情緒とは
子どもたちの豊かな「情緒」を育むために、「大自然」と触れ合わせてあげることは、確かに効果的な「手段」ですが、別にそれがなくても「情緒」は育ちます。
より大切なのは、親、とりわけ母親による見返りを求めることのない「無償の愛」です。
子どもの頃を思い出します。
夕飯のおかずに、ぼくが「これが美味しい」というと、母親は毎日のようにそれを用意してきました。
当時は「美味しいというと毎日同じものばかり出してバカじゃねえの」と母親をなじりましたが、本当は嬉しかったのですね。
なぜなら、ぼくが学校に行ったり友だちと遊んだりして母親と一緒にいない時も、母親がどうしたらぼくを喜ばせてあげることができるかと考えくれ、結果、他の答えを見出すことができず、同じおかずを用意してしまった、その「いじらしさ」が伝わってきたからです。
ちなみに、「自然」と触れ合うことに関しては、
普段、家族を養うために必死で働き、子どものことまで構っていられない父親が、
「たまには、山や川にでも行くか」と、
子どもと一緒になって、童心にかえることが、
「なんだ。お父ちゃんもぼくと一緒じゃないか」と子どもが気づき、もっとも効果的なんです。
「情緒」とは、そういうことです。