媒体をひとつにすることで体系的な学習がし易くなり、結果的に本質的な理解を深め定着度を高める可能性がある点を簡単に手放したことは今回の反省点でした。

➃工業で手を抜きすぎた

 工業簿記は売上原価計算をするためにやっているわけですが、商業簿記の想像しにくさと比較して圧倒的に体感的な理解が可能な分野なため、とっつきやすいと思います。普通は工業で満点を狙うのがセオリーだと思いますが、上で言及したように僕は捨て問を作らなかったので思いの外商業に時間がかかってしまい、工業はあまり手を回せませんでした。本番では36/40とまずまず得点できているものの、実は前日の段階で全部原価計算と直接原価計算の違いがわからなかったりとてんやわんやになっておりました。工業は比較的易しいので一度学習したら放っておいてしまう人もぼちぼちいると思うのですが、個人的には少なくとも毎日1題は触れておいた方がよかったと猛省したので、その辺のバランスは意識するべきだとおもいます。いくら簡単といっても、普通にミスりますからね、工業簿記。

まとめ

 本稿では簿記2級学習で感じたコツや反省点を共有しました。いつもながらあまり参考にならないかもしれませんが、一意見として誰かの役に立つことを祈ります。学習者の方は頑張って下さい。簿記2級は世間が言うほど簡単じゃありませんけれど、だからといって破茶滅茶に難しい資格でも決してないのでゴリゴリやればどなたでも合格することができると思います。うまくいかない場合は学習戦略そのものを見直して、継続してみましょう。以上、高等遊民でした。

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