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今更ながら「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を見た

こんばんは~
電工二種の勉強から逃げてnoteを書いてます。
逃げで書いてるnoteなので少し攻撃的な表現が含まれているかもしれません。
殴らないでください。

あとネタバレを含むので未視聴の方はブラウザバック推奨です。

表題の「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」は言わずと知れた名作で、劇場版クレヨンしんちゃんの中では「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」と一、二を争う人気作です。

でもねぇ…僕は逆張りマンなんですよ。
他者が良いと言ってるものに逆らいたくなるんですよ。
だから本作も見たことはあるものの「別にもてはやされるほどの作品か?」と思っていた。

…というか今も思ってはいる。
良い作品だとは思うけど「そんなに全員に刺さる作品ちゃうやろ」と。
特に後述するような野原ひろしと同じ人生を送ってない人には刺さらんやろ。
映画の演出に感動してるだけちゃう?
それはそれで監督の手腕が光るけど。
なんか「大学生がおじさんぶる感じ」とかYoutubeのコメント欄にいる「〇〇歳だけどこの時代の曲が一番」とか言ってる人を見た時のような薄ら寒い気分になる。

というクソ偏見はさておき、この映画が刺さるのは野原ひろしと同じように「がむしゃらにライフステージを駆け上がってきた人」だと思う。
本作においては野原みさえの過去にはフォーカスされていないので、野原ひろしを中心に据えて語るが、決して女性蔑視ではない。
(「爆睡!ユメミ―ワールド大突撃」ではどちらかと言えば野原みさえの母性愛がカギの一つだし、そっちではボロボロに泣いた)


本作でよく語られる名シーンは、野原ひろしの回想シーンだと思う。

洗脳されて少年時代に戻っている野原ひろしは、野原しんのすけによって自分の靴の臭いを嗅がされ、我に返る。

回想シーンでは野原ひろしの幼年時代から学生時代を経て大人になり、上司怒られたり同僚に励まされたり、家族が出来て、家を買って、家族を養うために汗だくになって営業回ったり電車で寝落ちしそうになったり、そして幼年時代に自分がされたように自転車の後ろに子どもを乗せて釣りに行く。

いわゆる泣きポイントで、「斜に構えた状態で観てなければ」確実に泣いていた。
あの劇伴はズルい。泣かせに来ている。


でも冷静になって考えたら、野原ひろしに共感できるポイントなんて一つもない
困ったことに野原ひろしの境遇に対して、共感想像もできない。

16歳までずっと両親と同居していたが、
父親と出かけた記憶はほとんどない。

平日は俺と同じ時間に家を出て、帰ってくるのは俺が寝る頃。
土日は家で録画を消化したり競馬を見ていた。

強いて父との思い出を挙げるとすれば、
休みの日にひたすらハンターハンター(旧アニメ)を見ていたことくらいだ。

そして自分の未来としても想像が出来ない。

結婚?子ども?持ち家?

現実味が無さすぎる。
自分には守るべき家族はいない。
だから冷静に見たら泣けないし感動も出来ない。


でもいいシーンなんだよなぁ…
自分のこととしては想像共感も出来なくても、
野原ひろしに対して感情移入はできる。

誰かに守られてきた子どもの時代があって、
モーレツ社員時代を経て、守るべき家族ができて。
子どもの前で弱い姿を見せるわけにはいかなくて。
別に大人になったら無条件で強くなるわけじゃない。
ただ平気なフリが上手くなっていくだけ。
辛いことを押し殺して踏ん張ってるだけ。

限界ギリギリで生きているところに、
昔の自分に戻れるような機会があったら
飛びつくに決まってる。
みんな本当は逃げたくて仕方が無い。

洗脳が解けて我に返った野原ひろしは、
野原しんのすけに「父ちゃん、オラがわかる?」と聞かれた時に、
あぁ……あぁ……」としか答えられなかった。

野原みさえのように自分から「あなた」「しんちゃん」「ひま」「しろ」と順に名前を呼ぶことも出来ず、野原しんのすけに対して「すまない…」と謝ることも出来ず、
呻くように、ひねり出すように「あぁ……」と答えることしかできなかった。
そして野原しんのすけを抱きながら膝を丸めて泣く。

抱きしめるために膝を丸めたとも考えられるが、
それだけじゃないように思う。

心理学分野では、
ストレス
を感じていたり防衛的になっている時に
身体を丸めて眠ると言われている。

野原ひろしは辛いのだ。
洗脳されて大事な子どものことを忘れてしまったことも、
洗脳が解けて現実と向き合わなくてはならないことも。

そう考えたら泣けてくるな……
やっぱり名作だわ……

やっぱり映画を見るときは没入するに限る。
劇場で見てたら絶対に泣いてた。
って野原ひろしと同じ人生を送ってない人には刺さらんやろとか言ってたのにしっかり刺さるんかい……
ごめんて……


……ということで、
みんなが褒めちぎる程の作品かはともかくとして、
とてもいい作品でした。

何よりも、
幼稚園バスを強奪してオトナ帝国に行くシーン面白過ぎないか?
やっぱりクレヨンしんちゃんって神だわ…
ちなみに劇場版クレしんの最高傑作は「雲黒斎の野望」か「嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」だと思ってる。



ちなみに父はALWAYS三丁目の夕日を見たら絶対に泣くし、
母は南こうせつとかぐや姫の「神田川」を聞いては「いい時代だよね~」と言います。

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