JK売り子に取材をした話#1
こんばんわ。本日も、映画徒然随想日記を更新します。#3です。順調に毎日更新が続き、今日で6日目。noteで書くのは、ブログで書いていた頃と違って非常に楽しいです。「スキ」というボタンが読者の存在がチラつかせてくれて、マガジン機能やパッと作れるサムネイルのおかげで、非常に綺麗な見栄えのプロフィールページができ、書く前から気分を良くしてくれます。
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ということで本題に移りましょう。
JK売り子に取材を行くまでの経緯
もしかしたら、ふとサムネイルのタイトルに惹かれて、見にいらっしゃった方もいるかもしれません。どうも、新人映画監督の堂ノ本です。この映画監督という肩書きを改めて書いたは、JK売り子に取材に行ったことが、この職業に密接に関わっているからです。
あれはたしか、私の劇場デビュー作『海底悲歌』が世間の目に触れるより前の、2020年10月のお話。まだ『海底悲歌』は整音段階で、完成さえしていない時分のお話です。
私は大阪芸術大学卒業を控え、とにかく次の映画を考えなくては、となぜか躍起になっていました。その頃に、どうも興味があったのが「援交」だとか「パパ活」だとか、そういう女性が男性に何らかの奉仕を行って金銭を授受する、犯罪まがいの分野でした。というのも、私は”ピンク映画”と呼ばれるジャンルの映画を作りたいと映画に進んだ人間ですので、志向としてそういう方向に、電波が立ってしまうのです。
まずは身の回りの友人たちから、大学生や高校生で「援交」「パパ活」をしていそうな人に声をかけた。これは非常に失礼な話だったが、友人たちは快く答えてくれた。六人くらいの経験者たちからお話を聞いたのだが、その誰もが思うようにロマンスやドラマを秘めてはいなくて、完全に割り切った女の子という感じだった。イメージでは、流されて、身体を許して、ズブズブと、みたいな石井隆チックな世界観があったりするのかな、なんてのは甘い考えだった。その稼ぐ行為よりも、稼がなくて行けない背景にこそ、ドラマが潜んでいたりして、私が求めるものとは少し離れていた。
その中で、とあるパパ活女子が、こんなことを言った。
「援交は割り切ってるだろうし、パパ活はご飯だけって最初から決め打ってる子が多い。でも下着売ってる子は、また別種だと思う」
「それはいい情報をありがとう。ところで、下着売ってる子、知らない?」
恥をかなぐり捨て、全て頼った。彼女は、知り合いにはいないけれど、ネットで探せば行くらでもコンタクトを取れると思う、と教えてくれた。
Twitterで見かける「下着売ります」
言われてすぐに、Twitterへ駆け込んだ。彼女から教えてもらった、隠語を打ち込むと、あら不思議体験、全く知らない世界がそこにはあった。
「売ります」「買います」「DMへどうぞ」
そんな言葉が入り乱れていて、なかなかディープな世界で、恐ろしささえあった。当然、私もその輪に食い込むべく偽アカウントを作り、数々のアカウントをフォローし、その界隈の人間に紛れた。
初めて1週間ほどで、何人かにコンタクトを取るも、「取材させて欲しい」と送ったきり、誰からも返信が返ってこなかった。私は社会通念上、女子高生と二人きりで、いかがわしい売買の証拠まで残して出会うのが、許されるとは思えなかったので、事前に取材交渉を申し込んでいたのだが、とにかく警戒されて会えない。警察や保護団体の人間だとでも疑われるのだろうか。
だから、申し訳なさを存分に感じながらも、背に腹は変えられない。「買います」とメッセージを送った。
アイさんとの取引、取材交渉
この魔法の言葉を送ると、すぐに返信が来た。真っ先に返信が来たアイさん(仮名)は、大阪市内の高校に通う高校1年生らしい。学校が終わる時間帯は、同級生に見られるかもしれないから、と、わざわざ休日に指定してきた。場所は伏せるが某繁華街の駅前で待ち合わせた。変な美人局にあっても困るし、人が多い方が双方にとって安心だろうと、私から提案した。
私が買うと話したのは、高校の指定ソックスで、値段は1足数千円程度のものだった。そこに例えば1週間履いて欲しいだとか、その場で脱いで欲しい(生脱ぎ)だとか、オプションで値段が一気に上がった。勿論商品的には、下着が一番高く、その中でも使用済みのパンティは、靴下の数倍の値段設定がなされていた。アイさんのメニュー表には、その他にも「唾液」「陰毛」など、なかなかディープなものもあり、そういうものは値段が高かった。
とにかく、約束はしたものの、本当に彼女は姿を見せるのか、大いに疑問だった。何せ、こちら側の素性はほとんど明かしておらず、向こう側に立って考えると、リスクしかない取引だ。けれど、彼女は約束の時間にきっちりと姿を現した。
会って、まず驚いたのが、その清楚で真面目そうな容姿だ。勝手なイメージで、荒れた感じの女の子がくるものとばかり思っていたのに、「え?本当にJK売り子?」」と言いたくなるような、真面目で純朴な外見をしていた。私の外見は明かしていなかったので、私から声をかけた。
「アイさんですか、お待たせいたしました。堂ノ本と申します」
私が声をかけると、彼女の方も驚いていた。まさか、20代前半の学生さんがくるとは思っていなかったらしい。けれど、そのすぐ後から彼女の行動は迅速で、まずお金を要求した。けれど、私は本当に女子高生から靴下を買う変態になるわけにはいかないので、急いで目的を説明した。実は私、こういうものでして、と名刺を渡し、良ければ取材をさせて欲しいと丁寧にお願いした。
彼女は10秒ほど黙り込み、
「それは、あのお金はもらえますか?」
と尋ねてきた。無論、指定した靴下代より多めの額をお支払いする、と答えた。加えて、本名や学校名などの個人情報は一切聞かない旨と、嫌なら録音もしない旨を説明した。
「じゃあ、1時間ほどなら大丈夫です」
と、控えめに答えた。
まさか一人目で取材に成功するとは思ってもいなかったので、思わず興奮してしまった。けれど、よくよく考えれば見知らぬ高校生と休日に出会っていること、しかも彼女の鞄には使用済み靴下が入っていることを思い出し、途端に恐ろしくなった。
「ありがとうございます、では、ひとまずそこのカフェにでも」
と、二人で駅前のスターバックスに向かった。
Profile.1 『京都出身 高校3年生 シズクさん』
彼女は抹茶フラペチーノ、私はアイスコーヒーを頼んだ。ついでに軽食にと、小さなケーキを二つ購入した。少しでも警戒感をなくしてもらおうと、お会計の後すぐに、レシートでオブラートに隠して、今回の謝礼を渡した。
その行動が上手く伝わったのか、彼女は緊張が一気に解れ、表情が明るくなった。天気の話や、最近のコロナの話を少しだけしたが、気さくに返答してくれた。
非常に長くなったので、今回はこの辺で一旦区切りをつける。先が気になる方、ぜひスキを押して、私の執筆意欲に貢献をお願いします(笑)
次回、アイさん改め、シズクさんの取材の詳細と、その他数名のProfileを記録する。そちらも長くなれば、分けて書こうと思う。
それでは、今回はこの辺で、アディオス。