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僕は夢をみる 俊足の馬になる 夢をみるんだ 僕は言うんだ 馬になるなら 全身 真っ白が良いって 頭上から 真っ白い欠片達が 僕に少しずつ集って 僕の身体になっていくんだ 僕は 真っ白い馬になる 夢を見る
顔を見せぬ事で 感情を 気取られぬ様にし 色の無い布で 特色を出さない 幾重にも 布を重ねる事で 気配を隠し 砂埃で 人の臭いを消す 鴉が 揶揄いに来ても 静かにしているんだ だけど… 此の1輪の花だけは 色が目に付く強さであっても 薫りが強くても 僕は手放せないんだ
少し肩の力を抜けば良い 眠りたい時に眠って 起きたい時に目覚める様に 柔らかな寝床で眠るんだ 偶には 何時も言ってる事と 逆の事を 言ってみたら良い こんな僕でも ちゃんと聞くから
刻と日に追われ 駆けずり廻って 停まる事は 出来ずに 流れを維持するんだ 気分を上げて 交差する点を目指し 突っ走る 張り詰めた緊張感 糸を引けば 仲間が気付く まだ 1波目の目前 巨大な2波目が 通り過ぎるまでは 糸は緩まない
薄皮を大きく広げ 身体に空気を含み彷徨う 私の手足が 風に流れる様に 長く伸び クルクルと 彼方此方に渦巻く 此の手足に 吸い付くのは砂ばかり 空を彷徨い 墨を吐けば 視えずにいた景色が 露わになる
私は 歪な種や 不揃いな欠片を集めていく 歪な種は土に植え 不揃いな欠片は 似た欠片を側に置く 歪な種が育つ刻は 奇異なる物か 異形なる物が 現れる前兆か 不揃いな欠片が 1つになる刻は 何か物かが集まる前兆か 視えぬ物達が 静かに蠢く刻を 私は密かに覗き視る
酷く汚染された 此の世界 生身の身体は 壊死して 溶け腐敗してまうんだ 生きていく為の ブリキ製の身体 ガチガチ ガチャガチャ 此の 金属音が日常の音 ブリキ製の世界が 此処に有る
針に覆われた毒蟲に 人の味を 覚えさせる 私の血で 蟲達に教えるのだ 蟲達は 血の味しか 知らなくても 飢えた時には 人の血肉を喰らうだろうか? 人を喰い尽くし 蟲達は 増えていくだろうか…
不気味な星が 顔を出す 煙る景色の中 異形の物が 我が物顔で歩いているんだ 私は綺麗な 花を見つけても 花が壊れそうで 手を動かせず 触れるのを 躊躇ってしまうんだ 花の毒に 蝕まれてしまいそうで 花を恐れているんだ
領域や限度を決めると 根が這う事ができず 咲くのは 此の1輪だけ 花が有る事を 誤魔化す様に 水の無い花瓶に 刺さっている 作り物の花は香りもしない 刻や状況で 変化して魅せ 表情を変える華々 手を掛ければ 美しさを保ち続ける
本の頁を捲り 知らぬ世界の話に飛び込む ある時は海辺に ある時は森の奥に ある時は雑踏の中に… 紛れ込む 感覚に触れる
屍の肉を一部を抜き 腕と手の骨は 骨組みに使い 人形を作る 屍は覚えているはず 此の痛みを 与えてきた者を 屍は忘れないはず 此の苦しみを 教えた者を 朽ちる事ない 人形の姿で 復讐に行くんだ
指針を持たない僕は 全て自分で創るんだ 無いからって 諦めたくない 地図だって 自分で書き記して行くんだ 存在しない道具や機械ぐらい 造って見せる 欲しい物も 手に入れる方法を 自分なりに模索して 前に行く 僕は探索者 僕は冒険家だから
子供の頃 山で出会った 不思議な子と遊んで 縫いぐるみの お腹に 欲しい物を書いて 石を詰めたんだ 大人になったら 縫いぐるみが現れて 連れて帰ったら 手に入るよって 此の縫いぐるみを 無事に連れて帰ってねって 人ではない あの子が笑って言ってたんだ 無事にねって…