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いっせーの、せ

みんなで頑張らなければいけない時、僕は頑張れない。
頑張ろう!という気持ちは人並みにある。でもその気持ちがいつも空回ってしまう。先頭で引っ張っていこうなんて気持ちはさらさらなく、ブービー賞でいいからなんとか食らいついていこうとする。それでも遅れをとる。大勢が頑張っている状況で自分だけ取り残された感じがし、さらに気持ちだけが焦る。自分に無意味にプレッシャーをかけて勝手に追い詰められる。
逃げ場も隠れ場も無くなったことに気付いたとき、賢者タイムが訪れる。

「元々、やればできる人じゃないもーん。自由にやった方がいいんだもーん」

自分の置かれている状況にどうでもよくなって、逃げも隠れもできないのなら、やらないという選択を取ってしまう。本当であれば仕事だしお金を貰っている以上、気持ちがめげてもやり抜かないといけないことは分かっている。そうやってメンタルを鍛えていかなくてはいけないのだろう。それでも自分には甘く生きてしまう。
プレッシャーがないときの方が調子良く、どちらかというと良い結果を生むことが多い。
頑張ろうって気持ちがいつも空回ってしまう、と先輩にちょこっと話してみた。少しはこれから先のヒントになるかもしれないと期待してみた。
「逆にもっと頑張ってみたら?」と返された。僕はこの瞬間思った。この先輩には絶対にヒントを求めてはいけない、と。

頑張らなければいけない時に頑張っている人の方が、普段から少しずつ頑張っている人よりも目立つ。注目されている状況で一発、大きな花火を打ち上げられる人が強い。
なれるのならば、本番に強い人間になりたい。しかし身の丈を知っているから、普段からコツコツ頑張るしかない。いつも自分の中で最大限の努力をし続けないといけない。
一区切りついた時、蓋を開けた時に頑張りの成果が分かる。成果を見た時、自分のことを褒めてあげることができるけど、やっぱり心のどこかで、一発勝負に強い人になりたいと思ってしまう。

普段から頑張っている姿を誰かが見ていてくれる。
よく耳にする言葉だけれど、僕はそんな「誰か」に出会ったことがない。普段から見せかけの真面目キャラでやってきた弊害なのか、普段から頑張ることがこの人の当たり前だと思われているからなのか。
何もしなくていいのなら何もしたくない。多くの人がこの気持ちを持ちながら生きていると思うが、漏れず僕もそう思いながら生きている。
何もしないことによって叱責されたり、目を付けられたりするのが嫌だから真面目に演じているだけなのである。
ここぞという時の頑張り方。簡単に検索して答えが分かる現代なのに、検索エンジンに打ち込んでも正解を教えてくれない。

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