第2回ビジネスデザイン講座開催レポート
i.schoolエクゼクティブ・ディレクターの堀井秀之の著書「イノベーションを生むワークショップの教科書 i.school流アイディア創出法」の出版を記念し、本の内容に基づいて、ビジネスデザインに焦点を絞った講座を、全8回シリーズで開催することになりました。
今回は、11月26日(金)に開催した「第2回:新規性を生み出すアプローチ2:バイアスブレイキング」の様子をお届けします。
バイアスブレイキングとは
既成概念・前例・慣習・思い込み等により”当たり前”と受け入れている事実や前提、認識、制度、常識、社会通念を崩すことで新規性を生み出すアプローチの1つです。
ここいう「バイアス」とは「認知バイアス(経験や思い込み、周りの環境などにより、物事を非合理的に判断してしまうこと)」を指します。
ワークショップ
■ イントロダクション
はじめに、Margaret A. Bodenの『創造性の3形態』に触れ、新しさを生み出す仕組みを9つに分けて紹介しました。
■ ワークショップのテーマ
イントロダクションの後は、「バイアスブレイキング」を用いて「日本企業の新しいあり方」をテーマにワークショップをおこないました。
■ ワークショップの内容(少人数のチームでワークをします)
①日本の会社に関わる事実、制度、 常識、社会通念、慣習、当たり前を議論
②当り前の原因・根拠を整理し、”なぜなぜ分析”で本質的原因を探る
③原因・根拠を覆す可能性を議論
④個人ワークで、アイディア発想
今回のワークショップでは、④で発想したアイディアをメンバー全員で共有しました。
本来のプロセスでは、アイディアを発想した後、以下のプロセスが続きます。
⑤アイディアの評価(第5回ワークショプで実施予定)
⑥試行錯誤の最適化・総括的分析(第6回ワークショプで実施予定)
⑦アイディアの精緻化(第7回ワークショプで実施予定)
⑧仮説検証(第8回ワークショプで実施予定)
<参考>
i.schoolのプログラムで実施した「バイアスブレイキング」ワークショップの学生レポートはこちら
■ 質疑応答
ワークショップの最後に設けられた質疑応答の時間には「最近一番バイアスブレイキングしていると感じた事例を教えていただけますか?」「出したバイアスが良いバイアスかどうかを評価するときどんなポイントをみていますか?」……など、多数の質問をいただき、盛会のうちに終了いたしました。
参加者の声
ご参加いただいた方からの感想をいくつかご紹介します。
「生活の中で世の中の当たり前や固定概念について考えながら生きていたので、今回の講座を経て今まで自分が考えていたことはバイアスブレイキングにつながり、私の求めていたことがバイアスブレイキングであると分かりました。大変勉強になりました。今回手法を学べましたのでこのフレームをもとに様々な事象について考え、何か世の中に残せるものを生み出していけたらと存じます。」
「グループディスカッションに価値があると思いました。時々入ってくださって声がけいただけることで、グループの議論が前に進みやすくなり、より深い議論にいけた点で満足度が高かったです。」
次回以降のご案内
第3回以降のビジネスデザイン講座の概要は次の通りです。
第3回:新規性を生み出すアプローチ3:エクストリームケース
■日時:12月10日(金) 16時〜18時
■概要:今はエクストリームだが、未来では当たり前となる事例を用いることで新規性を生み出す方法論を学びます。
第4回:新規性を生み出すアプローチ4:未来シナリオ
■日時:2022年1月14日(金) 19時〜21時
■概要:当たり前の未来からは当たり前のアイディアしか生まれません。当たり前でない未来を描くことで新規性を生み出す方法論を学びます。
第5回:アイディアの評価:評価マトリクス
■日時:2022年1月28日(金) 16時〜18時
■概要:アイディアが本当に良いものかどうか、次のステージに進むべきアイディアか、評価する方法を学びます。
第6回:試行錯誤の最適化:総括的分析
■日時:2022年2月18日(金) 19時〜21時
■概要:短時間の思考で必ずしも良いアイディアが発想できるとは限りません。その場合に、どのように再思考をすればよいのか、論理的に考える方法を学びます。
第7回:アイディアの精緻化
■日時:2022年3月4日(金) 16時〜18時
■概要:たくさんのアイディアの中からひとつに絞った後、あらゆる方向からアイディアを捉えて詰めていく方法を学びます。
第8回:仮説検証の方法論
■日時:2022年3月18日(金) 19時〜21時
■概要:検討を重ねて詳細に詰めたアイディアが果たして未来社会のユーザーに受け入れられるのか。その検証方法を学びます。
【各回実施形式】
・ 1回 2時間(座学30分、ワークショップ60分、Q&A 30分)
・ オンライン会議システムZOOMを使用します。
・ ワークショップには、i.schoolで開発された電子付箋ツールAPISNOTE を使用します。
<参考>前回のワークショップ
【第1回:新規性を生み出すアプローチ1:アナロジー思考】のレポートはこちら。
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