野良猫と目玉
📌野良猫と目玉①
森の木々に隠れる様に
樹洞に塒を作り
寒さを凌ぎ
眠ってたんだ
だけど…
猫の声を真似て
僕を呼ぶ声が聞こえる
身を潜め
僕を呼ぶ声を確かめると
妖だったんだ
📌野良猫と目玉②
妖を呼び止める様に
僕は一声 鳴いた
妖は僕に気付いて言う
森に有る神社には
古井戸が有るから
近付かぬ事だ
何処ぞの
古井戸も避けて通る様に
と 言って
妖は去って行ったんだ
📌野良猫と目玉③
僕は妖が目玉を
取り上げに来たと
一瞬 思ったんだ
僕が人の目玉を
勝手に奪っちゃたから
だからと言って
返す気も
あげる気も無いんだ
野良な僕に出来る事なんて
毛繕いぐらいで
獣な僕が偶に
目玉を甘噛みと
言えないくらい
噛み付いた時はごめん