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【i.schoolから通年生/修了生への3つの質問!】2022年度通年生_稲富さん

イノベーション教育プログラムのi.schoolではどんな学生がどんな思いで学んでいるのでしょうか?i.schoolの通年プログラムに実際に参加してきた通年生・修了生の声を、3つの質問に答えてもらう形でお届けします!
今回は、2021年度修了生の稲富翔伍さんに、i.schoolの様子について紹介してもらいました!

目次
質問1:i.schoolに応募しようと思った、入ろうと思ったきっかけは何ですか?
質問2:i.schoolでどんなことをしたかったのですか?もしくはこれからやってみたいことはありますか?
質問3:実際にi.schoolに入ってみて、どうでしたか?
最後に一言!

稲富翔伍 / Shogo Inadomi
2021年度i.school通年生
東京大学大学院工学系研究科M2

質問1:i.schoolに応募しようと思った、入ろうと思ったきっかけは何ですか?

 私は東京大学工学系研究科の社会基盤学専攻(土木・建設を主軸とした専攻)に所属しています。本専攻ではイノチャン*という高校生向けに社会イノベーションについて学んでもらうイベントを主催しており、私はB4のときにその運営に携わりました。イノチャンでは事前の選考を通過した高校生にイノベーションWSを実施しますが、その設計には堀井先生やi.school修了生の方々が携わっています。

 当時はCovid流行前で、イベント運営♪という軽いノリで始めた私ですが、WSの準備や実際のWSにおける高校生のアウトプットを見ると、WSがアイディア発想の強力なツールになるんだ、こんな設計ができる先輩みたいになりたいな、方法論として学んでおくことが後々のために良いのではないかな、と感じました。
 もう少し具体的に書くと、WSのテーマは「自分たち(高校生)が気候変動というテーマに取り組む動機付けをするためのアイデアを考える」という、何もベースの無いところから考え始めると議論がまとまらないテーマでしたが、モチベーションが高まった事例を事前に収集しアナロジーとして用いることで、1日半という短い時間でもアウトプットのクオリティを担保できる設計となっていました。

 アイディアはその場のひらめきだよね~と考えていた私にとって、システマティックな方法はとても新鮮でした。このような方法論になじみがなく、思い返すと当時の知識も他のi.schoolメンバーに比べて乏しかった(例えば「デザイン思考」なども全く聞いたことがなかった)のですが、成長できるチャンスかなと思い通年生に応募しました。

*イノチャンとは?
全国高校生社会イノベーション選手権(以下「イノチャン」)は、東京大学工学系研究科社会基盤専攻が主催し、一般社団法人日本社会イノベーションセンター/一般社団法人アイスクールが共催して開催している、イノベーションを学び実践する場を高校生に提供することを目的として設立された大会です。
チームのメンバーと共に、社会の中に潜む課題を見つけ出し、その課題を分析し、そして自分たちのアイディアを創出するというi.schoolのアイディア創出手法を元にした一連のプロセスを実際に行います。

イノチャンHPより

質問2:i.schoolでどんなことをしたかったのですか?もしくはこれからやってみたいことはありますか?

 i.schoolに入って最初のイノトーク*で堀井先生から創造性の3形態をはじめとした発想法の種類WSの手法についての話がありました。
 前者については、アイディアの考え方に型があることに驚いたとともに、これからのWSで頭の中がどのように働いているのか考えながら取り組もうという目標を立てました。WSを経験すると、なるほどと腑に落ちることばかりでした。

 後者のWSの手法については、WSで用いられたバイアスブレイクやアナロジーをもとにイノチャンのWS設計を行いました。バイアスブレイクは高校生にとっては難易度が高いことから結果的にはアナロジーによるWSに落ち着きましたが、WSを試行錯誤しながら設計する経験は手法の理解に繋がりました。
 

 これからやってみたいこととして、WSを通したチームビルディングやアイディアの事業化を挙げておきます。例えば社会人向けのWSに参加した際に、できないと思っていたことが実はできるのではないかと気づくことでチームの雰囲気が高まる経験をしました。アイディアを考えたり語ったりすることは純粋に楽しいので、新しいメンバーとプロジェクトを行う前のコミュニケーションツールとして活用できないかなと考えています。
 また、私は引き続き大学に残り研究に取り組みますが、研究を通して有用なシーズが得られた場合には事業化するような選択肢も考えられます。

 i.schoolのプログラムにはアイディア発想の先にある事業化ステップを検討するものもあり、模擬的とはいえアイディアを現実に落とす方法についても学ぶことができました。事業の立ち上げは自分からは遥か遠いものだと思っていましたが、将来の選択肢に入れることができるようになりました。研究して良い技術を作らないといけないですね(笑)。

*イノトークとは
イノトーク(innovation talk)は小人数で密度の濃いディスカッションを実現するi.school通年生や修了生が参加することのできる非公開イベントです。イノベーションをキーワードとして、⽇本または世界の最先端で活躍する実務家や研究者を招き、プレゼンテーションをしていただく他、オーディエンスを交えたディスカッションが⾏なわれています。


2021年度修了生同期と一緒に…!

質問3:実際にi.schoolに入ってみて、どうでしたか?

 WSの型がしっかり決まっているため、何度も繰り返し参加することで、今何をするべきか、次に何を行うのかといった順序を自然と意識することができるようになりました。私は元々焦ってしまうような癖がありますが、今は個人ワークを行う時間だから沈黙が続いていてよい、今は皆でこのトピックを議論するから他のことは後でメンションすればよい、と冷静になることができました。

 個人の能力を最大限に発揮させながらチームとしての強みも出せるのはうまい作りだなと感じます。個人ワークの時間には、修了生のある人はお散歩をする、ある人はお手洗いに行くと言っていましたが、自分もデスクを離れて一人でぶつぶつ言いながらアイディアを考えていました(これはリモートならではかもしれないですね)。

 具体的なWSの思い出としては、一番初めのWS(WS1)はバイアスブレイクを用いたもので、初めはなかなか難しい方法だなと感じていましたが、チームメンバーとの熱い議論を通して理解を深めながら最終的なアイディアにたどり着きました。
 一番最後のWS(WS8)では、ある会社の特許を活用する方法を考えるというテーマでコンサル役になりロールプレイングを行いました。早い段階で一度事業の最終段階までの見通しを立てる(山を登り切る)ことで、方向性を確定させチームの意識が一つにまとまった経験は貴重な体験だったと感じます。これは初めのアイディアに対してかなり厳しめのコメントを受けチーム全員が愕然とした中で負けずに議論を進めた結果だと感じます。相当鍛え上げられましたがいい思い出です(笑)


WSの様子

最後に一言!

 i.schoolではチームワークの力でアイディアの質が高まる体験をすることができます。普段からアイディアを考えることが好き・得意な人は、自分の思考を客観的に捉えられるいい機会になると思います。参加する皆さんの所属の幅の広さやモチベーションの高さも大変刺激となります。気になった方は参加してみることをお勧めします。

i.schoolとは

i.schoolは、東京大学 社会基盤学専攻教授・堀井秀之が2009年に始めたイノベーション教育プログラムです。社会の価値観を塗り替えるイノベーションを本気で起こしたいと考える学生が、アイディア創出法を体系的に学びます。単位も学位も出ませんが、毎年優秀な学生が幅広く集まっています。修了生は200名以上にのぼります


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