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流され流されここにいる

昼休みにガストで昼食をとっていた。見渡すと、真っ黒なスーツを着てお揃いの社章バッジをつけた若者の客が多い。

新社会人の群れだ!

私がいわゆる「新社会人」だった時の様子と比べて、みんな随分大人に見えた。もしかしたら人生を送るのがみーんな5周目とかで、この節目を通ることに慣れている方々なのかもしれない。

この、周りの人が上手に生きている感じと、自分の生き方が下手なのを無意識に比べて、感じなくても良い劣等感を感じた時、「私は人生1周目だからな〜」と考えるようにしていて、

そう思った方が自分の未熟さとか不器用さ、上手くいかなさに理由をつけられる気がして、感じた劣等感をごちゃっと誤魔化すことができるのだ。

芦田愛菜さんとかはもう5000兆回人生を歩んでいるに違いない。そんなことはない。

なんてふざけたことを考えながら、ドリンクバーでカプチーノを入れた。

シュコーッと轟かせてカップを満たしてくれないミルク切れのコーヒーメーカーにたじろぎ何もできず、店員さんに「ミルク切れてるので補充してください」さえ言えない私は、なんと新社会人になってからもう4年目に入ろうとしている。意味が分からないよ。

パリッとしたリクルートスーツに、ストッキングとパンプスを履いて、印象の良いメイクを施し、長い髪は綺麗に束ねて、コツコツとアスファルトを踏み鳴らしている人々。

品のいいネクタイを締めてとにかく好印象であることにステータス全振りしている彼ら彼女らを見て、ちょっと量産型すぎやしないかとも思ったし、でもこの国ではそれが良しとされているので、そういうものか、とも思った。

でも、横のテーブルから「さっきの社長の話の時に寝てた人おって、首がガクってなってたんよw」という話が聞こえてきて、ほんのり学生みを感じられたのは大変良かった。


私は就職活動をしていない。

周りの友達が就活している中で、履修科目的に「教職目指しグループ」にしれっと入った私は、そのまま周りに流されるように教員採用試験の対策をして、そのまま先生になった。怖くて嫌なイメージのある就活よりマシだと思って逃げたからだった。

一ヶ月の残業130時間という喜ばしくない称号を得て転職を決意して、ようやっと皆が大学4年の時に経験する就活ってものをするのか〜と思って、

就活というのをあまりよく分かってないまま転職フェアの会場をふらふら歩いてたら、今の会社の敏腕営業マンに声をかけられて、そのまましれっと入社して今に至る。

私って自己決定力が欠落しているのだと思う。もとい、自分の意思を見つめる力が無さすぎる。転職を決意した以外は、周りの影響に流された結果である。

「なんで先生になったの?」は、「子どもの時の将来の夢だったんです!」が事実として言えたけど、

「なんで今の仕事を選んだの?」に対しては「研修制度が良かったので」「定時退社できるので」的な当たり障りないことしか言えない。

それが悪いことではないけれども。

そうめんみたいに流されるので、研修で勉強して「知らなかったことを知るって面白い!得た知識でガンガン仕事したい!楽しみ!」とワクワクしていたところ、

消極的な同期が言った「これってやる意味ある?」「教育担当の教え方が良くない」「実は陰でみんなサボってるよ」などのネガティブな言葉を聞いて、

私は私の角度でしかものを見ていなかった、多角的に見たら今置かれている状況は同期たちの言ったことで間違いないのかもしれない、とあれよあれよと流され、

じゃあ今何をもって仕事をしているのかというと、

定時退社できるから平日にもコンサートや観劇のチケットが申し込める、夜に映画を観られる、湯船に浸かる時間がある、だから良いのだ、という程度のマインド。

何か仕事で大きなことを成し遂げたいとかそういう熱意を抱く前に、ハードルを越えることに対して現実的な難しさを感じてしまって、今週は疲れてしまいました。

折角転職して自分の時間が増えたのだから、その権利をキープし続けるために仕事を頑張りたいとガッツポーズしながら思う時もあれば、

本当に長くここで息をし続けられるのか?と不安で仕方がなくなり仕事に手が付かない時もある。どこに本当の自分の考えがあるのか分からない。

今週はぐちゃぐちゃして泥になってしまいました。私は新社会人じゃないけど新入社員ではある。程よくいかねば。

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