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未来は僕らの手の中 - ロンドン封鎖日記 第2波 #5

言わんこっちゃない。

クリスマスを目前にしたロンドン、突如幻のTier4突入!えっ急に何それTierシステムって3が最高レベルって言ってたじゃん!限界突破でビヨンド世界へ。まあつまり事実上のロックダウン第三弾です。「とりあえず12月30日まで封鎖して、それ以降はまた考える」って事らしいですが、現状を見るにつけ、ぃやっほぅ〜ニューイヤーパーティ〜となる可能性なんて皆無でしょう。

そもそもが「クリスマス規制できなそうだし、11月にロックダウンして誤魔化すヨ」からの「うわ、何やっても感染拡大止まんねー」で、どうしよ〜とウダウダやった挙句「やっぱ明日から年末全封鎖するわ」とか、いやー客観で見てても酷いもん。クリスマス休暇や帰省の算段立ててた人々はまたもや大パニック。何回やんのこのコント。ワクチン話も吹っ飛ばす悪手で当然ボリスさんまた袋叩きです。大衆の顔色伺いながら、日和と忖度で右往左往。ほんとポピュリズムってクソだな。僕は多様性の支持者ですが、多様化したイデオロギーを取り扱う知性がなければ、それはただの収集つかない烏合の衆です。

まあコロナに関しては欧米諸国こぞって似たような感じなので、一様に責められないっつーか、「やっぱどう足掻こうが自然災害には太刀打ちできないよなー」と、人間のちっぽけさを再確認するのであります。と同時に「やっぱ日本人その辺鍛えられてんな」とかも思ったり。

還暦牛イヤー

さて来年2021年は牛年です。特に60年ぶりの「辛丑(かのと・うし)」とかいって、「痛みを伴う衰退と、新たな息吹が互いに増強し合う年」らしいですよ。ちなみに2020年は60年ぶりの「庚子(かのえ・ね)」で「大災厄の年」て事でした。何やら12支と10支があーだこーだで重なって、とにかく60年の還暦サイクルが一巡するスペシャルイヤーが続くみたいです。予測が現状にばっちりハマっちゃってるあたり、中華5千年の集合知はさすがですねー。

僕は占いやオカルトは基本信じない人間ですが、ビッグデータ統計に関しては一考の価値はあると思っています。そもそも神学や占星学、錬金学などは、科学以前の時代の人類が神の御技=宇宙真理を解明理解しようと、数千年間右往左往した経験のデータ集積でもあります。すぐ謎の魔法パワーとか悪魔契約とかに走っちゃいがちなのは、文系脳のなろう系イマジネーションでしょうか。経緯はいいから結果だけくれと。それもそれで嫌いじゃないけど。

古代中国では「未来は決まってる」という運命論的思想が根底にあって、どうにかその未来を知ろうとあれこれやった結果として暦が発達したと言われています。まあ来年は今年よりは幾分ポジティブな気配もありそうだし、せめて辛丑の「新たな息吹」に期待したいところです。

ラプラスの悪魔

例えば、手にボールを掴んでいるとします。掴んだ手を離すと、ボールは床に落ちます。そのぐらいの未来予測なら僕らにもできます。経験則から、1G下におけるボールの質量や空気抵抗などの「限定的現状を把握している」からです。今を分かっていれば未来も分かるという事です。ただ現状把握が足りなければ「死角から犬が飛び込んできてボールをキャッチしてしまう」という限定外の未来は予測できません。とはいえ理論上は、もし「今」を完全把握できれば「未来」の完全予測が可能な訳です。

もちろん、人間やコンピュータが「原子、電子、陽子、中性子、ダークマターなどの全宇宙の全エネルギーの状態を把握する」事など不可能なので、未来予知など不可能なんですが、把握ができないだけで「現在」という現実は既に起こっている、つまり事実上「現在は確定している」という事になります。いや当たり前の事言ってますけど

そして現在が確定してるということは、次の瞬間どうなるかも自動的に確定します。するとその次の瞬間も、更にその次も確定します。つまり全ての未来は既に確定している事になります。チェスの名手は盤上の最善手を読み切ったりするらしいですが、その全宇宙版です。

それを逆から考えると、実はこの世界というのは「確定済みのレール」を「現在」という瞬間が進んでいるだけ、まるで「レコードの溝」を「レコード針」がなぞっているだけだとも言えます。

こういうの「因果性決定論」とか言うんでしたっけ、まさに運命論的オカルト話に聞こえますが、一応筋は通っています。ロックダウン下で暇過ぎて、僕の脳がくだらない厨二妄想を展開して、それをこうして駄文で吐き出し垂れ流しちゃってるのも、実は宇宙誕生時から予め確定していた事象であり、なるべくしてそうなっている、言わば運命だった訳です。なんか切ない。

3次元空間に時間軸を足した4次元世界が、僕らが知覚できる僕らの世界です。その中でプラスとマイナスの間を振り子のように揺れるエネルギーが僕らです。いつか振り子が完全な均衡状態になった時、それは宇宙の特異点になります。それは完全な1とも言えるしゼロとも言える。究極の存在でもあり無でもある。完全体でもあり死でもある。そしてある時、まるで凪いだ水面に小石が落ちるが如く、おそらく更に外側の次元からのきっかけで均衡が破られて、ビッグバンが起こり再び振り子が揺れ始めます。レコードの上に針が置かれ、新たな確定未来を「今」がなぞり始める。

ハイもう完全に頭イっちゃってますね僕

こういう理屈、「ラプラスの悪魔」とか呼ばれてますが、量子力学の「現在の量子の状態の完全把握は原理的に不可能」という不確定性原理によって否定されました。更に「重なり合った量子は、観測される事で状態収束・確定する」というその理論に対するツッコミが、かの有名な「シュレディンガーの猫」ですね。これまたオカルト科学世界。

未来は僕らの手の中

たとえもし未来が確定していて、僕らが運命の操り人形だとしても、誰もその未来を知る事ができない以上状況は何も変わりません。結局僕らは相変わらず右往左往しながら、悩んだり頑張ったり今できるだけの事をやるしかないんですね。

無限に連続する因果の中で、コロナにしっちゃかめっちゃかにされながら、来年もブレグジットと世界恐慌のグダグダの中を生き抜き、やがて訪れる新たな息吹に乗っかる。そんな風に確定した現在や未来をどう捉えるかも僕ら次第。未来は(色んな意味で)既に僕らの手の中にあるのです。このロックダウンクリスマスを「孤独と絶望のナイトメア」と捉えるか、生涯一度しかないであろう「真のサイレントホーリーナイト」と捉えるかで、人生のありようも変わってくると思うのです。


まあそんなこんなで皆さん、メリークリスマス&ハッピーニューイヤー✨✨


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