学生がイノベーション現場のリアルを覗く【Innovation Quest】連載スタート!
イノベーション現場のリアルを知るべく、i.school生がアクセラレーションプログラム/イノベーションセンターを展開する企業へインタビューを行い、それをnote記事として連載する企画【Innovation Quest】をスタートします!
本編の前に、なぜこの企画をi.school生が始めようと考えたのか、プロジェクトメンバーの学生4名で座談会を実施しましたので、そちらの様子からまずご紹介します。
なお、本連載企画は、イノベーション教育プログラム「i.school」とイノベーション・デザインファーム「i.lab」の共同プロジェクトです。
i.schoolは、アイディア発想法を学ぶ大学生が中心となって、イノベーション創出に挑む日本企業に突撃インタビュー。学生ならではの率直な疑問をぶつけます。取材対象はアクセラレーションプログラムやイノベーションセンターを展開する大企業が中心です。インタビューの様子は、ここi.school/JSICのnoteに連載します。
i.labは、複数社へのインタビューで得た情報をもとにアクセラレーションプログラムやイノベーションセンターの仕組みを分析。後日、類型や成功ポイントなどの分析結果をi.labのnoteに掲載します。
目次
■i.schoolの学生メンバーのプロフィール
<座談会>
■学生が【Innovation Quest】に参加する理由
ー【Innovation Quest】に参加する理由をお聞かせください。
てしま i.schoolでは、新しくて有効なアイディアの発想法を学べます。一方で、その先(事業化など)の手法はなかなか扱えない印象です。そのため、イノベーティブな事業を創り、それを実行する組織のあり方について触れる機会が少ないと感じています。企業がどのような組織をつくり、新規事業をつくっているかを知りたいと常々思っています。そうした情報は、企業の中期経営計画からは、具体的には見えてきません。そこで、担当者の方々に突撃して聞いてみたいと思いました。
とよしま i.schoolでは個人としての発想法を学ぶことはできますが、イノベーションを実現するにしても個人レベルでしか行うことができない気がしています。一方で、企業が行っているようなイノベーションプログラムは、個人としてのイノベーションだけでなく、より大規模なシステムとしてイノベーションを起こす仕組みになっています。そうしたシステムとしてのイノベーションをどう起こすのかについて知りたいと考えています。
きむら 私も同じように、実際に企業の中でどのようにイノベーションを起こすのか学んでいきたいと思っています。また、大学生として今後社会に出ていく上で、企業のイノベーションに対する姿勢の違いなどを知りたいです。
はやし もともと「新しいことを生み出す」ことに関心がありました。そんな中、社会(今回は企業)がどのように新しさを生み出し、形にし、世の中を変えてゆくのか、その過程の一部をみてみたいと思い、参加しました。
■学生が企業について持っているイメージ
ー大企業の中でイノベーションを起こすことへの興味は共通してそうですよね。現段階で持っている「大企業のイノベーション」に関するイメージはありますか?
きむら 大企業だと、縦割り構造でイノベーションを起こしにくいイメージがあります。そういった中、オープンイノベーションを積極的に実践している大企業はどういうところなのか知りたいです。
ーこれまでスタートアップや大企業などの企業、社会人に接する機会はありましたか?そのときもったイメージは?
きむら 私は現在就職活動をしているので、大企業とスタートアップの違いに関する話は調べたり、耳にしたことがあります。
とよしま インターンをしているので、企業と接する機会はありますが、具体的なイノベーションを起こす仕組みを持った組織と接したことはないですね。
「企業の人」というより、純粋な社会人として、自分の大学の卒業生の方と接する機会は多くあります。でもその時には、相手が所属している組織がイノベーションを起こす仕組みを備えているのかどうかはなかなか見えてこないですね。
あくまで印象ですが、企業内で「イノベーション推進部署」みたいな形でトップダウンでイノベーションを起こそうという動きはある一方、ボトムアップで、一人一人の社員がイノベーションを起こす事例は少ないのではないかと感じています。
■アクセラレーションプログラムってどんなイメージ?
ー【Innovation Quest】に出発する前ですが、アクセラレーションプログラムは、効果が期待できると思いますか?
きむら 大企業にいながらスタートアップと同じ視座を持つ人が増えることは良いことだと思います。逆にスタートアップの方も大企業ならではの強みを知ることができるので、どちらの立場でも効果はあると思います。
ー個人的にはどんなところに興味がありますか?
きむら 企業によるオープンイノベーションの方法論の違いに興味があります。また、どのように運営・実装している企業がイノベーション創出に成功しているのかも気になります。
ーてしまさんが考えるイノベーションプログラムの効果とは?
てしま 数少ない社員のエネルギーを活かすことが、大切だと思います。i.schoolで接する社会人の人たちは、大企業に所属しながら、イノベーションを起こそうと奮闘していますし、今の会社に課題感を持っています。スタートアップとの交流を通じて、お互いにスキルやマインドセットを高められるのが理想的だと思います。
ートップダウンvsボトムアップという話をしていたとよしまさんは、スタートアップと大企業の協業に効果があると思いますか?
とよしま アクセラレーションプログラムを運営する中で、運営母体の社員の人が変わるという側面は強いのかもしれないですね。
そうしたプログラムは、スタートアップ企業をはじめ、社外で情熱を持ってイノベーションに取り組んでいる人との出会いに繋がります。社会や自分たちが暮らす環境を変えようとする人たちと接することで、自分も自社を変革したいというマインドセットになり、ボトムアップからのイノベーションが生じる切っ掛けになるのではないでしょうか。
■意気込み
ーこれから大企業でイノベーション創出に係る担当者にインタビューに行きます。特に聞いてみたいことはありますか?
とよしま 普段から学生という立場で、企業の内部でイノベーションを起こそうとしている人と関わることはないので、そういった人たちがどういったモチベーションでその活動に取り組んでいるのか、その活動から得られることは何なのか、について伺ってみたいです。
きむら イノベーションを起こす中での大企業としての強みや、逆にオープンイノベーションでベンチャーと協働しなければ得られないものは何か知りたいです。個人的には大企業に就職したいと思っているため、大企業でイノベーションを起こす仕組みを深掘りしていきたいです。
てしま 苦労されている点を伺ってみたいです。従業員数が多い大企業は、全員がイノベーションに関心があるわけではないと思います。社内での反発をどのように乗り越えているのか知りたいです。
はやし 今回は、個人単位の「起業家」ではなく、組織内でのイノベーションについてお話が伺えるので、社内からイノベーションを起こす人がどのようなモチベーションをお持ちなのか聞いてみたいです。また、その周りの方々がどのように変化していくのか、組織が変わる過程についてもインタビューしたいと思います。
<次回予告>
<企画・運営>
【Innovation Quest】は、イノベーション教育プログラム「i.school」とイノベーション・デザインファーム「i.lab」の共同プロジェクトです。