とある摩訶不思議アドベンチャー
突然の訃報に驚愕・動揺・狼狽。全くの予想外からのニュースで、思わず変な声出ました。だってまだ若いのに!SANDLANDとかで現役バリバリ感だったじゃん!僕らの創造主・鳥山明先生がいなくなってしまった…。
ちょっとまだ俄かに信じられないです。名古屋在住でメディア露出も殆どなく、会った事も見た事すら無いにも関わらず、なんか子供の頃からずっと知ってる人感。もはや偉大過ぎて当たり前、普段意識すらしない程の存在が、突然いなくなっちゃった事実による喪失感。俺たちのヒーロー志村けんの時みたいな、自分のうろたえっぷりにうろたえます。
僕はたぶんDr.スランプのアニメから入ったと思いますが、漫画も繰り返し読んでました。やっぱりとにかく絵が超越的圧倒的過ぎて、緻密なのにひたすらポップでキャッチーな鳥山ワールドにどっぷり浸かってました。リアタイで追い始めたのはドラゴンボール序盤くらいだったので、アラレちゃんジャンプ初登場が漫画界に与えた衝撃は体感できてないんですが、当時の劇画ブームを一気に手塚路線に引き戻した上、更にアメコミホビーテイストも盛り込んだモダンデザイン新世代機軸は、後の大友ショック以上の、さぞや大革命だったんだろうと思います。
僕がゲーム・アニメ・漫画フィールドの人間だからっていうのはもちろんありますが、訃報からずっと僕のSNSタイムラインは鳥山追悼で埋め尽くされています。日本のみならず、世界中の名だたる現役トップ絵師達が軒並み反応してて、今更ながらにその影響力を再認識中。みんなアニメのドラゴンボールから入って、スーパーサイヤ人で掴まれた元キッズ達。画風やスタイルも全然違う絵師達ですら、必ず通って履修してる鳥山絵まじすげえ。だってかめはめ波とか冗談抜きで世界共通言語ですよ。
マーヴェルの父・スタン・リーや、バンドデシネの神・メビウスの訃報の時ですら、ここまでではなかったです。ここロンドンでも、高畑勲や坂本龍一もニュースになりましたが、鳥山明に関してはちょっと次元が違う感じです。マジで全世界、全世代。特段オタクじゃない人達も反応してて、もしかしたらオスカー監督のパヤオより影響力大きいかも。「日本ホルホルかっこ悪い」みたいな風潮ありますが、こればっかりは事実なのでしょうがない。(ちなみに「大谷並の影響力〜」みたいなコメントを見かけたりしますが、正直大谷は欧州では誰も知りません。野球自体が日米韓と中南米くらいだし、そこでも現役世代は殆ど野球見てないです。騒いでるのは日本人だけです。)
とあるひとりのオタク人間が楽しく絵を描いて、それを見て育ったキッズが各方面の第一線で絵を描き、やがてその影響は全人類に伝播する。しかもドラゴンボールいまだに現役ですから。これもう人類史クリエイティブの特異点、世界変えちゃってるじゃん。もちろん本人はそんな事は意図してなかった筈ですが、まさに摩訶不思議アドベンチャーを地で行く奇跡的現象、この世はでっかい宝島です。
人種も世代も文化も超えて突き刺さる創作物。僕も影響受けたキッズの一端くれとして、改めて創造主の偉大さを感じています。小さい頃いっぱい描いた鳥山絵、久々に描いてたらなんか色々しみじみしてしまいました。
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